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お手本はガンダム!『パシフィック・リム:アップライジング』ジョン・ボイエガ&スティーヴン監督と激アツ来日トーク

『パシフィック・リム:アップライジング』ジョン・ボイエガとスティーヴン・S・デナイト監督インタビュー
©THE RIVER

映画『パシフィック・リム:アップライジング』が、2018年4月13日(金)より待望の日本公開となった。怪獣映画や特撮作品など、日本のポップカルチャーに多大な影響を受けたギレルモ・デル・トロ監督による前作から、スケールも「日本ポップカルチャー・リスペクト」感も更にパワーアップ。主演には『スター・ウォーズ』フィン役でブレイクを果たし、自身も日本のアニメオタクであることを公言するジョン・ボイエガが起用された。誰もが納得の大抜擢だ。

THE RIVERでは、そのジョン・ボイエガ本人と、さらに本作を手がけたスティーヴン・S・デナイト監督の二名に接触、貴重なインタビューに挑むことができた。『マグマ大使』を熱く語るスティーヴン監督に、いたるところで「ガンダム」愛を見せるジョン・ボイエガ、そして明かされる汗にまみれた撮影裏話…。読みどころ満載の『パシリム』豪華インタビューをタップリお楽しみいただきたい。

『パシフィック・リム:アップライジング』ジョン・ボイエガとスティーヴン・S・デナイト監督インタビュー
©THE RIVER

全米初登場No.1に歓喜、対抗豹『ブラックパンサー』も称える

「機動戦士ガンダム」シリーズをはじめ、日本のアニメが大好きなジョン・ボイエガ。インタビュー前日、自身のInstagram投稿とストーリーで東京観光を満喫する様子をアップしていた。「俺は今天国にいる!マジで!」のコメントと共に、アニメの聖地秋葉原を訪れた様子を投稿。お台場の「ガンダムベース東京」では、『機動戦士ガンダムUC』のガンプラ「HGUC 1/144 NZ-999 ネオ・ジオング 」(参考価格27,000円)を購入していた。ほか、明治神宮を訪れ、たまたま神前挙式に出くわしたり、夜は新宿歌舞伎町の「ロボットレストラン」にて、配布されたサイリウムを手にド派手なパフォーマンスに大はしゃぎする様子もストーリーに掲載していた。

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I’m in heaven ! Surely !

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モンクレールのハイビスカス・パーカー姿で登場したジョン・ボイエガに、「インスタ見たよ!楽しそう(good time)だったね」と伝えると、「そうそう、interesting timeだったかな(笑)」とノリノリ。インタビュー開始直前、THE RIVERとのカジュアルな雑談にも応じた。

──かなりデカいガンプラの箱持ってたよね。

「そうそうそう、もう一個買いに戻りたい。(笑)」

──本当にガンダム好きだね。(笑)

「アイ・ラブ・ガンダム!」

──それから、ロボットレストランでライトセーバー貰ってたね。

「それがさ、持ち帰り不可らしくて、持って帰りたかったのに(笑)。」

ここでスティーヴン・S・デナイト監督が合流。どうやら二人は別々に来日したようで、再会するのはこの場所が初めての様子だ。ちょうどこの取材日、全米公開を迎えた『パシフィック・リム:アップライジング』が『ブラックパンサー』を抑え初登場1位スタートを切ったという速報が届いたばかりだった。

ジョン:
「元気そうですね!そういえば、おめでたいですね!」

スティーヴン:
「ありがとう!君もおめでとう!」

──全米No.1ですよね!おめでとうございます!

ジョン:
「ありがとうございます!ライアン・クーグラーからもおめでとうメールが来てたんですよ。」

スティーヴン:
「僕も(SNSに)投稿したんだけど、彼らも一緒に喜んでくれていたよ。」

ジョン:
「そうそう、見ました!あれ良かった。」

スティーヴン:
「ところで、『ブラックパンサー』も大好きだね。素晴らしい映画だよ。」

監督「マグマ大使はもっと評価されるべき」

本国で無事に好調なスタートを切ったと知り、安堵に包まれながら、インタビューは和やかなムードで開始。本作『パシフィック・リム:アップライジング』最大の見どころといえば、何と言っても日本の首都東京で繰り広げられるど迫力の大バトルだ。ビル群の中で巨大なロボットと怪獣が対峙する映像は、日本の特撮作品への多大なリスペクトが感じられる。「まるで僕たちが小さい頃夢中になっていた『ウルトラマン』を思い出すようで…」と伝えると、スティーヴン監督は「そう言って貰えるとすごく嬉しいです!」と喜んだ。

