【ネタバレ】『シャザム!〜神々の怒り〜』ラストはどうやって実現? ─ 監督にホントの話を聞いた

この記事には、『シャザム!〜神々の怒り〜』の極めて重大なネタバレが含まれています。

『シャザム!〜神々の怒り〜』ワンダーウーマンのカメオ登場はいかに実現したか?

『シャザム!〜神々の怒り〜』クライマックスでシャザム(ザッカリー・リーヴァイ)は、カリプソ(ルーシー・リュー)のドラゴンとスタジアムで死闘を繰り広げ、命を落とす。魔術師シャザムやファミリーが亡骸を埋葬しながら、神でなければ復活させられないと悲嘆していると、「私がいる」とワンダーウーマン(ガル・ガドット)があのテーマ曲と共にサプライズ登場。ワンダーウーマンは本作の序盤で、シャザム/ビリー・バットソンが見る夢の中でも姿を見せたが、そこでは身体だけの登場だった(しかも顔はジャイモン・フンスーが演じる魔術師という珍妙な状態で)。
現在のDCユニバースといえば、旧シリーズから新シリーズへ移行する地殻変動の最中にある。同様の形で別作品にカメオ登場したヘンリー・カヴィル版のスーパーマンもけっきょく降板が発表されていたいし、『ワンダーウーマン』については期待されていた第3作からパティ・ジェンキンス監督が離脱しており、ガル・ガドット再演の機会も絶望視されていたものだ。
それだけに、本作へのワンダーウーマン登場は、舞台裏でいくつかの難局をくぐり抜けて実現していたのではないだろうか?筆者がデヴィッド・F・サンドバーグにインタビューで直接確認してみると、「実は、ワンダーウーマンは当初の脚本からずっといたんですよ」と特別に明かしてくれた。
監督は、本当にガル・ガドットが出演できるのか、半信半疑だったそうだ。「だからね、万が一彼女が出演できなかった場合に備えて、プランBも用意していたんです」と監督。ここではシャザムを蘇らせることが目的だったが、一例として「ヘレン・ミレンが演じたヘスペラが再登場して復活させる」案も用意されていたという。
最終的に、幸運にもガドットは撮影に参加できることとなった。「そういうわけで、ワンダーウーマンの登場は一番最初の時点から予定されていたことだったんです。それに、この映画はDC映画のあれこれ(DCスタジオ設立に関連する出来事)以前に完成していましたから」。
『シャザム!』は前作でもスーパーマン(の首から下)がサプライズ登場を果たしたが、今回はもっと本格的なクロスオーバーとなった。せっかくユニバースが盛り上がり始めたところ、シリーズが刷新されるという現実はもったいない気もする。しかし監督は、“シャザムは帰ってくる”という可能性を話している。
「DCからは、『シャザム!』シリーズの前作と本作で描かれたことが、新DCユニバースに干渉することもないし、矛盾もしていないと伝えられています。なのでシャザムは、今後のDCユニバースでも存在しうるということですよ」。またDCユニバースに戻ってきたいですかと聞いてみると、監督は「もちろんです」と笑顔で即答してくれた。
「まだわかりませんが、今後も『シャザム!』映画の可能性はあると聞いていますから。どうなるか様子見ですね。とりあえず、彼らのやっていることにはワクワクしています」。新DCスタジオのトップに就任したジェームズ・ガンのことは「大ファンです」と敬い、同じくピーター・サフランについても「彼とはもう3作一緒にやった」と振り返る。サフランは、監督の『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)と『シャザム!』前作もプロデュースしているのだ。「だから、彼が実力者だということはよく知っています」。
シリーズ2作を「やりきった」ことが誇らしいとも語った監督。ひとまずDCでの仕事はこれで落ち着くことになりそうだが、これからの予定は?
「個人的には、ちょっと休みでも取って、次はホラー映画でも撮ろうかなと考えています(笑)。そこからのことはまだわかりません。とにかく、どうなるか楽しみです。」
ここからは全くの余談だが、該当のシーンでワンダーウーマンは、去り際に「あなたは世界でも救ってなさい(Stick to saving the world, kid)」と言い残していく。これは、『ワンダーウーマン』(2017)1作目の恋人スティーブ・トレバー最後の言葉「僕は今日を救う。君は世界を救え(I can save today, you can save the world)」と呼応するようではないか。あれから約100年。きっとワンダーウーマンことダイアナは、スティーブから託された「世界を救う」という善の心を広める使命を、1人でずっと抱いて生きてきたのでは。

『シャザム!〜神々の怒り〜』は大ヒット公開中。デヴィッド・F・サンドバーグ監督とのインタビューは以下より。
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