『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』で気になった13のポイント・小ネタ
スター・ウォーズ最新作『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』が2016年12月16日(金)ついに公開された。一部劇場では16日深夜0時から最速上映を行ったところもあり、コスプレ姿のファンなどで大変盛り上がったようだ。
メディアの前評判通り「最高傑作!」と喜ぶファンの意見が多く、熱狂をもって迎え受けられた『ローグ・ワン』。深いスター・ウォーズ愛と共に創り上げられた本作は、『戦争映画』としての新しい一面も描きながら、過去のスター・ウォーズへのセルフオマージュなど、数多くのお楽しみポイントが無数に散りばめられている。一度観ただけでは気付かないような細かな小ネタも多い。
今回は、小ネタだけでなく、筆者が印象的だと思った『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』の13シーンを取り上げたい。鑑賞前提でネタバレを思いっきり含んでいるので、映画をまだご覧になっていない方は、観てからお読み頂きたい。
また、内容は筆者の記憶を頼りに書いている部分があるので、もし間違いやご指摘、ご意見などがあればコメント欄かFacebook、Twitterでお知らせ頂ければ幸いだ。
【注意】
この記事には、映画『ローグ・ワン』に関するネタバレ内容が含まれています。
『ローグ・ワン』を未だ観ていない方は絶対に読まないで下さい。
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アーソ家は何の農場?
冒頭では、惑星ラムーで隠居生活を送っていたアーソ一家のもとに帝国軍のオーソン・クレニックがやってくる。かつてデス・スター計画で任務を共にした天才科学者ゲイレンが、土まみれのボロ衣に身を包んでいる姿を見たクレニックは、「農家?君ほどの優秀な人物が?」と皮肉る。
スター・ウォーズで農場と言えば、真っ先に思い浮かぶのが水分農場だ。砂漠の惑星タトゥイーン出身のルーク・スカイウォーカーの実家も水分抽出業を営んでいた。雨も降らず、年中乾燥したタトゥイーンのような土地では、大気から水分を集めて凝結させ、水を作り出す必要があった。
一方、アーソ家のいた惑星ラムーは、雨も降るし土は湿っていて、水たまりもできていた。湿地地帯と言えるだろう。家の周り、クレニックとゲイレンが対峙する場所は畑というよりは単なる草原のようだった。アーソ家は何の農場だったのだろうか?
コーネリアス・エヴァサンとポンダ・バーバ
ほとんど全てのスター・ウォーズ・ファンがお気づきかと思うが、惑星ジェダでキャシアン・アンドーが肩をぶつける二人組は、『エピソード4 / 新たなる希望』モス・アイズリーにも登場するポンダ・バーバとコーネリアス・エヴァサンだ。
『スター・ウォーズの鉄人!』によると、不気味な顔のコーネリアス・エヴァサンは、もとはバラバラになった身体をつなぎ合わせるサイボーグ化医療技術に没頭していたが、いつの間にか患者のあげる苦痛の叫びに快楽を覚えるようになってしまった闇医者だ。「気をつけやがれ」とアンドーに絡むエヴァサンをたしなめていたのは、彼の相棒ポンダ・バーバ。
かつてはハイパースペース航路の中心地であったものの、宇宙の拡張につれて次第に寂れていったジェダは、『ローグ・ワン』の時代においてはフォース信仰文化発祥の地として「物好き」が集う街となっていた。帝国の支配下に置かれており、表には出せないような、カネになる危ない仕事もあったのかもしれない。コーネリアス・エヴァサンとポンダ・バーバがなぜジェダの聖なる町をほっつき歩いていたのかはわからないが、フォースなどとは真逆の裏社会に生きる彼らのことだから、きっと悪巧みを働いていたに違いないだろう。悪運の強い二人はその後ジェダを離れ、デス・スターの試験射撃被害を逃れる。そこからタトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港に行き着くと、ふらりと酒場に立ち寄る。世間知らずそうなガキがいたので、いつものようにイチャモンをつけて絡もうとしたのが運の尽き。まさか滅亡したはずのジェダイ・ナイトが居合わせたとは露にも思わず、オビ=ワン・ケノービのライトセーバー一振りでポンダ・バーバは右腕を斬り落とされてしまったわけだ。
スター・ウォーズの世界には、ひとりひとりがそれぞれの生活を送っている。僕たちが映画で観る映像は、その一部を”たまたま”切り取っただけのものだ。コーネリアス・エヴァサンとポンダ・バーバは、たまたまキャシアン・アンドーとルーク・スカイウォーカーという英雄二人に喧嘩をふっかけていた。遥か彼方の銀河系で起こった、ほんの偶然の出来事だ。