スティーヴン:
「ジョンと僕も同じ話をしていたんですよ。僕たちはウルトラマンやマグマ大使を観て育ったから…」

ボイエガ(ギリギリ聞き取れる声量で)
「ガンダムも…」

スティーヴン:
「そう、ガンダムとか変身ヒーローの作品もね。いつも東京をぶち壊すでしょう?だから、恐縮ながらも東京を破壊したくって。

ボイエガ:
「恐縮ながら(笑)」

スティーヴン:
「そうそう!ありがたくも東京をメチャクチャにさせて頂きました!」

ボイエガ:
「エッヘッヘッヘ(笑)」

スティーヴン:
「これを、最新のCG技術を多様して実現するのが夢だったんです。東京を舞台にしようと最初に考えた時、大きなテーブルの上の東京の地図を広げて、その上で2日間かけてオモチャで遊んだんです。良いものを作るためにね!」

パシフィック・リム:アップライジング
©Legendary Pictures/Universal Pictures.

──制作にあたって、日本の特撮映画や怪獣映画を改めて見直したりは?

スティーヴン:
「全部自分の頭の中にありますから。」

ボイエガ:
「自然に湧き出すわけですね。」

スティーヴン:
「小さい頃は、学校から走って帰って、TVにかじりついてウルトラマンとかマグマ大使…こっちでは“スペース・ジャイアンツ”って呼ばれてるんですけど…。」

ボイエガ:
“スペース・ジャイアンツ”って響き、超カッコよくないすか?吹替版で?」

スティーヴン:
「うん。吹替。」

ボイエガ:
「すげぇー!日本人のキャラクターを?」

スティーヴン:
「そう!吹替版も最高なんだよ!吹替版はけっこうレアでね。素晴らしいシリーズだったんですよ。スペース・ジャイアンツは、もうね、語り明かしたいくらい好き。」

ボイエガ:
「(笑)」

スティーヴン:
(”スペース・ジャイアンツ”ことマグマ大使は)もっと評価されるべきだと思う。日本でオリジナル版が復刻されたら良いのになぁ。」

ボイエガ:
「パシリムの世界でやるのは?(笑)」

スティーヴン:
「いいね!(笑)」

『パシフィック・リム:アップライジング』ジョン・ボイエガとスティーヴン・S・デナイト監督インタビュー
©THE RIVER

『アップライジング』バトルが白昼である理由

『アップライジング』の白昼での市街戦はこうした日本の作品へのリスペクトの意味も強いわけだが、一方でギレルモ・デル・トロ監督による前作との対比を楽しんで欲しい意図もあるという。

スティーヴン:
アクション・シーンに白昼を選んだのは、デル・トロの前作で夜や雨、水中だった世界観をただ真似したくなかったからです。観客にとっても、一作目とは視覚的に差別化したかった。視覚効果部門にとっては、白昼のアクション・シーンは高い技術が求められるんです。ディテールも背景も丸見えなので、しっかり描き込まなくてはいけない。期限内に仕上げられるかどうか分からない程でしたが、ダブル・ネガティブ(VFX制作会社)が素晴らしい仕事をしてくれました。」

パシフィック・リム:アップライジング
©Legendary Pictures/Universal Pictures.

『スター・ウォーズ』シリーズでレジスタンスの若きヒーロー、フィンを演じたことで一躍世界的スターとなったジョン・ボイエガは、実は『パシフィック・リム』ではプロデューサーとしても名を連ねている。

ボイエガ:
「僕は2015年にアッパールーム・エンターテインメントという自分の製作会社を設立したんですけど、もともとは出資者を集めて小規模のインディー映画を作って、サンダンス映画祭に出して広めていきたいなと考えていたんです。そこに『パシフィック・リム』のお話を頂きまして。どうすれば『パシフィック・リム』をフランチャイズ化できるだろうかということで、魅力的なキャラクターにフレッシュな監督、ストーリーに関するアイデアを聞いているうちに、僕ももっと積極的にこの企画に関わりたいと思い始めたんですね。ただ役者として雇用されるのではなく、製作のプロセスにも関与していけたら素敵だなと。

僕は負け犬根性みたいなのが好きで、『ブラックパンサー』と公開時期が被ることも分かっていたんですよ。向こうは”マーベル”という巨船で、こっちは小さい手漕ぎボートだなって(笑)。でも、それが”やってやるぞ”というチャレンジ精神になって。自分に期待が懸かっていることも分かっていました。チーム全員で一丸になってクリエイティブに挑むというのは、素晴らしい機会だったと思います。」

パシフィック・リム:アップライジング
©Legendary Pictures/Universal Pictures.

