『プロジェクト・ヘイル・メアリー』当初は3時間45分あった ─ 「全シーン魅力的だと思っていたが、うまく伝わらないものもあった」
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、邦訳版で上下巻に分かれるアンディ・ウィアーの同名小説を映画化したものだ。完成版の上映時間は2時間36分にまとまっているが、やはり当初はかなりの長尺だったという。監督フィル・ロード&クリス・ミラーが、初期段階のテスト試写について振り返った。
Happy Sad Confusedに登場したロード&ミラーによると、最初の正式なテスト試写は好感触だったという。一方、それ以前には友人や家族、親交のある映画監督や脚本家たちに向けた、非公式の試写を何度も行っていたそうだ。もともと本作は非常に大きなスケールの作品であり、編集初期の段階では相当な長さになっていたという。
ミラーは、「最初はもっと長くて、そこからようやく4時間以内にまとめて、友人の映画製作者に3時間45分のバージョンを観てもらったんですが、あれは恥ずかしかったですね」と明かしている。
その試写で得られた最大の収穫は、どの場面が一般の観客にしっかり届くのかを見極められたことだったようだ。ロードは、「シーンが観客にどう受け止められるかは分からないものです。僕たちとしては全部が魅力的だと思っていたんですが、その“魅力的”だと思っていた場面の中には、うまく伝わらなかったものもあった」と説明。その結果、「3時間に絞り込むのはむしろ簡単だった」と振り返っている。
もっとも、そこからさらに削る作業は一筋縄ではいかなかったようだ。ミラーは「そこからゆっくり、ゆっくりと2時間半まで縮めていった」と語っており、完成版に至るまで丁寧な取捨選択が重ねられていたことがうかがえる。
また、初期試写には多くの映画関係者が参加していたといい、その一部として本作脚本のドリュー・ゴダード、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2023)デイヴ・カラーハン、『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(2023)ジェフ・ロウ、『ゴーストバスターズ』シリーズのジェイソン・ライトマンらの名前が挙がった。ロード&ミラーは「思慮深いアドバイスをくれて、なおかつ“今この作品がどんな状態にあるのか”を理解してくれる人たち」に観てもらいたかったと話しており、単に長さを指摘するだけではない、的確な意見が求められていたようだ。
原作の魅力をどう取捨選択し、映画として成立させるか。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の2時間36分には、そうした試行錯誤の積み重ねが詰まっているのだろう。映画は大ヒット公開中だ。
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