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『スター・ウォーズ』ファンは「いま最も有害だ」 ─ 自身もファンのサイモン・ペッグが自省

『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』ベンジー役俳優 サイモン・ペッグ インタビュー
©THE RIVER

ポップカルチャーのファンダムは作品を支え、時に作品の様相を変化させるほどの力も持つ。一方で、そのパワーは過激化し、極めて深刻なダークサイドを生み出すことも少なくない。

『スター・ウォーズ』は、特にファンダムの規模や存在感が大きい。そこには問題点も孕んでいる。作品を気に入らないファンが、製作者や出演者にヘイトの集中砲火を浴びせるといった事例だ。

「正直、プリクエル公開時に叩いていた身として言いますけど、『スター・ウォーズ』のファンは今最も有害だと思いますよ。こんなこと言ったら、僕もいろいろ言われると思いますけど」。自身も『スター・ウォーズ』の熱狂的ファンだったことを公言するサイモン・ペッグは、米ラジオ番組でこう話した。

「僕は、謝罪をしたんです。ジャー・ジャー・ビンクスのことです。だって、そこには俳優がいるんですよ。彼はめちゃくちゃ叩かれてたけど、でも人間なんです。あんなに憎まれてしまったから、彼は苦しんでいて……そんなものに自分が加担していたということを、すごく酷いと思っています。」

ペッグが懺悔するように、『エピソード1/ファントム・メナス』(1999)に登場したジャー・ジャー・ビンクスは、当時ファンからの激しいバッシングにあった。ドジで間抜けでトラブルメイカーのビンクスは、観客を苛立たせ、『スター・ウォーズ』の世界観を破壊していると批判されたのだ。しかし、役を演じたアーメド・ベストは、世界中から寄せられるバッシングを苦に自殺を考えていたと告白。ペッグも当時はビンクスを叩いていたことがあったようで、2018年には「実際に被害者がいたこと、人間の被害者がいたということを本当に恥ずかしく思います」と贖罪していた。

そのペッグが『スター・ウォーズ』のファンについて「今」も有害だと述べているのは、同様の事例が現在も続いているからだろう。直近では、ドラマ「オビ=ワン・ケノービ」でリーヴァ役を演じたモーゼス・イングラムが、人種差別的な誹謗中傷DMを『スター・ウォーズ』ファンから受け取っていたと告白。『スター・ウォーズ』米公式アカウントが投稿で「もし、彼女を歓迎しない人がいるのなら、私たちに言えることはただ一つ:反抗する」と、イングラムを讃え、ファンに寛容を呼びかける事態となった。

なおペッグは、『スター・ウォーズ』よりも『スタートレック』ファンの方が穏健だと感じているようだ。「『スタートレック』のファンはいつも包括的です。『スタートレック』には多様性がありますから。1966年以来、ずっとそうでした」と持論を語り、『スタートレック』ファンは歴史の中で進歩してきたと分析する。「『スター・ウォーズ』には、突然のように多様性が出てきて、みんながそのことを叩いている。それは本当に悲しいことです」。

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Source:Mediaite

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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