ジョン・ランドー死去 ─ 『タイタニック』『アバター』生み出した映画プロデューサー、キャメロンやディカプリオら悲痛コメント

ハリウッドを代表する映画プロデューサーのジョン・ランドーが2024年7月5日、がんのため亡くなった。63歳だった。
『タイタニック』(1997)『アリータ:バトル・エンジェル』(2009)『アバター』(2009)『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)を生み出した著名なプロデューサー。『トゥルーライズ』(1994)撮影中のジェームズ・キャメロンを見出し、『タイタニック』以降は強力な製作パートナーとなった。
ランドーはキャメロンと共に『アバター』シリーズ第3、4、5作の準備を進めており、2031年に最終作を公開する予定だった。また、『アリータ』続編についても「全て順調です」と準備を進めていることを明かしていた。

逝去を受け、ジェームズ・キャメロンは米メディアを通じて声明を発表した。
「アバター・ファミリーは、我らが友にしてリーダーであるジョン・ランドーの死を悲しんでいます。彼のおどけたユーモア、人を惹きつける力、寛大な心、そして激しい魂は、20年近くにわたってアバターの世界の中心を担ってきました。
彼のレガシーは、彼が製作した映画においてのみならず、彼が示した個人的な規範にあります。それは、不屈の精神、思いやり、包容力、たゆまぬ努力、洞察力、そしてまったくのユニークさです。彼は権力を振りかざすのではなく、温かさと映画作りの喜びを広めることによって、偉大な映画たちを製作しました。毎日私たちを、ベストを尽くすよう奮い立たせてくれました。私は大切な友を、31年にわたる最も親密な相方を失いました。自分自身の一部が引き裂かれたようです。」

レオナルド・ディカプリオは、ランドーが手がけた『タイタニック』がブレイクのきっかけとなった。逝去を受け、ディカプリオは哀悼の声明を寄せた。
「ジョンは信じられないほどに親切で、懸命で、人に共感する魂をお持ちでした。誰に対しても、どんなことに対しても、とにかく前向きな影響を作る方でした。彼のレガシーとリーダーシップは永遠です。彼のご家族全員に哀悼の意を表します。安らかに眠ってください。あなたがいなくなるのはとても寂しい。」

『アバター』シリーズでナヴィ族のネイティリ役を演じたゾーイ・サルダナはSNSで、生前のランドーとの写真と共に追悼文を公開した。
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「ジョンへ、
今は言葉にするのが難しい。あなたが逝ってしまったことがとても辛い。こんなにも早く、私たちを置いていってしまうなんて。私の思いは今、あなたと、あなたのご家族と共にあります。
あなたの知恵とサポートが、私たちの多くを象ってくださりました。ずっと感謝し続けます。
ご一緒できた思い出は、ずっと私の心の中の特別な場所にあり続けます。
あなたのレガシーはこれからも私たちを奮い立たせ、私たちを導くでしょう。
安らかに眠ってください、ジョン。
あなたがいなくなって、とても寂しい。」
『アバター』シリーズで主人公のジェイク・サリー役を演じるサム・ワーシントンも、『アバター』の名台詞と共に亡き指導者を偲んでいる。
「ジョンはハートの塊でした。彼は、彼が触れたもの全て、そして全ての人に、もっと良くなれると感じさせてくれました。ユーモアと力強さ、思いやりと優しさをもって人を導きました。全てのエネルギーとは借り物であり、いつか返さなければいけないと言います。I see you、ジョン」
ランドーは2022年10月に『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の紹介のため来日しており、日本のメディアに向けたプレゼンテーションを行なっていた。「劇場体験とは特別なもの」と語り、上映が終わって劇場を出た後も、観た映画についての“会話”が続くという一連の体験こそが重要なのだと説いていた。
ジョン・ランドーが手がけた素晴らしい作品の数々と彼自身は、これからも人々の間で愛すべき“会話”が続くことによって永遠となるだろう。心よりご冥福をお祈りします。