Menu
(0)

Search

『シャザム!2』興収不振はドウェイン・ジョンソンのせい?米メディア批判

ブラックアダム
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

『シャザム!〜神々の怒り〜』が事前予測を下回る興行収入成績となると、一部では『ブラックアダム』(2022)ドウェイン・ジョンソンを責める論調が目立つようになっている。米The Wrapが「ドウェイン・ジョンソンはいかにしてDCを乗っ取ろうとしながら『ブラックアダム』と『シャザム2』をダメにしたか」とレポートすれば、米The Daily Beastは「ザ・ロックのエゴが『シャザム!』と『ブラックアダム』を潰した」と伝える。

The Wrapは、そもそもDCユニバースには諸問題が山積しており、それらはドウェイン・ジョンソンに起因するものではないと断りを入れつつ、『ブラック・アダム』と『シャザム!』はジョンソンのエゴによって人気が下火になったのだと指摘している。

もともとブラックアダムはシャザムのヴィランであり、『シャザム!』1作目(2019)に悪役で登場する予定となっていた。しかしジョンソンはシャザムとブラックアダムを分けて訴求することを考え、それぞれ単独作としてデビューさせていたという経緯がある。

【特集】アベンジャーズ新章、始動

新たにわかったところによれば、『シャザム!〜神々の怒り〜』には『ブラックアダム』のヒーローチーム・JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)がカメオ登場するはずだったものの、ジョンソンが介入してこれを拒んでいたという。

ブラックアダム
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

デヴィッド・F・サンドバーグ監督は米The Hollywood Reporterで、JSAの登場が「撮影3日前にダメになった」と証言している。ネタバレのため詳述は控えるが、プロデューサーのピーター・サフランは代わりに別のキャラクターを登場させることでなんとかシーンを成立させている(ちなみに同シーンはジェームズ・ガンの新DCスタジオ設立以前に撮影されていた)。

同じように、『ブラックアダム』のポスト・クレジット・シーンにはシャザムが登場するはずだったが、やはりジョンソンによって拒否されていた模様。新DCスタジオ誕生以前、ジョンソンは自らの手でDCユニバースを主導しようと画策しており、ブラックアダムとスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)をその中心に据えようとしていた。故にシャザムは、彼の計画にはなかったというのだ。

ジョンソンによるこうした戦略は、必ずしも奏功しなかった。『ブラックアダム』はかさんだ製作費に対して世界興収が優れず赤字に終わったと伝えられており、『神々の怒り』も当初の見込みに及ばない興収パフォーマンスに苦しんでいる。

もしもジョンソンが介入せず、オリジナルの案通りシャザムとブラックアダムが相見える展開になっていたら?『ワイルド・スピード』でも途中合流しながら製作の主導権を握ろうとし、結果として元祖主演俳優と対立してストーリー展開にも少なからぬ影響を及ぼしたこともあるジョンソンへの風当たりが、にわかに強まっている。海外メディアには、「ドウェイン・ジョンソンが『シャザム!2』の失敗で責められる」(ScreenRant)といった論調の記事が続々と掲載。「ジョンソンは常に自分が重要人物であるように振る舞い、映画作りというより自分のブランドを拡大することを望んでいる」「元々のキャラクター設定を無視したり他キャラクターとの同流を拒んだりしたことで、彼は2つのフランチャイズを潰し、その過程でDCに損害を及ぼした」との関係者の声が紹介されるようになっているのだ。

“ザ・ロック”がシャザムとブラックアダムの合流を拒否したというニュースは、シャザム役ザッカリー・リーヴァイも半ば認めている。Instagramで同ニュースを引用し、「真実が君を自由にする(The truth shall set you free)」とコメントしているのだ。

ジョンソンの画策の後、DCユニバースはジェームズ・ガン&ピーター・サフランが正式に統括、ほぼ全面的なリブートを行う運びとなった。ブラックアダムはこの新世界に進めなかったことが明言されている一方で、シャザムは今後の継続もあり得るといった含みが持たされている。いずれにせよ既存のシャザムとブラックアダムが対面する可能性は限りなくゼロに近しく、その一点においてはジョンソンの意向に起因したところが大きいようだ。

なおジョンソンは、『ブラックアダム』が1作限りで事実上の終了となった結果について「最善を尽くした」とコメント。今後しばらく、ヒーロー役を演じる気持ちはないとも話している。

あわせて読みたい

Source:The Wrap,The Daily Beast,The Hollywood Reporter,ScreenRant,Comicbook.com

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Weekly