ジェレミー・レナー、今は挑戦的な役に挑む気力がない ─ 「現実に生きようとしている、精神的にとても大変だった」

ジェレミー・レナーは2023年に除雪中の事故で瀕死の重傷を負ったにも関わらず、回復を遂げた、まさに奇跡の男だ。俳優業を再開した現在、更に注目が集まっているが、レナー本人は演じるキャラクターについて心境の変化を感じている最中のようだ。Podcast番組出演時に明かしている。
レナーはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のホークアイ役のほか、『ハート・ロッカー』(2009)ではイラクでの爆弾処理に臨む一等軍曹役、『ウインド・リバー』(2017)ではネイティブアメリカン居留地を自治するハンター役など、多様な役どころを数々こなしてきた。しかし、現在もなお事故からの回復の過程にあるため、試練を要する役に向き合うエネルギーや燃料が今はないのだと本音を吐露している。
「この現実や、身体や、多くの物事に注ぐ燃料はたっぷりあるんですよ。ただ、偽りの姿を演じられないってだけです。前向きな思考を持って、進歩して、常に成長を続けられるように、毎日多くの時間が必要なんです。」
「だって、“作り話をやるの?”ってことなんですよ。僕は今でも現実に生きようとしているんです。その線を超えるのは僕には難しいんです。大きな限界だったんです。その隆起を超えようとするのは、僕には精神的にとても困難でした。」
生死を彷徨う壮絶な体験を経て、まだ1年余り。映画やドラマ以上に劇的な日々を送ってきたレナーが、今は試練の多い役柄に向き合う余裕が持てないのも無理のない話だ。復帰作となった「メイヤー・オブ・キングスタウン」でのマイク役については、「とても自分らしく演じられる役ですし、作品のこともよく分かっているので、復帰することは容易でした」と振り返っている。ドラマそのものはシリアスかつハードボイルドで、マイク役も非常に複雑なキャラクターではあるが、レナーにとっての困難な役どころというのは、また違うところに定義があるようだ。
「もし試練を要する役柄だったら、できなかったと思うんです。作品自体が試練を要するいう意味ではなくて、(2002年にレナーが主演した『ジェフリー・ダーマー』の)ダーマー役とか、僕とはかけ離れた役だったらということです。」
レナーは事故後初の映画出演として、人気ミステリー『ナイブズ・アウト』の第3弾が決まったばかり。役柄の詳細は明かされていないものの、ライアン・ジョンソン監督はレナーが「適切な役を演じている」と語っているため、レナーも充実して演技を披露していることだろう。
役に対する心境の変化といえば、ライアン・ゴズリングも今後は家族のために、あまり暗い役は引き受けるつもりはないと明かしている。キャリアやライフイベントを重ねるその時々で、選択するものも変わっていくのは至極当然のことなのかもしれない。
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Source:“Smartless” podcast