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米アカデミー賞、クリス・ロックへ感謝を表明 ─ ウィル・スミスは10年出禁、クリスの発言にも注目集まる

クリス・ロック Chris Rock
Photo by Andy Witchger um_Theatre_Minneapolis_3_17_(33336280016).jpg

第94回アカデミー賞で発生したウィル・スミスによるビンタ騒動に対して、アカデミー賞が最終的な処分を発表した。ウィルに対しては10年間の“出禁”が言い渡されたと共に、ビンタを受けたクリス・ロックに対しては感謝の気持ちが伝えられた。

以下、2022年4月9日未明(日本時間)に発表されたアカデミー賞公式声明文の全文訳。

「第94回オスカーは、過去1年間で素晴らしい仕事をされた我らがコミュニティの多くの個々人を祝福するべき場でした。しかしながら、そういった瞬間は、スミス氏のステージ上における、受け入れ難く、有害な行為によって台無しにされてしまったのです。

テレビ中継中は、会場の状況に十分に対応することができませんでした。これについては、申し訳なく思っています。私どものゲスト、視聴者、そして世界中の我らがアカデミーのファミリーに模範を示すための機会であったにも関わらず、前代未聞の事態に備えることができず、期待を裏切ることとなってしまいました。

本日、理事会が召集され、ウィル・スミスの辞任を認めるとともに、アカデミー賞での彼の振る舞いについてどう対応するのが最善であるかを議論いたしました。理事会は、2022年4月8日から10年間、スミス氏をアカデミー賞のいかなるイベントや番組への出席を、直接であれバーチャルであれ、認めないものとして決議いたしました。

異常な状況下で冷静さを保たれたロック氏に深く感謝申し上げます。また、司会者、候補者、プレゼンター、そして受賞者の皆様にも、放送中の落ち着きと気品に感謝いたします。

本日私どもが取りましたウィル・スミスの行動に対する対応は、出演者やゲストの皆様の安全を守るための、そしてアカデミー賞への信頼を取り戻すための、より大きな目標への一歩となります。願わくば、関係者や影響を受けた全ての方々にとって、癒しと回復の時が始まりますことを。」

ビンタ騒動の後、ウィル・スミスは自主的に謝罪文を発表し、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーからの退会も申し出ていた。理事会側はこれを受け入れつつ、10年間の賞への出入りや参加資格を剥奪するという重い処分を下した。“出禁”が解ける頃、ウィルは63歳となる。

アメリカでは、クリス・ロックは“被害者”との見方が強い。アカデミー賞側は先だった声明文でもクリスに対して「ステージでの出来事を謝罪申し上げます。あの瞬間、即座に持ち直していただき感謝いたします」と謝意を表していたが、改めて「深く感謝申し上げます」とコメント。冷静さを失って暴力行為に走ったウィルに対し、落ち着いて式を進行させたとの点が高く評価されているものと見られる。

なお、この声明文では、この度ウィルが受賞した『ドリームプラン』における主演男優賞の扱いについては言及されていないことから、現時点で賞が剥奪されることはないと考えられる。

ウィルへの処分に関する是非の議論が活発となる一方、クリスの反応にも注目が集まっている。南カリフォルニア地元紙のレポートによれば、クリスは4月8日(現地時間)に出演したショーで、騒動について「カネをもらわないと話さない。人生は順調。聴力も回復したし」と話したという。

Source:Oscar,Desert Sun

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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