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ルビー・ローズ「バットウーマン」製作陣の不適切行為を告発 ─ スタジオ・共演者側は「事実と異なる」と対立

クライシス・オンインフィニット・アース 最強ヒーロー外伝
SUPERGIRL™, BATWOMAN ™, THE FLASH™,ARROW™, DC’S LEGENDS OF TOMORROW™ and all pre-existing characters and elements TM and ©DC Comics.©2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

DCコミックス原作、米CW局で放送中のドラマ「BATWOMAN /バットウーマン」主演ケイト・ケイン役をシーズン1限りで降板したルビー・ローズが自身のInstagramで、ドラマの製作陣やスタジオを相手取った長文の告発文を発表した。

ローズはInstagramのストーリー投稿で「Dear CW」と記し、「バットウーマン」製作・脚本のキャロライン・ドリス、エクゼクティブ・プロデューサーのサラ・シェクター、そしてDCドラマの多くを手がけるプロデューサーのグレッグ・バーランティをメンション。「いい加減にして。現場で何があったのか、全世界に知らせてやる」と始めている。「私に起こったことが、他の人に二度と起こらないために。これでようやく、私は人生と真実を取り戻す。恥を知れ」。

次の投稿では、「まずはピーター・ロス、あなたから。あなたがチャプター・ワン。昇進したからもう辞めたかは知らないけど」とローズ。ピーター・ロスはワーナー・ブラザースのテレビジョングループで21年勤めた後、2020年末に会長職についた人物。「困ったらピーターを呼べ」と称えられる人物で、2021年10月にはハリウッド殿堂入りも果たしている。

ローズは、そのロスが撮影現場で性的不適切行為を働いており、曰くパンツを履いたまま、若い女性に股間周りをスチーム(シワ伸ばし)させていたと証言。「いずれにせよ、あなたに関して言えば、既に軍隊があなたを待ってるってこと」と警告した。

続いて、医師から自身のX線検査結果の説明を受ける様子を投稿。ローズは2019年9月、「バットウーマン」のスタント事故で椎間板ヘルニアを患い半身不随の危機に陥り、緊急手術を受けている。「1時間のドキュメンタリーを作れるほどの資料も持っている。首を骨折したこと、肋骨が2つに折れたこと、腫瘍のこと、他に何を話せばいい?」

さらにローズは自身が手術を受けるビデオと共に、こう憤っている。「バットウーマン役には私は硬すぎるとか言ってた全員に。この10日後に仕事に戻れっていうんだよ。想像してみて。10日だよ!!!!!!(戻らないとクルーもキャストも全員クビにされて、私のせいでみんなが落胆すると言うから。ピーター・ロスはリキャストはしないと言うから。私のせいでスタジオに数百万ドルの損額が出るから。彼の現場で怪我をしたんだけれど)」。

「ファンのみんな、お願いだから、あんな酷い番組に復帰するつもりはあるかなんて、聞かないで。どれだけお金を積まれても、たとえ頭に銃を突きつけられても、戻りたくない。それに、辞めたわけじゃないから。私は辞めてない。あいつらがケイト・ケインを壊して、あいつらがバットウーマンを壊した。私じゃない」。

ストーリー投稿ではさらに、ローズが現場で経験したという辛い経験や、彼女にとって理解し難い出来事の数々が綴られている。ローズの主張によれば、撮影現場でクルーの一人が全身に第3度熱傷を負い、顔の皮膚がただれ落ちることがあった。その瞬間を目撃しながらも、ローズたちには何のセラピーも与えられず、火傷被害者に見舞いの花を贈ったのはローズだけだったという。また、その直後にセックスシーンの撮影を強要されたことや、二人のスタントダブルを失ったこと、目の近くを切り危うく失明しかけたことを続けて告発。 スタッフの一人が四肢麻痺を患う負傷事故が起こった際には、CWは制作側の過失を認めず、負傷した本人はクラウドファンディングを頼らざるを得なかったことも責められている。

ローズは他に、「バットウーマン」脚本・製作のキャロライン・ドリスについて、コロナ禍で他の番組が制作を中断していたにも関わらず製作続行に拘った「心のない」人だと非難し、現場にやってきたのは年に4、5回だけだったとも書いている。

