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『アベンジャーズ/エンドゲーム』今からでも追いつけるか ─ 『スター・ウォーズ』に『ワイルド・スピード』も、シリーズものって全作見なきゃダメ?

アベンジャーズ/エンドゲーム

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)が日本でも快進撃を続けている。すでに『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)を超えてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)史上最大の興行収入を記録した。これまでマーベルやアメコミ映画に興味がなかった人も、この記念碑的映画を劇場で楽しんでほしい。

さて、こうしたシリーズ映画の最新作が到着したとき、必ず出てくる疑問がある。「これまでのシリーズを見なくても面白いの?」だ。特に、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のような、シリーズの集大成的作品になると、新規ファンが不安になるのも当然である。見たところで意味が分かるだろうか、と。そこで、この記事ではすでに何本も作品が公開されたうえで、新たにシリーズ映画を鑑賞し始めるコツについて考えたい。

アベンジャーズ/エンドゲーム
ⒸMarvel Studios 2019

「新規ファン=にわか」ではない!

いうまでもない話だが、シリーズ映画を途中から見始めるのはまったく悪いことではない。完結した後で全作品を追うのも同様である。こうした新規ファンは、旧来のファンから「にわか」とか「ミーハー」と叩かれることがあると聞く。「聞く」としたのは、少なくとも筆者の周りのMCU好きで、新規ファンを「にわか」などと批判する人はいないからだ。あくまでも、SNSなどの報告で、こうした事例もあると小耳にはさんでいる程度である。これらの報告がすべて真実だとすれば、とても悲しいと思う。

そもそも「にわか」という言葉がよく分からない。にわかの反義語は「ガチ」になるのだろうか。では、にわかとガチを分ける基準は何なのだろう。知識量か?MCUに割いた時間やお金か?こんな議論、銀河を巻き込む大決戦を描いた映画作品とは、比較にならないほどせせこましい話ではないか。

もしも「にわかと思われるのが嫌だから、流行しているときに見たくない」と考えている人がいたら考え直してほしい。上映が終了してから後悔しても手遅れである。映画館に駆けつけるのはアイドルを追いかけることに似ている。「恥ずかしい」「面倒」という気持ちに邪魔をされて現場に行くのをためらっていると、いつの間にか解散(上映終了)している―。そうなってから後悔するのは自分自身なんだ!(最近、推していたアイドルグループが解散しまして…)。




後追い鑑賞は「公開順」が正しいのか?

さて、シリーズに途中参加するのはもちろん良いとして、肝心なのは、「最新作をいきなり見てどれほど面白いのか」という問題である。はっきり書くと、『アベンジャーズ/エンドゲーム』については、単体で見ても面白さが薄まるのは間違いない。大迫力の映像や小気味いい台詞回しは、シリーズ初見でも楽しめるだろう。ただ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の感動的なシーンの大半は、シリーズの伏線を回収する形になっている。ささいな台詞ですら、「あのときの!」となる快感が詰まっているのだ。さすがに、シリーズをまったく見ていない人と、MCU全作品を追ってきた人とでは楽しみ方に差が出るだろう。

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK 写真:ゼータ イメージ

もしもMCU初見でも、「難しいことを考えないで『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見たい」というなら、それもアリだ。しかし、「どうせ見るならできるだけ楽しみたい」派であれば、過去作21作をある程度予習するべきだろう。これで厄介なのは、「四の五の言わず公開順に21作品をまとめて見ればいい」とかいう単純な話でもないことである。MCUの公開順は、あくまでもリアルタイムで追うからこそ意味がある。今、公開順でシリーズを振り返っても、同等の興奮を得られるかは疑問だ。『アイアンマン』(2008)から徐々にヒーローが増えていき、4年かかって『アベンジャーズ』(2012)に至った興奮。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の後に『アントマン&ワスプ』(2018)が見られた癒し。これらはリアルタイムで作品間のインターバルを経験しているから得られた特権である。

リアルタイムの特権を追体験するのも、もちろんひとつの方法だ。だが、MCUに限っては、筆者はあえて「つまみ食い方式」を提唱したい。2019年現在、『アベンジャーズ/エンドゲーム』をより楽しむという目的において、ぴったりの作品だけを鑑賞して劇場に行くのである。正直、つまみ食い方式でも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』のすべてを理解できるわけではないだろう。ただ、もっとも避けたいのは「予習をしているうちに公開が終わってしまう」事態である。映画館原理主義者の筆者としては、そんなことになるくらいなら最低限の予習でいいので世紀のイベントムービーをスクリーンで体感してほしいと願う。

Writer

石塚 就一
石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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