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もうヒーロー誕生映画は流行らない?『ジャスティス・リーグ』米メディア意見にマーベル映画の監督が反論

日本でも2017年11月23日に公開を迎えた『ジャスティス・リーグ』は、バットマンやスーパーマン、ワンダーウーマンといった既に馴染みのDCヒーローたちに加え、フラッシュ、アクアマン、サイボーグといった新ヒーローが合流、リーグを結成し未曾有の悪に立ち向かうというスーパーヒーローたちの掛け合いやチームワークが大きな見所の一作だ。

DCコミックス原作の『ジャスティス・リーグ』と何かと比較対象に挙げられるのがマーベル・シネマティック・ユニバースの『アベンジャーズ』だろう。2012年の映画『アベンジャーズ』(2012)では主要ヒーローたちの単独映画を先に用意した上で公開されていたのに対し、『ジャスティス・リーグ』ではフラッシュ、アクアマン、サイボーグといった重要キャラクターが事実上の初登場だった。およそ2時間のコンパクトな上映時間の中で『ジャスティス・リーグ』は3人の超人物語を紹介し、チームが結成されて悪を倒すまでの壮大な物語をまとめ上げていた。

『ジャスティス・リーグ』が、3人の新ヒーローをユニバースにスムーズに導入していたことに賛辞を送るThe Hollywood Reporterの記事では、本作を機にスーパーヒーローの誕生や起源(=オリジン)の物語を描く映画について考え直している。これに対し、マーベル映画の監督が反論の声を挙げる事態となった。

ヒーローのオリジン映画はそろそろ限界?

「ビッグヒーローの起源を描くストーリーは、自然と似通ったものになってしまう」と指摘する同記事は『ジャスティス・リーグ』における新ヒーローの導入について「合理化させる道を切り開いた」「新キャラクターの紹介について多かれ少なかれ成功していた」と評価している。

同記事は、スーパーヒーローの誕生を描く映画が飽和状態にあることに警鐘を鳴らしている。近年、新たなヒーローが続々と映画化され、時にはリブートとして描き直すこともある。記事では、「さまざまな要素を切り替えることでしばらく興味を惹きつけ続けることはできるとしても、次第に限界は訪れるはずだ」と指摘。『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でオリジン映画の背景がないまま登場しながら、力強い存在感を放ったブラックパンサーとスパイダーマンを前例として挙げながら、ヒーロー起源の紹介は、大きなストーリーの中にオマケ要素として盛り込まれるものになっていくと主張する。その上で『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)は、『シビル・ウォー』のおかげで映画の半分をヒーローの誕生に充てる必要がなかったと振り返り、「スーパーヒーローのオリジン映画は、死ぬべくして死んだ」と分析する。なお『ワンダーウーマン』(2017)の成功については、”女性スーパーヒーロー”というジャンルの椅子が空いていたから良かったのだと取り上げた。最後に、2000年代より続くスーパーヒーロー映画の道において、オリジン映画はあまりにも反復され、バットマンやスパイダーマンなど同じ道を複数回辿ったヒーローもいると締めくくった。

ジェームズ・ガン監督が反論

「『ジャスティス・リーグ』はスーパーヒーローのオリジン物語を殺したか?」のタイトルがつけられたこの記事に、「ハリウッド・レポーターの記者は何を思ってこんなタイトルを付けたのか」と痛烈に批判したのが、マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)で複数のヒーローたちのオリジンを描くことに成功し、続編『リミックス』(2017)も大ヒットに導いたジェームズ・ガン監督である。

「今年だけでも、『ワンダーウーマン』は8億2,000万ドルを稼ぎ出し、去年は『デッドプール』が7億8,000万ドル、『ドクター・ストレンジ』が6億7,500万ドルだ。『ジャスティス・リーグ』たった一本観ただけで、スーパーヒーローのオリジン物語が死んだだって?全くもって筋違いだ。」

スーパーヒーローの物語は、なぜヒーローとしての道を選んだのかという背景にいかに共感できるかが醍醐味のひとつと言えるが、一方で『デッドプール』のような新たな説明手法の開発余地があるのも事実だろう。

ちなみにマーベルでは今後、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で登場済みのブラックパンサーの物語を描く『ブラックパンサー』が2018年3月1日に、そして全くの初登場となる『キャプテン・マーベル』が2019年に控える。方やDCでも、『シャザム!(原題:Shazam!)』の映画化が進行中のほか、『バットガール』映画化も水面下で進められている

ヒーローのオリジン映画はもうお腹いっぱい?あなたの意見はどうだろうか。

Source:https://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/justice-league-proves-superhero-origin-movies-are-dead-1059674
https://www.facebook.com/jgunn/posts/10154718640476157

 

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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