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『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』あらすじと解説 ─ 希望は、死なない

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
https://www.flickr.com/photos/muskar/28411948565

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、スター・ウォーズのメイン・サーガに対して「外伝」に位置づけられる作品だ。ジェダイとシス、ダース・ベイダーとルーク・スカイウォーカーの物語を描くメイン・サーガでは描ききれない「アナザー・ストーリー」にフォーカスを充てるシリーズで、『ローグ・ワン』はその試みの第1作目。ここでは、『エピソード3/シスの復讐』と『エピソード4/新たなる希望』の間の出来事が描かれる。

この記事は、「『スター・ウォーズ』全作あらすじ解説」の内容から一部抜粋し、再編集・加筆を加えたものです。
また、あらすじの部分では『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の結末までを記載しています。


『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』あらすじ

※映画の結末までを記載しています。

『ローグ・ワン』は、帝国軍が建設を進めるデス・スター阻止の手がかりとなる設計図の奪還に挑む物語。帝国軍の科学者ゲイレン・アーソは、自らが開発を進めるデス・スターの脅威を恐れて脱走、家族とともに隠遁生活を送っていた。しかし帝国軍の将校クレニックに見つかり、これに抵抗した妻は殺害され、開発現場に強制送還されてしまう。

娘のジン・アーソは、パルチザンと呼ばれる過激派武装グループのリーダー、ソウ・ゲレラに救出されるが、16歳のころに置き去りにされてしまう。実は、パルチザンの中にジンを人質として利用してはどうかという声があり、ソウ・ゲレラはこれを恐れやむなくジンを手放したのだ。

銀河では、武力と恐怖で支配する帝国軍に対抗する者たちが集まり、反乱軍を結成していた。彼らにとって、惑星一つを吹き飛ばすほどの火力を持つというデス・スターの完成はなんとしても食い止めねばならない。そこで反乱軍は、開発者の中心人物であるゲイレンの娘ジンを使って情報を集めようと考え、帝国軍に捕らえられていたジンを救出し、代わりに任務参加を呼びかけた。

良心を持つゲイレンは、帝国軍に気づかれないようデス・スターにとある欠陥を意図的に作っていた。中央部にあるリアクター・モジュールの一部でも破壊すれば、連鎖反応を起こしデス・スターの全てを爆破できるという。ゲイレンは、リアクターを見つけるための設計図を、惑星スカリフにあるシタデル・タワーに隠していた。このメッセージを受け取ったジンは、反乱軍と共に設計図奪還に挑むこととなる。

デス・スターの主力となるスーパーレーザーを完成させた帝国軍は、テスト射撃としてジェダと呼ばれる衛星を砲撃、一瞬にして半壊滅状態に追いやる。『シスの復讐』で殲滅させられたジェダイの名残が多く残るジェダは、今や信仰の対象となっていたフォースやジェダイの信者らにとって聖地となっており、ソウ・ゲレラやパルチザンのアジトも存在していた。

反乱軍情報部のキャシアン・アンドーにK-2SO、ジェダで合流したボーディー・ルック、チアルート・イムウェ、ベイズ・マルバスらの一行は、惑星イードゥーの研究施設に姿を表すゲイレンの暗殺任務に向かう。イードゥーに極秘潜入する一行だが、ジンは任務の内容を知らされていなかった。キャシアンは暗殺をためらったが、反乱軍が現地に飛行部隊による爆撃を仕掛け、巻き込まれたゲイレンは命を落とす。

ジンらは反乱軍本部に帰還し、デス・スターに仕掛けられた欠陥と惑星スカリフにある設計図の存在を知らせてスカリフ攻撃を訴えるが、評議会がこれを却下。やむなく一行は、集った志願兵らと共に貨物シャトルへ乗り込み、スカリフへ独断出撃を試みる。この際、管制塔にコールサインを求められ、ボーディーがとっさに「ローグ・ワン」を名乗る。

ローグ・ワン部隊はスカリフで帝国軍と交戦を起こし、追って駆けつけた反乱軍のラダス提督率いる艦隊も援護に加わる。反乱軍は地上戦で甚大な犠牲を伴いながら、ジンとキャシアンの命がけの活躍によってデス・スター設計図をなんとか奪還、データを大気圏上空のラダス艦隊に送信する。

しかし、デス・スターのスーパーレーザーが惑星スカリフを砲撃し、ジン、キャシアンに帝国軍のクレニックをも巻き込んで壊滅。ローグ・ワンの全員が、ひとり残らず戦地に散った。

