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スパイダーマン『シニスター・シックス』映画、「イチかバチかのホームラン狙い」だった? ─ 目指したのはシリーズ番外編、6人のチームメンバーも示唆

アメイジング・スパイダーマン2
© Columbia Pictures 写真:ゼータイメージ

アンドリュー・ガーフィールド主演『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで計画されながら、緊急事態によって頓挫していたヴィラン集結映画『シニスター・シックス』は、「イチかバチか」にかけた夏の超大作になり得ていたという。当時、同作の脚本を手掛けていたドリュー・ゴダードが米Happy Sad Confusedに明かした。

シニスター・シックスは、原作コミックでスパイダーマンに恨みを持つヴィランが集結したチーム。映画『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)のラストシーンでは、レイヴンクロフトに収容されたハリー・オズボーンの元に謎の男フィアーズが訪れ、チームの結成を示唆。その後、オズコープ社のラボにドクター・オクトパス、ヴァルチャー、ライノのスーツが並ぶ様子が映し出されていた。

ファンの期待も高かったが、2014年に発生したソニー・ピクチャーズ エンタテインメントへのハッキング事件によって頓挫したと、最近になってゴダードは明かしていた。この事件は当時のソニー・ピクチャーズ全体に深刻な影響を与えており、いくつかの映画企画が潰えた。『シニスター・シックス』もそのうちの一つだったのだ。

ゴダードが新しく明かしたところによれば、事件が起こるまでに企画は撮影準備の「かなり深い段階」に進んでいたという。プロダクション・デザイナーはゴダードとともに『キャビン』(2012)『ホテル・エルロワイヤル』(2018)『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008)を手掛けているマーティン・ウィストが起用され、ソニー内で体制も全て組まれていた。

目指していたのは「ドリュー流のスパイダーマン映画」、つまり「イチかバチかのホームラン狙い」だったと、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(2026)の脚本を務めたゴダードは説明している。

以前ゴダードは、あらすじについて「スパイダーマンとヴィランたちがサベッジランド(コミックスに登場する南極大陸に隠された未開のジャングル)に行き、スパイダーマンがティラノサウルスに乗ったりする話」と話していたが、今回はこれを「夏のイベント(Summer Annual)」と形容。なんとゴダード、当時にして「スーパーヒーロー疲れ」打破を目指すような、「番外編」的なエンタメ作品を志していたようだ。

「コミックを読む人ならわかると思うんですが、特に当時は、コミックってどんどんシリーズ中心のストーリーになっていて、映画もそうなっていた。誰かが宝石を手に入れて、その次の作品に繋げて、そのまた次に繋げて……、というふうに。それでもうまくいっていたわけですが。

でもコミックにおける『夏のイベント』は、連続シリーズの物語がありつつ、毎年夏になると、その流れとは全く関係のない特大号が出るんです。主人公が普通の生活から無理やり引き剥がされて、とんでもない状況に放り込まれる。

僕が『スパイダーマン』でやりたかったのは、そういうものでした。面白くなりそうだから、だったら思い切りやろう、と。僕が好きなスパイダーマン要素を全部放り込もうと思った。そして、スタジオもそうさせてくれていたんです。」

ところが、そこでハッキング事件が発生してしまった。ゴダードは当時の記憶を生々しく語っている。

「感謝祭の前の水曜日に、脚本を前に座っていたら、FBIがソニーになだれ込んできて、ヘリコプターも飛んでいて。何が起こっているんだ?と。マイケル・リントン(当時のソニーCEO。事件の後に退任)が通りかかったのを見て、『マイケル、なんの騒ぎですか』と聞いたら、『FBIだ。コンピューターが全部落ちてる。すまない、行かなくては』と。僕と話している余裕なんてなかった。

それで『まずいことになったんだ』と思ったのを覚えています。アシスタントに連絡したら、『今日はもう帰っていいと思います。今日はもう終わりです』と言われた。

その時は、誰も事態の深刻さをわかっていませんでした。でもその後の数週間で、ソニーが被ったダメージの大きさが見えてきて、僕らの映画もその犠牲の一つだったのです。」

こうして、シニスター・シックスは夢に消えた。「もちろんこの映画を作れなかったのは悲しい」とゴダードは続けている。「でも、自分の中では作った。ただ、誰にも見せられないことが悲しいんです」。

映画『シニスター・シックス』は現在、ゴダードの脳内にのみ存在する。お披露目できない悔しさを認めつつ、企画を手掛けられたことだけでありがたいのだと、ゴダードは謙虚に話している。

「スパイダーマンのために、人生の1年間を費やした。それが僕の仕事です。怒っていないし、むしろ感謝しています。誰が僕に仕事をくれて、対価も支払ってくれるなら、いつだって感謝の気持ちですよ。芸術で生計を立てられることだけでありがたいんです。『1年間スパイダーマンの物語を考えていいよ』なんて言われたら、それだけで最高ですからね。」

ちなみにゴダード、インタビュー内でシニスター・シックスのメンバー内訳も確認されている。それはドクター・オクトパス、ヴァルチャー、クレイヴン・ザ・ハンター、ミステリオ、サンドマン、エレクトロだったかと確認されると、「いいえ。でも、あるバージョンではそうだったかもしれません」と返答。「何度も変わっていきましたからね。想像できると思いますけど、シニスター・シックスの物語の面白いところは、その6人を誰にするかを選ぶところにありますから」。

※Amazon のアソシエイトとして、THE RIVERは適格販売により収入を得ています。

Source:Happy Sad Confused

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者、運営代表。執筆・編集から企画制作・取材・出演まで。数多くのハリウッドスターに直接インタビューを行なっています。お問い合わせは nakataniアットriverch.jp まで。

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