ローズによれば、現場にやってきたドリスはローズの負傷を知り、調査を申請できると伝えたそうだが、後になってそれを覆し、ヨガをやっている最中の怪我とみなそうとしたという。「私はヨガをやらないのに」とローズは加えている。また、負傷によって車の運転ができなかった時も、現場へ行き来するための迎えも用意されず、製作側から「タクシーを使え」と指示されたこともあったという。

さらに、共演者であるダグレイ・スコット(ジェイコブ・ケイン役)の不適切行為も告発。スコットは女性スタントダブルをたびたび怒鳴りつけ、それは「悪夢」だったとローズは記している。また、スコットは「帰りたい時に帰って、来たい時に来て、女性を粗末に扱った」「プロらしくない」人物だと非難。現場では怒鳴らないようにしてほしいとメールで懇願したものの、却下されたとも加えている。

長い告発文の終盤に、ローズは「私はScar Joじゃない」と、ディズニーを相手取って報酬をめぐる訴訟を起こしたスカーレット・ヨハンソンの名を挙げる。「私にはスカーレットみたいなお金も、権力も、影響力もない。悲しいけど、彼女みたいに気にかけてくれるチームもいない。きっと彼女があれだけのことをしたのは、スーパーパワーみたいな力があったから。私にはそんな力はない」。

「これで私のキャリアは終わるかもしれない。でも、私のキャリアなんて、とっくに終わってる。パニック症候群に襲われるから、もう脚本を開けなくなってしまったのだから。」

「なぜ私は今まで立ち上がらなかったのか。なぜ訴えを起こさなかったのか。なぜ弁護士を捕まえなかったのか。なぜ闘わなかったのか。疲れていたから。タフなキャラクターを演じて、私はタフな人に見えるかもしれない。でも、私はただの人間ですごく繊細。いがみ合いは苦手。それに恐かった。すごく恐かった。」

ルビー・ローズによる長文の告発は、メディアやファンの間で直ちに話題になった。これを受けてワーナー・ブラザースは次のような声明を発表している。

「現在、ルビー・ローズがプロデューサー、キャストとクルー、ネットワーク局、スタジオに向けて、事実と異なる経緯をオンラインに公開しています。ワーナー・ブラザース テレビジョンはルビー・ローズの現場での振る舞いにおける複数の苦情を受け、関係者全員を尊重し、検討した後、『バットウーマン』シーズン2へ出演させるという選択を取らなかったというのが事実です。」

ローズの告発を受けた共演者のダグレイ・スコットも米NMEを通じ、「ワーナー・ブラザースの声明の通り」としながら、「私は断固として、彼女の中傷的主張に反論します。全くの作り話であり、あり得ません」と主張している。

ルビー・ローズの「バットウーマン」降板当時、ローズは撮影で長時間拘束されることに不満を抱いており、それが撮影現場で摩擦を起こしていたと伝えられていた。また、負傷と手術の件は降板とは直接関係がないとも報じられていた。当時ローズは、プロデューサーやスタジオへの感謝の言葉と共に、「素晴らしい機会を与えていただき、見事に作り上げられたDCユニバースにお招きいただき、そして常に私を信じてくださり、ありがとうございました。シーズン1を成功に導いた皆さんに心から感謝します」とのコメントを寄せている

ローズの告発でも挙げられているように、2020年3月には撮影現場の事故で女性スタッフのアマンダ・スミスが頭を打ち、深刻な脊髄負傷によって下半身麻痺となった。クラウドファンディングページでは2020年3月、スミスはリハビリや物理療法に取り組んでいる最中であり、「新しい生き方に慣れる必要がある」と綴られている。

米CWのドラマ「BATWOMAN /バットウーマン」はルビー・ローズがシーズン1で降板した後、シーズン2ではジャヴィシア・レスリーがライアン・ワイルダーの役名でタイトルロールを継承。現在シーズン3が米放送の最中だ。

続報:製作アシスタントの一人が反論

ローズによるInstagramストーリーは以下の通り。

@rubyrose Instagram
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Source:Variety,NME,gofundme,LA Times

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。