スカリフ上空では、ダース・ベイダーの乗るスター・デストロイヤーが到着していた。反乱軍はデス・スター設計図のデータを書き込んだディスクと共に脱出を試みるが、そこに船内にまで乗り込んできたベイダーが立ちふさがる。ライトセーバーとフォースを操り反乱軍兵士をいともたやすく殺めていくベイダーから逃れ、ディスクは接舷されていたタンティヴⅣ船内に渡り、脱出する。

タンティヴⅣ船内で、ディスクは反乱軍のレイア・オーガナ姫の手に渡っていた。義父のベイル・オーガナが、スカリフ戦の直前にとある旧友の助けを求めてレイアを特使として送り出していたのである。その旧友とは、かつて共和国時代を共にしたオビ=ワン・ケノービだった。

解説

2012年末にディズニーに買収されたルーカスフィルムは、『スター・ウォーズ』を永遠に終わらないコンテンツとして拡張し続ける方法を模索していた。そこで編み出されたのが、「エピソード」の付くメイン・サーガでは描かれない物語を「外伝」として映画化する手法だった。

プリクエル三部作がそうであったように、クラシック三部作に登場した人物や要素の成り立ちにドラマをもたらすことは、『スター・ウォーズ』にとってお家芸とも言える。『ローグ・ワン』が描くのは、帝国軍の恐怖の象徴デス・スターをめぐる物語だ。

『スター・ウォーズ』は一般的にはSF映画とされるが、その略称は正式には「サイエンス・フィクション」ではなく「サイエンス・ファンタジー」と名乗っている。これまでの『スター・ウォーズ』は、ジェダイとシス、フォースといった「ファンタジー」を描く物語だった。それに対して『ローグ・ワン』は、フォースを使えない一般人たちの物語。つまり本作は、『スター・ウォーズ』を初めてサイエンス・フィクションの境地で描いた映画と言える。

『ローグ・ワン』のギャレス・エドワーズ監督は、本作を「戦争映画」として描くことにした。ベトナム戦争や湾岸戦争、第二次世界大戦の記録映像を加工して、Xウイングや反乱軍兵士を合成しながらコンセプトを組み立ていった。製作の前半段階にあったとき、メディアは「これはSF版『プライベート・ライアン』になりそうだ」と期待を込めて完成を待った。

しかし『ローグ・ワン』における最大の戦争は、惑星スカリフではなく制作現場で展開された。本作を『新たなる希望』オープニングの約10分前に繋げたかったディズニーは、やや戦争映画調に傾きすぎた本作のラフカットを観て手直しが必要だと感じていた。製作チームは一般公開のわずか5ヶ月前となった2016年7月、全編の半分に及ぶ量の再撮影を強いられた。伴ってストーリーも再構築を行い、編集スタッフが「ルービック・キューブのよう」と回顧する複雑な作業が発生することになる。加えて、グランド・モフ・ターキンを演じた故ピーター・カッシングをCGで蘇らせるという、前例もなければ途方もない挑戦も注目された。

ジンとキャシアンがシタデル・タワーを登りつめたように、制作陣も怒涛の日々をようやく切り抜けた。大幅な再撮影と再構築が発生した以上、ギャレス・エドワーズ監督による当初の意図がどこまで及んでいたのかはわからない。しかし作品がいざ世に放たれると、特に往年のファンからは「これこそ僕たちが観たかったスター・ウォーズだ」と好意的な評判をもって迎え入れられた。プリクエル三部作を経て悲劇の主人公としての同情を強めたダース・ベイダーは恐怖のヴィランとして改めて蘇り、ターキン提督や若きレイア姫の蘇生はほとんど魔法だった。コーネリアス・エヴァザンとポンダ・バーバ、反乱軍のゴールド・リーダーとレッド・リーダーなど、クラシック三部作の人物もカメオ登場を果たし、「ファンだけが気付けるディティール」はこの上ないファン・サービスとして機能した。

結果として『ローグ・ワン』は、全世界で5億3千ドル以上を稼ぎ出し、2016年劇場公開作品としては1位を記録。『スター・ウォーズ』全作の中では2015年の『フォースの覚醒』に継ぐ2番目の作品となった。

監督 ギャレス・エドワーズ

Photo by Dick Thomas Johnson https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/

ギャレス・エドワーズ監督は、インディーズ映画『モンスターズ/地球外生命体』(2010)で注目を集め、英国雨アカデミー賞では新人賞にもノミネートされた。2014年のハリウッド大作『GODZILLA ゴジラ』監督を務めたことで世界中にその名を轟かせ、『ローグ・ワン』の監督の座を射止めた。子供の頃から『スター・ウォーズ』に憧れ、将来は映画制作の道を歩むことを夢見る。映画学校に通う学生時代は、『スター・ウォーズ』のメイキング・ブックを頻繁に開き、インスピレーションの頼りにしたという。

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』MovieNEXは発売中。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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