【ネタバレ】『アントマン&ワスプ:クアントマニア』2つ目のおまけシーン、監督と脚本家が解説 ─ マーベル次作に繋がる重要展開

この記事には、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の重大なネタバレが含まれています。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』ポストクレジットシーン、
「ロキ」シーズン2からの映像だった
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『アントマン&ワスプ:クアントマニア』2つ目のおまけシーン、「ポストクレジットシーン」では、「ロキ」シーズン2に直接つながるような展開が描かれた。1900年前後のような世界のどこかで、ヴィクター・タイムリーと呼ばれるカーンの変異体が、何やら機械装置を実演しようとしている。そこでは、ロキとメビウスが聴衆に混じっており、2人は彼を探していたことが示唆される。

ヴィクター・タイムリーは原作コミックでもカーンの変異体として登場する実業家・発明家。彼は1901年に米ウィスコンシン州に自身の名を冠したタイムリーという町を設立し、初代市長を務める。ヴィクターはこの町をハイテク都市として繁栄させるのだが、その知られざる正体とは、未来からやってきた征服者カーンなのだ。
ペイトン・リード監督は、この映像が2023年夏配信予定の「ロキ」シーズン2からのワンシーンであることを認めている。どうやらヴィクター・タイムリーは「ロキ」シーズン2でキーマンになるようで、製作陣は彼をこのタイミングで登場させるかどうか慎重になったそうだ。「ロキ」のチームがアイデアに大興奮で乗ってくれたため、「これはやる価値があるぞ」ということで登場させるに至った。監督は、ジョナサン・メジャースが見せた本編とは別人のような演技も称賛している。
タイムリーの髪型のイメージは、奴隷制度廃止を訴えた実在するアメリカの活動家、フレデリック・ダグラス。メジャースは当時の英語の喋り方も再現した。監督曰く、このヴィクター・タイムリーこそが、「おそらく次に登場する変異体」だ。

エンドロール後のおまけシーンでMCUの次作を紹介したのは、『アントマン』1作目でも同じだったと、監督は振り返っている。確かに『アントマン』(2015)では、1つ目のおまけシーンでホープがワスプのスーツと対面する様子が紹介された後、エンドロール後には『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)につながるシーンが挿入された。「今回は、今後登場するジョナサンの強烈なバージョンに向けたトーンを敷いたのが楽しかったです」。
本作の脚本家ジェフ・ラブネスは、カーンがMCUの今後の作品で、その全能たる能力をさらに示すことになると予告している。そこでラブネスが例えたのが、まさにロキの存在だ。「『アベンジャーズ』での出番の前に、『マイティ・ソー』の1作目でロキが紹介されたのと同じです」とラブネス。言わずもがなロキは(後にヒーローともヴィランとも言えぬユニークなポジションとなるが)、『アベンジャーズ』1作目で主要ヴィランとして君臨し、ユニバースに多大な影響をもたらした。『クアントマニア』では征服者カーンの強力さがたっぷり語られたように思えたが、恐るべきことに、これはまだまだ序の口だということである。
「本作でカーンはいろいろなことを説明しましたが、彼の言ったことは嘘ではありません」と、ラブネスは話している。本編ラストで通常世界に戻ったスコットは、劇中でカーンが言っていたことを一旦無視して、「まあいいや」と気楽にやり過ごすことに決めていた。宇宙に危機が訪れており、自分がここを脱出しなければ大変なことになる、といった警告だ。「どれだけスコットがマズいケーキを食べて、娘のフェイク・バースデーをお祝いしたがっていたとしても、彼は“何かがやってくる”ことに感づいているんです」。
カーンの警告はガチのやつだったらしい。ラブネスの話によれば、うっかり世界を終わらせてしまったのは、他でもないアントマンだったというのだ。この危険信号は、「ロキ」シーズン2はじめ、後続作品に引き継がれることになるのだろう。
カーンの脅威がさらに拡大するごとに、今後のMCUでは激しい後悔が生じるのかもしれない。あの時、アントマンが征服者カーンに違った道を与えていたら、そもそもシルヴィが“在り続ける者”を刺殺していなければ、こんな事態は免れていたかもしれない、と……。
Source:Collider,IndieWire,Inverse