『パワーレンジャー』は「スーパーヒーロー版『スタンド・バイ・ミー』だ」監督単独インタビュー「日本のファンに驚いた」

日本人なら誰もが知る『スーパー戦隊』のアメリカ版TVシリーズをハリウッドが本気の映画化、映画『パワーレンジャー』が2017年7月15日ついに日本凱旋公開となる。
THE RIVERでは、都内で開催されたジャパンプレミア/レッドカーペットで来日していた今作の監督、ディーン・イズラライトに単独インタビューを行った。
監督自身が丁寧に語る今作の注目ポイントや、ここでしか読めない裏話をじっくりお楽しみいただきたい。

監督、日本のファンの熱量に「想像以上」
──昨日のジャパン・プレミアはいかがでしたか?
とても楽しかったです。アメリカのプレミア・イベントとは全然違いますね。
──どう違うんですか?
カーテンが開いて、登場者が挨拶をする、っていうのはアメリカにはありません。レッドカーペットに司会者がいるという点も違いますね。また、アメリカでは上映前にQ&Aセッションの時間があったりします。
でも、日本のイベントも楽しかったです。
──レッドカーペットにいるファンの皆さんにも違いはありますか?
私にとってはね!日本のファンの皆さんは、アメリカの皆さんよりダイレクト。私のサインを求めて下さる方がたくさんいたのでビックリしました。もちろん私はアメリカでもサインをすることはありますが、想像以上だったので驚きです。私の写真を持ってきてくれている人もいたんですよ。こんなに暖かい歓迎は想像だにしませんでした。
──嬉しいですね!
すごく嬉しいです。私の前作、『プロジェクト・アルマナック』(2015)のDVDを持っきてくれている方もいて、感慨深かったですね。
『パワーレンジャー』は”大人になる”物語
──監督と『パワーレンジャー』シリーズの思い出は?
私の出身国の南アフリカでは、アメリカの『パワーレンジャー』が社会現象化していたんです。子供の頃は夢中で観ていました。
『パワーレンジャー』を映画化するにあたって、どうやって現在のスーパーヒーロー映画のジャンルに組み込んでいくものかと思ったのですが、脚本を読んで納得しましたね。今作はキャラクター中心のストーリーで、スーパーヒーローは”成長”のメタファーとして扱われているんです。これなら大丈夫だと確信しました。なぜなら、子供の頃『パワーレンジャー』シリーズのどこに惹かれていたかを思い返すと、ヒーローたちのアクションはもちろん、キャラクター性も同じくらい大切な要素だったからです。
──子供の頃は、『パワーレンジャー』は日本の『スーパー戦隊』シリーズがベースになってることを知っていましたか?
知りませんでした。『スーパー戦隊』が原案であると知ったのはいつだったかは思い出せないのですが、確か私がアメリカに来てから、TVシリーズ『パワーレンジャー』はアクション・シーンは日本で撮影されていて、ドラマシーンはアメリカで撮影されているんだよ、という話をしていた時だったかと思います。
今作の制作にあたって、TVシリーズを観返しました。撮影監督と車でロケハンをしながら、スマホで『スーパー戦隊』の画像を出して、日本版の世界観とマッチするロケーションを探し回りました。
なるほど。私が”大人になる”物語が何故好きなのかというと、高校生やティーン・エイジャーにとって、世の中の全てが重要な出来事だからです。大きいものはすごく大きく感じましたよね。人生の中でもすごくエクストリームだった時期にいるキャラクターたちが成長していく、という物語が良いと思ったのです。
スーパーヒーロー版『スタンド・バイ・ミー』
──プロデューサーのブライアンさんは、今作『パワーレンジャー』と『スーパー戦隊』シリーズの違いについて、『パワーレンジャー』はよりシリアス路線であると語っていました。