『エスター』前日譚、主演続投の俳優を子どもに見せるトリック写真が公開 ─ 共演者の足元にご注目

子どもから大人へと成長を遂げた俳優のイザベル・ファーマンがなんと、『エスター』(2009)の前日譚映画『Orphan: First Kill(原題)』で主人公役を再び演じた。これを可能にするための驚愕のトリックのひとつが、Twitterにて明らかにされている。
この記事には、『エスター』(2009)のネタバレが含まれています。
前作『エスター』は、愛する我が子を亡くした夫婦が悲しみを乗り越えるため、“エスター”という少女を引き取ったことから恐るべき事態に巻き込まれていく物語。本編の後半では、エスターことリーナ・クラマーが発育不全のため外見が幼いだけで、実際は大人であり子どもではないことが判明するという衝撃の展開が描かれる。
13年の時を経て米国で公開となった前日譚は、リーナの知られざる過去を紐解く物語。当時子役で現在では大人となったファーマンが、エスターことリーナ役を続投するということで出演発表当時から話題を呼んでいたが、その方法に関しては、“メイクチームを起用し、遠近法を使用した撮影”が活用されると伝えられていた。その後のインタビューでファーマンは、「特殊効果を使うわけでもなく、クレイジーなメイクのトリックを使ったわけでもありません」とも説明。いずれにせよ、CGによるデジタル若返りが一種の方法論として確立されている中、『Orphan: First Kill』ではアナログ手法での大胆な子ども返りに挑戦したわけだ。
How do you make a 24 year-old look like a child?
For starters, put everyone else in platform shoes. 🤣🤣🤣 #OrphanFirstKill pic.twitter.com/1DqJvQrh4F— David Coggeshall (@DavidCoggeshall) August 15, 2022
そのアナログ手法における仕掛けのひとつが、ファーマン以外の出演者たちの身長を可能な限り高く見せることだったようだ。本作で脚本を務めたデイビット・コッゲスホールが、Twitterに「24歳を子どものように見せるためにはどうするべきかって?まずはじめに、ほかの人たちに厚底の靴を履かせてみてください」と添えた上で、ファーマン以外の出演者たちが厚底の靴を履く舞台裏写真を公開している。ファーマンとほかの俳優たちが共演する場面では、出演者たちの足元を映すことをなるべく避けて身長差を作り上げていったということだろう。
このトリックを知った上で、2022年7月に公開された予告編をあらためて観てみると、ファーマンをはじめとする俳優たちの全身が映る場面が比較的少ないことに気が付くはず。まさしく、この厚底の仕掛けを成立させるための工夫だったというわけである。
なおファーマンは過去の取材で、「子供役を演じるという挑戦は、これまでの映画史で前例のないことだったので、とても気に入っています」「映画の歴史を振り返るのが好きで、色々と調べていたのですが、“大人になった俳優が子供の頃に演じた役を再演した例はない”ということに気付きました」と述べていた。『ジェミニマン』(2019)ではウィル・スミスが現在の自分と若い自分の二役を演じていたが、それはVFXの最新技術で創造されたもの。繰り返しにはなるが、『Orphan: First Kill』ではアナログ手法で実現させているのだ。そんなファーマンの子ども返りにも注目の本作は米国公開中。日本では、2023年に公開見込みだ。