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MCU初のアジア系ヒーロー『シャン・チー』実現は『ブラックパンサー』のおかげ ─ 「あの作品が業界の流れを変えた」

シャン・チー

2021年、『アベンジャーズ』で知られるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は新たな取り組みを控えている。初のアジア人ヒーロー、シャン・チーの単独映画『シャンチー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス(原題)』が公開を迎えるのだ。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が「98%アジア人キャストで作りたい」と述べた本作は、多様性の確保という業界のミッションにおいても重要な一作となる。

主人公シャン・チー役に起用されたのは、これまでテレビドラマで活躍し、本作がほぼ映画初出演となる新鋭シム・リウ。米TIMEの取材では、『シャン・チー』の実現に対し、同じくMCU作品『ブラックパンサー』(2018)が与えた大きな影響を語っている。

僕は『ブラックパンサー』がいろいろな意味で大好きだったし、あの作品が明らかに業界の流れを変えたと思います。(ハリウッドでは)いわゆる“多様性”を扱う映画を公開するのは経済的リスクだという感覚がありました。それが2018年には『ブラックパンサー』が公開され、同じ年には『クレイジー・リッチ!』も公開されて、どちらもすさまじい大ヒットになった。あれが(業界で)力を持つ人たちに対して、“僕たちはここにいる、ずっとここにいたんだ”としっかり訴えたわけです。僕たちは自分たちの存在を描く映画を観たいし、自分たちの存在や物語、人生を描く映画を観たいんだって。」

リウが言及しているように、『ブラックパンサー』は米国興行収入7億ドル以上を稼ぎ出すメガヒットを達成し、主要キャストをアジア人で揃えたラブコメディ『クレイジー・リッチ!』は製作費3,000万ドルに対して米国興収1億7,453万ドルというスマッシュヒットとなった。その後、黒人俳優を主要キャストに据えた作品をはじめとして、作品の物語や表現のみならず、舞台裏の雇用も含め、多様性確保に大きく貢献する作品が増加したことは言うまでもないだろう。

このたび、リウは「もしも『ブラックパンサー』が成功していなければ、僕がマーベルでの仕事をもらえていなかっただろうことは明らか」だと述べ、来たる『シャン・チー』について「『ブラックパンサー』のような影響を自分たちのコミュニティにもたらせることを期待しています」と述べた。アジア人キャストを中心とする映画・ドラマの数々が、これを皮切りに増えることとなるか。

リウ演じるシャン・チーは、「燃えよ!カンフー」(1972-1975)『燃えよドラゴン』(1973)などの影響を受けてコミックに初登場した、「マスター・オブ・カンフー」と呼ばれる強さを誇るヒーロー。映画化にあたっては、コミックにあったアジア人のステレオタイプをいかに払拭するかがポイントともなる。

そのほか出演者は、テロ組織テン・リングスの首領マンダリン役に『インファナル・アフェア』『レッド・クリフ』シリーズのトニー・レオン、シャン・チーの友人ケイティ役に『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(2019)のオークワフィナ、ヴィランのレイザーフィスト役に『クリード 炎の宿敵』(2018)のフロリアン・ムンテアヌ。そのほか「スター・トレック:ディスカバリー」(2017-)のミシェル・ヨー、コメディアンのロニー・チェンらが出演する。監督は『黒い司法 0%からの奇跡』(2019)のデスティン・ダニエル・クレットン、脚本は『ワンダーウーマン 1984』(2020)のデイヴ・キャラハム。

映画『シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)』は2021年7月9日(金)公開予定。撮影は2020年2月に開始され、コロナ禍による中断を経て10月に終了していた。

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Source: TIME, Entertainment Tonight

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。外部寄稿に『TENET テネット』『ジョーカー』『シャザム!』『ポラロイド』劇場用プログラム寄稿など。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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