サム・ライミ監督、『スパイダーマン』3部作を作った原点とは

カルト的人気を誇る『死霊のはらわた』シリーズを手がけ、一躍名を馳せたサム・ライミ監督は、2000年代初頭、そのイメージを払拭するかのごとく、スーパーヒーロー映画『スパイダーマン』シリーズ3部作で監督を務め、キャリアの新たなステージに進んだ。原点とも言えるホラージャンルから離れ、『スパイダーマン』シリーズを手がけたモチベーションとは何だったのか。3部作完結からおよそ14年が経過した現在、ライミ監督が当時を振り返っている。
「私はスタン・リーが作る素晴らしいキャラクターの大ファンでした。だから『スパイダーマン』映画を撮ったんです」。米Redditの質問コーナーにて、『スパイダーマン』の監督を務めた理由を訊かれたライミはこのように答えている。続けて、「ピーター・パーカーとスパイダーマンは10代の頃の数年間で大切な存在でした」と過去に思いを巡らすライミ監督。他の少年たちと同様、アメコミの世界に浸っていたであろう当時のライミ少年は、スパイダーマンの虜になっていたという。
「彼が他人のためにどれだけ自分を犠牲にしていたのかということにとても感動していたんだと思います。罪のない人達を守るためにどれだけ一生懸命働いたのかということや、この間にもずっとメイおばさんのことを気にかけたり、宿題をこなしたりしていたことにも。彼の自己犠牲は僕に刺さりました。彼は本当に善人でしたね。理解できる物語の中でキャラクターと一つになれる。ピーター・パーカーのようなヒーローの物語は、私たちには何ができるのかということを思い出させてくれるんです。」
親愛なる隣人の愛称で知られるスパイダーマンは、その人並み外れた戦闘能力で悪を退治していくも、ひとたびマスク脱げば、ひとりの若者にすぎない。そんなスパイダーマンに憧れた少年が、大人になって映画作品を手がけることになろうとは、なんとも感慨深い話である。
先に“何ができるのかということを思い出させてくれる”とスパイダーマンの存在意義を語ったライミ監督は、質問者に対して「もしかしたら、あなたも善人として思い出されたいのではないでしょうか。さあ、そこから抜け出して、何かを行ってみてはどうでしょう」と強いメッセージを伝えている。
現在、ライミ監督は『スパイダーマン』ぶりのスーパーヒーロー映画に挑んでいる最中。同じくマーベル・コミックが原作となる『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』だ。同作への就任が判明した頃、ライミ監督は「子どもの頃からドクター・ストレンジが大好きだったんです」と語っていた。しっかり「スパイダーマンとバットマンの次に……」という言葉も忘れていない。ライミ監督が子どもの頃に憧れたドクター・ストレンジがいかに映像化されるのか、今から期待が高まるばかりだ。
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Source: Reddit