ボイエガは、『スター・ウォーズ』を共にしたスタッフを数名連れて『パシフィック・リム』のプロジェクトに参加したという。プロデューサーとして、また役者やいちクルーとしても、スティーヴン監督にとって心強い存在だった。

スティーヴン:
ジョン・ボイエガはね、若い頃のハリソン・フォードみたい。インディ・ジョーンズとハン・ソロが合わさったみたいな。彼には、僕が観て育ったような活気溢れるクラシックなフィーリングがあるんです。ジョンが参加してくれて、正しい場所に落ち着いた感じでしたね。」

アクションシーン、手本にした日本のアニメとは?

『パシフィック・リム』イェーガーのアクションに説得力や重厚感を感じられるのは、これに乗り込む二人のパイロットがコンポッド(コクピット)で全身全霊の操縦を行っているからだ。つまり、パイロットを演じる役者のフィジカルが非常に重要な見せ所となる。コンポッドでイェーガーを全身操縦するシーン撮影に挑んだジョン・ボイエガは、文字通り汗水垂らして演じあげたという。

ボイエガ:
「コンポッドのシーンは本当に大変でしたよ!(グリーンバックに囲まれるので)映画館の中で演技をしているようなものでしたが、想像力を要する撮影は好きですね。撮影用のコンポッドは油圧式で、重力もモロに感じる作りになっているので、例えばイェーガーが衝撃を受けるシーンなんかは実際に僕たちも凄い衝撃を感じているんです。振り戻しの衝撃が凄くて、たまに素でキツい顔をしてると思います。頭ガンガン打ちましたよ(笑)。スコット・イーストウッドと二人で、2週間コンポッドに籠もって様々なモーションを試しました。撮影は汗だくで辛かったけど、こんな機会は滅多にないからと楽しんでやりました。」

スティーヴン:
「劇中の汗は本物ってことだね。」

ボイエガ:
「そういうことです(笑)。」

パシフィック・リム:アップライジング
©Legendary Pictures/Universal Pictures.

こうしたイェーガーのバトルシーンでボイエガは、とある日本のアニメ作品を参考にしたという。そのアニメとは、やっぱり大好きな「ガンダム」だ。

ボイエガ:
「スティーヴンと僕が意識したのはガンダムの、特に宇宙空間での戦闘シーン。『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』とかで、パンチ一発撃つ時のパイロットの苦悶の表情を写して、そのままズームアウトしてモビルスーツが同じ動きを繰り出す映像があるじゃないですか。僕たち、これをやりたかったんですよ。

パシフィック・リム:アップライジング 日本ポスター
©Legendary Pictures/Universal Pictures.

ボイエガは、荒廃した東京のビル群にジプシー・アベンジャーが佇む日本限定デザインの本作ポスターがお気に入り。うっとり眺めながら、「これ、カッコいいよね…」とつぶやいていた。そこに「自分でアニメ版をプロデュースしてみては?」と声をかけてみると、何故か「えっ?ガンダムのアニメを?」との返答。「いや、パシフィック・リムの。(笑)」「あー!パシフィック・リムのアニメ版かぁ!良いかもしれない!」。事あるごとに、やたらと「ガンダム」の名を出したジョン・ボイエガ。もしも関係者がこれをご覧になっていたら、是非ボイエガにオファーを出してみては…?

(取材、撮影、文:中谷直登)

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戦いは終わりではなく、始まりだった-。前作で描かれた人類(イェーガー)とKAIJUの死闘から10年が経過し、平穏が戻っていた地球に、進化を遂げたKAIJUが再び姿を現し、世界を絶望の淵へと突き落とす。よりスタイリッシュに洗練されパワーアップを果たした新世代のイェーガーに乗り込む若きパイロット達は、迫りくるKAIJUを撃ち滅ぼすことが出来るのか。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)フィン役への大抜擢で一躍スターダムを駆け上ったジョン・ボイエガを主演とし、KAIJUオタクのニュートン博士(チャーリー・デイ)や森マコ(菊地凛子)ら人気キャスト、さらに新キャストとして名を連ねる新田真剣佑も活躍。
ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド、スティーヴン・S・デナイト監督の3名が来日を果たし、菊地凛子、新田真剣佑の日本人キャストも駆け付け東京ミッドタウン日比谷で初の映画イベントとなるジャパンプレミアが華々しく開催され大きな注目を集めた、2018年・春の映画シーンを大いに盛り上げること間違いなしの一作だ。

映画『パシフィック・リム:アップライジング』は、2018年4月 13日(金) 全国超拡大ロードショー。

『パシフィック・リム:アップライジング』公式サイト:http://pacificrim.jp/

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THE RIVER編集部THE RIVER

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