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『ブラック・ウィドウ』レッド・ガーディアン、元「ロシア版キャプテン・アメリカ」だった ─ 欠陥だらけのヒーロー、再出発なるか

デヴィッド・ハーバー
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48471767236/ Remixed by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェイズ4を開幕する、スカーレット・ヨハンソン主演『ブラック・ウィドウ』は、おなじみナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)直後を描く物語だ。いわゆる“前日譚”である本作では、いまだ明かされていないナターシャの背景が描かれ、新たなキャラクターも登場する。

そのうちの一人が、予告編でも大きな印象を残す、赤いスーツに身を包んだ“おじさんヒーロー”であるアレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアンだ。演じるのは「ストレンジャー・シングス」(2016-)や『ヘルボーイ』(2019)のデヴィッド・ハーバー。米The Wrapでは、ハーバー自ら、アレクセイという役柄の背景や役割を語っている。

元「ロシア版キャプテン・アメリカ」

1967年にコミックに初登場したアレクセイ/レッド・ガーディアンは、かつてナターシャと結婚していたという設定。ところが『ブラック・ウィドウ』の“映画版アレクセイ”には、コミックとは少々異なる設定が与えられているのかもしれない。なぜなら、アレクセイの妻として登場するのは、レイチェル・ワイズ演じるメリーナ・ヴォストコフという可能性も十分に考えられるのだ。

ハーバーはアレクセイについて「かつてナターシャと深い関係にあった男です。それがどのようなものかは、まだ厳密には明かされていませんよね」と述べ、設定の真実を明かすことはしていない。「けれども家族のような関係があって、彼はナターシャにとっては父親的な存在なんです」。しかし、その“父親”は、今では状況が大きく変わってしまっているらしい。

「数年が経って、彼(アレクセイ)の全盛期は過ぎてしまいました。それでもスーパーヒーローの衣裳をもう一度着ることになって、しかも、まだフィットするんです。以前よりはちょっとキツいんですけどね。レッド・ガーディアンの素晴らしいところは、若かった頃、ロシアにとってのキャプテン・アメリカだったということ。ある意味で、ロシアの大いなる希望だったんです。だけど映画でご覧いただくように、彼は成功を形なしにしてしまっていて、もう一度やり直そうとしているところなんですよ。」

公開されている予告編で、アレクセイはレッド・ガーディアンのスーツに身を包み、ナターシャやメリーナ、そしてイェレナ・ベロヴァ(フローレンス・ピュー)という“家族”との再会を心から喜んでいるように見える。アレクセイが味方なのか、それとも敵なのかは分からない。彼の再起をかけた挑戦が、どんな展開を迎えるのかも。

「スーパーヒーローをこういう切り口で見せるのは大好きですよ」とハーバーは語っている。「スーパーヒーローは無敵さに焦点が当てられるものですが、そこにどうやって欠陥を見出せばいいんだろうと思うんです。その点、レッド・ガーディアンは欠陥だらけ。勇敢で高潔な男ではありません。喜劇的にも悲劇的にも欠陥だらけで、そこがすごく良い。一方で、強いところもたくさんありますしね」。

赤いスーツをまとい、果敢にも敵に挑んでいくアレクセイ/レッド・ガーディアンは、ブラック・ウィドウにとっていかなる人物なのか。彼の存在は、ブラック・ウィドウにどんな影響を与えたのか。そして何よりも、本作におけるアレクセイの物語には何が待っているのか。秘密主義で知られるMCUの新キャラクター、その続報と活躍ぶりに注目すべし。

映画『ブラック・ウィドウ』は2020年5月1日(金)日米同時公開

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Source: The Wrap

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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