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2021年アカデミー賞の受賞予想&見どころ解説 ─ オスカー像の行方はいかに?

第93回 2021年 アカデミー賞 オスカー

そんな本作は、カンヌ国際映画祭に出品されて以降、ゴールデングローブ賞をはじめ世界中の映画賞を総なめにしている。Metacritic」による映画賞集計の結果からも、アニメーション部門では2位の『ウルフウォーカー』に大差をつけて独走中だ。

そのほかの有力候補作:『ウルフウォーカー』

ウルフウォーカー
© WolfWalkers 2020

新作を発表する度に世界中の観客を虜にしているアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」による『ウルフウォーカー』。『ブレンダンとケルズの秘密』(2009)と、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2014)に続く、“ケルト三部作”の完結編ともいうべき本作は、眠ると魂が抜け出し、オオカミになるというウルフウォーカーを題材にした作品だ。息をのむほど美しい世界観と不思議な物語を通して、人間と動物との共存、自然破壊への警鐘、そして家族愛などを描いている。

カートゥーン・サルーンが発表してきた長編映画はすべて、アカデミー賞候補となっているが、いずれも残念ながら受賞には至っていない。本作も批評家からの評判はもちろんのこと、『ソウルフル・ワールド』に続いて本年度の映画賞を総なめにしている。今度こそ受賞となるか。

監督賞 予想&注目候補

予想:『ノマドランド』クロエ・ジャオ

ノマドランド
(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.

このたびのアカデミー賞では、例年に比べて女性の製作陣が多かったことでも話題となっている。そんな中、監督賞では女性監督がふたりも候補に選ばれるという歴史的快挙まで成し遂げられていた。そのひとりが、『ノマドランド』に息吹を吹き込んだ監督、クロエ・ジャオだ。

『ザ・ライダー』(2017)に引き続き、雄大に広がる大地を圧倒的な映像美と共に、時代や社会に振り回されながらも、それでも強く懸命に生き続ける人たちを繊細に捉えていた。フランシス・マクドーマンドのほか何名か以外はすべて、実際のノマドたちを起用するという、ドキュメンタリーのような作風にも多くの観客が魅了されたに違いない。ゴールデングローブ賞に続いて、アカデミー賞でも受賞となるか。

そのほかの有力候補①:『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェネル

女性として、もうひとり監督賞候補者として名が挙がったのは、『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネルロマンスと現代社会にも通じる復讐劇を融合させて、社会派の一面も捉えながら、エンターテインメント作品として誰もが楽しめる一作に仕上がっていると批評家から大絶賛されている。

そのほかの有力候補②:『ミナリ』リー・アイザック・チョン

小津安二郎監督作品のような、繊細な人間模様と秀逸な悲喜劇を見事に演出した『ミナリ』のリー・アイザック・チョン。ハリウッド版『君の名は。』も控えている気鋭の監督が初の候補入りにして受賞となるか。オスカー像の行方が気になるところだ。

主演女優賞 予想&注目候補

予想:『ノマドランド』フランシス・マクドーマンド

ノマドランド
(C)2021 20th Century Studios. All rights reserved.

『ノマドランド』にてファーンにふんしたフランシス・マクドーマンド。アメリカの実際のノマドコミュニティの中に溶け込み、見事に演じきっている。女優としての貫禄を一切排除して、外見だけでなく雰囲気までノマドそのものになりきった。

迫真の演技力で観客を魅了したマクドーマンドは、これまでにも『ファーゴ』(1996)『スリー・ビルボード』(2017)にてアカデミー賞主演女優賞を受賞している。そんなアカデミー賞の常連とも言える名優は、ゴールデングローブ賞こそ逃したものの、英国アカデミー賞をはじめ世界中の映画賞を総なめにしている。アカデミー賞にて、3度目の受賞となるか。

そのほかの有力候補①:『マ・レイニーのブラックボトム』ヴィオラ・デイヴィス

マ・レイニーのブラックボトム
Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』2020年12月18日(金)独占配信中

Writer

Minami
Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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