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『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』最速レビュー ─ ワンショットの実写マジック対決、フォー・ホースメンとZ世代マジシャン激突

グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション
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(カナダ・トロントから現地レポート)瞬間移動で銀行強盗、常識を超え“雨を止めてしまう”イリュージョン、そんな ありえない瞬間を次々と見せつけてきた世界最高のイリュージョニスト集団、フォー・ホースメン。彼らの壮大なマジックは、2013年の『グランド・イリュージョン』から世界中の観客を魅了し続けてきた。

このシリーズ最新作で3作目となる『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』が2026年初夏、日本公開を迎える。前作『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(2016)から約10年ぶりの新作となる本作は、北米では2025年11月14日に公開され、全世界興行収入ランキングで首位を獲得。興収はすでに7,550万ドルを突破しており、米Varietyの報道によると中国・韓国・フランス・英国でも高成績を記録しているという。

物語は、フォー・ホースメンがブルックリンの倉庫で10年ぶりのショーを仕掛けるところから幕を開ける。ステージに呼ばれたボランティアの体内へ次々と吸い込まれるという、幽霊のように幻想的な演出に観客は息を呑む。しかし、この仕掛けもすぐに種明かしされる(同シリーズの大きな魅力のひとつだ)。

このショーを裏で操っていたのは、Z世代のマジシャン、ボスコ(ドミニク・セッサ)、ジューン(アリアナ・グリーンブラット)、チャーリー(ジャスティス・スミス)。ショーの後、アトラスが彼らと接触。秘密結社「アイ」の指示でフォー・ホースメンと若手マジシャンたちが手を組むことに。狙うのは、富豪でCEOのヴェロニカ・ヴァンダーバーグ(ロザムンド・パイク)が所持する史上最高価値のハートのダイヤモンドだ。ニューヨーク、フランス、南アフリカ、アブダビへと舞台を移しながら、スケールの大きな強奪劇が繰り広げられる。

本作の大きな見どころのひとつは、若手マジシャンたちとフォー・ホースメンが互いのマジックの腕を披露し合うシーン。シンプルなカードマジックが次第に複雑化していく、瞬きするのがもったいなく思えてしまう魅力的なシーンだ。このシーンはワンショットで撮影されており、ルーベン・フライシャー監督によると、すべて実写で撮影されたという。米SlashFilmの独占インタビューでは、「カメラの裏では様々なことが起きていましたが、全て実写で、視覚効果は使いませんでした」と語っている。

さらに、悪役ヴェロニカを演じたロザムンド・パイクの存在感も圧倒的。南アフリカ訛りの柔らかな話し方の裏にある恐ろしい一面を巧みに演じ、私たち観客にスリル満点の緊張感を与えてくれる存在だ。

『オーシャンズ』シリーズのような華麗なテンポで繰り広げられる強奪、『ワイスピ』シリーズのような過去作からの驚きのキャラクター復帰、『アベンジャーズ』シリーズっぽい仲間同士の絆など、多くのヒット作の好いとこ取りをしたような本作。ネタバレは避けるが、同シリーズらしい“あっと驚くどんでん返し”ももちろん健在。すでに第4作の製作が決定しており、本作に続いてルーベン・フライシャー監督が続投することから、さらに大きな展開への期待が高まる仕上がりとなっている。

監督を務めるのは『ゾンビランド』シリーズで知られるルーベン・フライシャー。フォー・ホースメンのメンバーであるJ・ダニエル・アトラス役のジェシー・アイゼンバーグ、メリット・マッキニー役のウディ・ハレルソン、ジャック・ワイルダー役のデイヴ・フランコ、ヘンリー・リーブス役のアイラ・フィッシャーに加え、伝説のマジシャンであるサディアス・ブラッドリー役をモーガン・フリーマンが続投。さらに、Z世代の新たなマジシャンとして『名探偵ピカチュウ』(2019)のジャスティス・スミス、『バービー』(2023)のアリアナ・グリーンブラット、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(2024)のドミニク・セッサが参加する。悪役には『ゴーン・ガール』(2014)のロザムンド・パイクと、豪華キャストが勢ぞろいだ。

『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』は、2026年初夏に日本公開が決定している。

Writer

Ayaka SaitoAyaka Saito

カナダ・トロント在住の映画レポーター/コラムニスト。北米で感じ取れる「ポップカルチャーへの熱」をお届けします。好きなジャンル:ホラー、好きなヒーロー:DCブルービートル。

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