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『ボヘミアン・ラプソディ』でクイーンにハマったら、サントラの次はコレ ─ 音源も大ヒットの舞台裏、ユニバーサル ミュージックに訊く

クイーン(Queen)

今回の映画には、ブライアンとロジャー・テイラーも音楽監督として携わっているんですけど、もともと映画に関するインタビュー取材は受けないと明言していたんです。ひとつ受けてしまうと(次々と依頼が来て)大変になっちゃうということだと思います。映画の公開を記念して、ロンドンのカーナビー・ストリートのクリスマス・イルミネーション点灯式に出席していたんですけど、ここでもインタビュー取材はしていなくて。ブライアンは立体視野の専門家でもあるんですが、自身が手がけた書籍の宣伝としてイギリスのITVに出たことがあったんですけど、基本的に彼からは映画については触れずでした。「Queen 3D」という立体視野の本も出していたので、その紹介はしていたんですが、映画についてはほとんど触れなかったですね。

ですけど、ファンの皆さんはご存知の通り、クイーンは日本のことをすごく大切に思ってくれているんです。日本とクイーンの関係は深く、1975年の初来日当時から日本の関係者がクイーンを推して、推して、推して。

クイーン(Queen)Bohemian Rhapsody

日本のファンの方も熱狂的にクイーンを迎えてくださって。当時、ブライアンも「日本は僕たちをビートルズみたいに迎えてくれた、こんな歓迎は初めてだ」と言っています。2011年の東日本大震災の時もクイーンはチャリティ・アルバム「Songs For Japan」(※2)に「手をとりあって」を収録してくれて、ブライアンとロジャーの2人は直筆のコメントも寄せてくれました。厳密に言えば、クイーンは日本からヒットしたというわけではないんですけど、一番最初に彼らを受け入れたのは日本だと思います。

※2「Songs For Japan」:東日本大震災の復興支援を目的としたチャリティー・コンピレーション・アルバム。ジョン・レノン「イマジン」やボブ・ディラン「嵐からの隠れ場所」など38曲を収録した2枚組。全米ビルボード・チャート最高5位。売上はすべて東日本大震災の義捐金に充てられた。クイーン「手をとりあって」はディスク2の13曲目に収録。

クイーン(Queen)

こうした長年の気持ちが通じたのか、映画公開後にNHKによる異例の単独インタビューが実現したんです(※3)。当時、どの国からも単独インタビューは取れていませんでした。アメリカや本国イギリスでも実現していなかったのに、日本から粘り強くオファーを続けていたら受けてくれたんです。

最終的にオファーが通った時、取材日がもう2日後くらいでした。NHKのロンドン支局の皆さんが非常に迅速に動いて頂いて、無事に実現しました。反響はものすごかったです。インタビューは英語版の文字起こしも掲載されて、世界中のファンから凄い多くのアクセスがあったとお聞きしています。

※3 NHKクイーン独占インタビュー:2018年12月、NHKがイギリスでブライアン・メイとロジャー・テイラーへの単独インタビューを実施。12月17日の『ニュースウォッチ9』などで放送された。『ボヘミアン・ラプソディ』公開後、メディアの単独インタビューは初めてで、世界的にもたいへん貴重な機会となった。

その後、ゴールデングローブ賞の受賞式に登場したブライアンが、そこで映画について少し話しているんですけど、2018年末のタイミングでは本当に独占、世界初でした。日本との長年の関係があったからこそ、実現したのかなと思います。

映画サントラの次はコレ

── 『ボヘミアン・ラプソディ』で新しくファンになった方にオススメしたい、クイーンの楽しみ方はありますか?

手軽なところだとYouTubeのクイーン公式チャンネルは凄いですよ。ありとあらゆる映像が大量に公開されているので、おそらく見るほうも追いつかないと思います。全て観た人はいないんじゃないかってくらいの充実ぶりで、ファンの熱量に対する受け皿がいっぱい揃っています。YouTube以外にDVDや書籍も沢山出ていますし、今はクイーンを知れば知るほど楽しくなる素敵な環境だと思います。

クイーン(Queen)

『ボヘミアン・ラプソディ』は、本編を観て終わりじゃないと思うんです。映画をきっかけにクイーンの色々なことが知りたくなりますよね。ある種、続編がもう揃っているみたいなもので、「もっと観たい!」「ありますよ!」っていう(笑)。『輝ける日々』というドキュメンタリー作品は、映画の「その後」までを描いています。この作品は泣いちゃうからもう観れないっていうファンの方もいらっしゃいます。正直、クイーンのドキュメンタリー形式の映像作品としては、これ以上のものは無いと思います。傑作です。

クイーン(Queen)『輝ける日々ジャパン・スペシャル・エディション』
輝ける日々<ジャパン・スペシャル・エディション> UIBY-15008/9

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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