『パワーレンジャー』リブート版映画は、ティーンエイジャーによる『ダークナイト』?「TVシリーズとはほとんど別物だよ」
リブート版『パワーレンジャー』(2017年公開)に出演することが報じられたブライアン・クランストンが、出演オファーを引き受けた理由をハフィントン・ポストに語った。
ブライアンは『パワーレンジャー』でレンジャーたちを導くゾードン役を演じる予定。『ブレイキング・バッド』で一躍有名となった彼は、なぜ今『パワーレンジャー』への出演を決意したのだろうか?
オファーを断るつもりだった?
ブライアンはインタビュアーに対して、オファーの第一印象をこう答えている。
「正直に言って、はじめは(ゾードンの)役に気が向かなかった。バーン!ドカーン!っていう、バカげた茶番劇のテレビシリーズを思い出してね。(オファーを聞いて)『ああ、はい』って感じだったよ」
しかしその印象は、脚本を読み、プロデューサーと監督に会ったことで一変したという。
「これは『バットマン』がテレビシリーズから映画(『ダークナイト』)になったのと同じくらい大きな再創造だ。(『バットマン』の)テレビと映画を比べられないのと同じで、今回の『パワーレンジャー』もテレビシリーズとは比べられない。ほとんど別物だよ。これまで人々が受け継いできた信念はあるけど、感性や創造性、作品づくりのアプローチが完全に違うんだ」

http://www.denofgeek.com/movies/the-joker/39273/the-dark-knight-the-joker-and-game-theory
ティーンたちの『ダークナイト』
『ダークナイト』といえば、クリストファー・ノーラン監督がバットマンの世界観で「正義とは、悪とは」というテーマに切り込んだ傑作だ。そのダークなテイストは、のちのアメコミ映画にも大きな影響を与えている。
では、リブート版『パワーレンジャー』もそんなダークさを抱えたヒーロー映画になるのか……といえば、どうやらそういうわけでもなさそうだ。ブライアンはこう話している。
「『ダークナイト』ほどダークな作風になるかどうかはわからない、なぜならティーンエイジャーを扱っているからね。だから適切にいえば、リアルなティーンの毎日や高校生活、派閥・人気・イジメなど様々なできごと、子どもの不安や希望、夢……そうしたもののすべてが新しい『パワーレンジャー』には詰まってるってことだよ」
つまりリブート版『パワーレンジャー』は、単なるヒーロー映画ではなく、ティーンの青春や苦悩を描いた作品ということになりそうだ。また『ダークナイト』を引き合いに出しているあたり、それも口あたりのいい描き方ではないのかもしれない。もともと日本の「スーパー戦隊シリーズ」が原作であることを考えれば、かなり挑戦的な内容といえるだろう。
ひとつだけ危惧があるとすれば、『パワーレンジャー』が公開される2017年には『スパイダーマン:ホームカミング』もあることだ。こちらは撮影現場の写真を見るかぎり、すでにバリバリ青春映画の雰囲気を醸し出している。うっかりテイストが被ってしまった……などということにならないことを願いたい。