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トム・クルーズVSブラッド・ピットのAI映像に「我々は終わりだ」と『デッドプール』脚本家が絶望ポスト ─ 「AIでハリウッド最新作と見分けつかぬ作品が出来る」

https://x.com/RuairiRobinson/status/2021394940757209134

トム・クルーズとブラッド・ピットが必死に殴り合う……。生成AIによって作られたリアルな映像の仕上がりを受け、映画製作者が警鐘を鳴らしている。

話題となっているのは、映像作家のルアイリ・ロビンソンがXに投稿した数本のクリップだ。荒廃した建物の屋上で、トム・クルーズとブラッド・ピットが素手で殴り合っている。その品質は、もはや本物であると見てもほとんど違和感がない。

AI動画ジェネレーターのSeedance 2.0を用いて、わずか2行のプロンプトで生成されたという。ロビンソンは別バージョンの映像も掲載。ブラッド・ピットとトム・クルーズが、それぞれゾンビ・ニンジャを相手に格闘するものや、協力してロボットと戦うものだ。

ロビンソンは、Instagramではセリフ付きの別映像も投稿。キャプションには次のように添えられている。「生成AIの映像を投稿すると、“お前は何も創っていない”と、よくAI嫌いの連中に怒られる。だから、私はこれに何ら責任を負わないことを、あらかじめ言っておく」。

このAI映像に、『デッドプール&ウルヴァリン』(2024)を含む『デッドプール』映画シリーズや『グランド・イリュージョン/ダイヤモンド・ミッション』(2025)などを手がける著名な映画脚本家レット・リースは職業的危機を覚えた。同映像を引用リポストする形で、「言いたくないが、我々は終わりだ」と絶望的な投稿。次のように述べている。

(映像について「ひどい出来だと思いますけどね」とする投稿に対して)「あっという間に、一人の人間がコンピューターの前に座り、ハリウッド最新作と見分けがつかない映画を作るようになるだろう。確かに、その人物が未熟なら、ひどい出来になる。でも、もしその人物がクリストファー・ノーラン並の才能のセンスがあれば、驚異的なものが出来る。そして、そんな人物はすぐに現れるだろう。」

(「ノーラン並の才能を持つような人物は、AI生成などには関心を向けないのでは」とする投稿に対して)「ハリウッドは長い間、若く貧しい人々が創造の舞台に立つことを拒む門番のようだった。資本を持たない若者がハリウッドに認められようと挑む時、彼らはこういうツールを使うだろう。若きクリス・ノーランも、そのうちの一人になる。そして驚くべき作品が作られるのだ。」

ハリウッドでは、すでにジェームズ・キャメロンやアンディ・サーキスが生成AI領域の投資や活用を進めている。『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラー監督も、映画界とAIの現状を絵画史におけるルネサンス期にたとえ、一定の支持と理解を示している。生成AI専門として設立された映画スタジオStaircase Studios AIは、「スタジオの映画製作に革命を起こす」と意気込む。トルコからは、世界初のAI生成によるドラマシリーズも登場した。

もちろん、慎重派や否定派も根強い。ギレルモ・デル・トロ監督はAIについて「(使うくらいなら)死んだほうがマシ」「死ぬまでAIを使うことには興味を持たないままでいたい」と断固拒否。マーベル俳優のシム・リウは、俳優をAIに置き換えることについて「私自身の俳優としての成長と相反する」とし、「あらゆるAIの活用法のなかで、芸術を置き換えることは誰もが望まないものだと思います。芸術は人間的であるからこそ芸術なのだと思います」と表明している

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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