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【ネタバレ】『アントマン&ワスプ:クアントマニア』1つ目のおまけシーン、監督と脚本家が解説 ─ 衝撃シーン、演出のこだわり

アントマン&ワスプ:クアントマニア
(c)Marvel Studios 2023

この記事には、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のネタバレが含まれています。

アントマン&ワスプ:クアントマニア
© 2022 MARVEL.

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』ミッドクレジットシーン、
カーン変異体たちの正体

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『アントマン&ワスプ:クアントマニア』1つ目のおまけシーン、「ミッドクレジットシーン」では、本編に登場したヴィランである征服者カーンのさらに強力な変異体たちが登場。本編のカーンを量子世界に追放したのは彼らだったことが明かされた。

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この変異体たちは、アベンジャーズがマルチバースに触れ始めていることを危惧し、無数の変異体を召集していた。コミックでは「カウンシル・オブ・クロスタイム・カーン」と呼ばれる、カーン変異体たちから成る混沌とした議会だ。

映画では、その中の有力者とみられる3体の変異体が登場していた。エジプトのファラオのような個体、半サイボーグのような個体、そして長老のような個体である。これらは、原作コミックでそれぞれラマ・タト、スカーレット・センチュリオン、イモータスに基づくものであると、ペイトン・リード監督は認めている。彼の言葉を借りれば、あの3対は変異体の中における「『ゴッドファーザー』チックなマフィア」なのだ。

ラストで無数のカーンが集まって狂気の雄叫びをあげるショットは、原作コミック『Avengers #267』のパネル(コマ)の完全再現。右上に奇妙な顔のエイリアンの個体がいるといった構図まで再現したことを、監督は「すごく楽しかった」と振り返っている。

ちなみに原作コミックでカーンの変異体や異名は他にもいくつかある。例えばアイアンラッドもその一つだ。脚本家のジェフ・ラブネスによれば、アイアンラッドの登場も検討されていたようだが、本編でそれらしい姿は目立って見つからない(あれだけ混沌としていたので、一見見つかりにくいだけかもしれないが)。アイアンラッドは原作コミックで、将来自分が征服者カーンになるという運命に抗った若き個体であり、ヤング・アベンジャーズを結成する人物のことだ。

演者のジョナサン・メジャースは、たくさんの変異体を演じられることにワクワクしていたというが、演出側には課題もあった。情報過多にしすぎると「観客に負担をかけてしまう。それは避けたかった。『ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々』みたいにはしたくなかったんです」とラブネス。『ナッティ・プロフェッサー2』とは、エディ・マーフィが1人で何役も演じる2000年のコメディ映画。『クアントマニア』でも、一歩間違えれば滑稽な印象を与えてしまっていただろう。

そこで監督が加えたエッセンスは、黒澤明監督の映画『乱』(1985)の雰囲気。「あそこで見せたかったのは、どれだけの数の変異体が存在するのかということです」と語る監督によれば、同ショットは「オペラチック」に見せることを目指したという。

こうして『クワントマニア』のミッドクレジット・シーンでは、ラマ・タト、スカーレット・センチュリオン、イモータスが無数の変異体を招集し、次なる策を投じようとする様が描かれた。しかし注意すべきことに監督は、これらの個体がそのまま今後のMCUに登場するかは「わからない」という。“変異体の変異体”など、無限の可能性があるわけだ。

もっとも、アベンジャーズにかつてない危機が訪れようとしていることは間違いない。「1体倒すだけであんなに大変だったのに、今やそれが1000人はいるんだから」と言うラブネスは、何もこのシーンで勝手に大風呂敷を広げたわけではない。カーンとアベンジャーズが全面戦争に入るとみられる次のクロスオーバー大作『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』(2025)でも自ら脚本を務めるのだ。

大量どころではないほど大量に出現した征服者カーンの変異体に、アベンジャーズはいかにして立ち向かうのか?なぜかラブネスは、やたらと他人事のように応援している。「頑張れホークアイ!ウォーマシンなら何とかしてくれるでしょ」。何とかなる……かなぁ?

1つ目のおまけシーン解説はこちら
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Source:ScreenRant,IndieWire,Comicbook.com

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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