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『デッドプール&ウルヴァリン』監督、DC『ザ・フラッシュ』を撮る可能性あった ─ スーパーヒーロー映画を断ってきた理由とは

デッドプール&ウルヴァリン
(c) MARVEL 2024

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画デッドプール&ウルヴァリン』のショーン・レヴィ監督にとって、本作はキャリア初のスーパーヒーロー映画だ。しかし、過去にはDC映画『ザ・フラッシュ』を手がける可能性があった……。

レヴィがDCコミックスから『ザ・フラッシュ』のオファーを受けたのは、まだ『ナイト ミュージアム』(2006)を監督したばかりの2007年2月。同じくDC原作のドラマ「ゴッサム・シティ・エンジェル」(2002-2003)でエピソード監督を務めてはいたものの、まだ大作映画の経験がないレヴィに白羽の矢が立てられたのだ。

Entertainment Weeklyにてレヴィが明かしたところによると、『ザ・フラッシュ』に携わっていたのは「ほんのわずかな期間」。当時はDC映画ユニバースどころか、まだ『ダークナイト』(2008)さえ公開されていなかった時期だ。すなわち、エズラ・ミラー主演で完成した『ザ・フラッシュ』(2023)とは大きく異なる企画だったのだろう。

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ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

2011年9月、米Colliderのインタビューで、レヴィは『ザ・フラッシュ』に関与していた当時のことを現在よりも事細かに語っている。いわく、若い頃は短距離走の選手で、またコミックのファンでもあったことから「フラッシュ」というニックネームを付けられていたそうだ。

「『ザ・フラッシュ』では脚本の草稿を3ヶ月半ほど指揮しました。学んだことのひとつは、ああいう(コミックの)キャラクターを引き受け、大作映画を撮る正当性を主張するには、もう少し経験を積む必要があるということ。僕はまだファミリー向けコメディ映画の監督だったんです」

レヴィによると、自らの手による脚本がうまくいかず、また『ジャスティス・リーグ』(当時はジョージ・ミラーが監督に就任していた)が動き出したことから『ザ・フラッシュ』は実現しなかったという。「まずは自分が参加するはずだったから、とても残念だった」とは当時の談だ。

『デッドプール&ウルヴァリン』 韓国で開催されたファンイベントの様子
©︎ THE RIVER

その後もレヴィはスーパーヒーロー映画に参加しておらず、それどころかシリーズ作品も『12人のパパ』『ナイト ミュージアム』のふたつしかない。オリジナルの企画にこだわってきた彼が『デッドプール&ウルヴァリン』に参加したのは、『フリー・ガイ』(2021)『アダム&アダム』(2023)で意気投合したライアン・レイノルズの誘いがあったからだった。

Entertainment Weeklyにて、レヴィは「毎週のように原作モノの映画のオファーを受けていますが、発表がないことからお気づきのように、ほとんどいつも断っているんです」と率直に話している。「それは、“これは語るに値するストーリーだ”と感じる必要があるからです」

逆に言えば『デッドプール&ウルヴァリン』は、ライアン・レイノルズともうひとりの盟友ヒュー・ジャックマンの参加だけでなく、レヴィが心から描きたいストーリーになったということだろう。ふさわしい脚本を完成させるため、長きにわたって開発が行われていたのもうなずける。

なお2024年6月の報道によると、マーベル・スタジオは本作を経て、レヴィに『アベンジャーズ5(仮題)』の監督を打診しており、すでに脚本も渡しているとのこと。まさかのスーパーヒーロー映画2連続となるか、それとも……。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月24日(水)世界最速公開。

Source: Entertainment Weekly, Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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