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【インタビュー】『スカイライン-逆襲-』監督「日本のファンは細かいところまで気付いてくれる」

スカイライン ­­-逆襲­-
© 2020 MPP Cobalt Limited. All rights reserved.

熱烈な人気を誇るSFアクションシリーズ『スカイライン』の最新作スカイライン-逆襲-』が、2021年2月26日より日本公開となった。

地球人を“収穫”するため飛来したエイリアンの恐怖をスリリングに描いた『スカイライン-征服-』(2010)、侵略者に戦いを挑む“抵抗軍”のダイナミックなアクションを軸に展開した『スカイライン-奪還-』(2017)。シリーズ第3弾となる『スカイライン-逆襲-』では、前人未踏の宇宙を舞台に、人類vsエイリアンのラストステージが幕を開ける。

THE RIVERでは、『スカイライン-奪還-』に続いて本作『スカイライン-征服-』も手掛けたリアム・オドネル監督へ一対一のインタビューを実施。気さくなオドネル監督は、様々な質問に明るく答えてくれた。

監督が語る『スカイライン』シリーズの歩み

『スカイライン ­­-逆襲­-』
© 2020 MPP-Cobalt Limited. All rights reserved.

──シリーズ1作目の『スカイライン -征服-』(2010)1作目は低予算SFといった感じでしたが、成功して、大きなシリーズとなりましたね。1作目を製作したとき、このシリーズは成功するぞと予感していましたか?

いえ、どうなるかはわかりませんでした。おっしゃるように低予算で、グレッグ・ストラウス監督の自宅で1ヶ月撮影したのですが、撮影予算もかなり安かった。でも、CGにかけた費用は、おそらく3作の中で一番高額だったかもしれません。撮影して編集したものが、ユニバーサルに買われたんです。これは良い、映画館で上映したいと。なので、撮影には100万ドルもかかっていなくて、その分編集にかけたんです。

後になって思ったのは、あまりバランスが取れていない映画だということ。美しくて素晴らしいCG映像に対して、カメラの量が少なかったですね。だから2作目の『スカイライン -奪還-』(2017)はきちんと予算配分をやろうと思ったんです。全体予算は2倍近くになったけど、CGに予算を振りすぎるんじゃなくて、撮影部分にもお金をかけようと。マーシャルアーツが登場したり、ロケ地が増えたりしたのは、そういうわけです。2作目は、1作目の学びを活かしたものになっています。

そして今回の3作目『スカイライン-征服-』は、2作目の撮影で大変な思いをした学びを活かしています(笑)。2作目では世界各地で6ヶ月かけてロケ撮影をして、グリーンスクリーンでの撮影も山程やった。あらゆる面で大変でした。

そこで、3作目ではロケ地もほどほどにして、もっとセットを作ろうということになりました。毎作、新しいことを学んで、次作でそれを活かしています。そうやって、同じことの繰り返しではなく、新しいストーリーを語っていくようにしています。

『スカイライン ­­-逆襲­-』
© 2020 MPP-Cobalt Limited. All rights reserved.

──今作のダークなセットは素敵でした。一番誇らしく思うはシーンどこですか?

今作『逆襲』なら、間違いなく終盤の戦いですね。それから映画オタクとしては、アレクサンダー・シディグのキャラクター(ラドフォード将軍)が相手に銃を向けるシーンです。ジェームズ・ボンド映画のワンシーンのようで気に入っています。悪役が自分の話をしていて、そこにヒーローが銃を向けてるっていう。あのシーンの撮影は、まるでジェームズ・ボンドのワンシーンを撮っている気分でした。そのジェームズ・ボンドのシーンから、壮大なアクション・シーンにつながっていく。そのアクションの中盤では、『キングコング』のワンシーンみたいなところもある。すごく良いシーンで、そこからさらにアクションがクレイジーになっていく。

今作で僕の一番好きなショットは、ローズがカメラに向かって叫びながらパンチする、アニメのようなショットです。あのシークエンスの流れは撮影もすごく大変で、セットで4日も過ごしました。スタントチームが入る前に形にしておきたくて。セットのマップのようなものを作って、そこにカメラのアングルを書き込んで、撮影監督と一緒に計画を練ったんです。全てスケジュールが組まれているので、全員同時にはできない。この格闘シーンをこう撮りますというように進行して、他の人はそこから出なくちゃいけない。

みんなで集まって、大きなステディカムで、ラドフォード将軍にまつわる、とあるシーンを撮影する場面もありました。そのシーンは計画から映像化に移すのに最も複雑で、バタバタしていて、大変でした。あらゆることが同時にやってきて、ものすごいペースで進んでいくんです。

スカイライン ­­-逆襲­-
© 2020 MPP Cobalt Limited. All rights reserved.

──『スカイライン』3部作は、毎作主人公が変わります。

そのおかげで、各作品が独立したような感じがありますよね。しかも、それぞれが繋がってるというのが良い。実はローズも、第1作目の最初から登場しているわけですからね!ジャロッドとエレインの妊娠のところ!つまり、一番最初から伏線があったってこと。ローズは2作目でも登場しますしね。

毎回主人公が変わるからこそ、作品ごとの個性が生まれていると思います。正直、監督が誰かよりも、主人公が誰かという方が作品への影響はデカいと思います。よく、「監督の仕事の9割はキャスティングだ」って言うんですよ。誰が映画の主役になるのかが大事ってことです。

スカイライン―奪還―
シリーズ前作『スカイライン-奪還-』より。 ©2016 DON’T LOOK UP SINGAPORE, PTE. LTD

『奪還』は、グリズルでグリッティーでグリロだったでしょう!(Grizzledは”灰色がかった”、Grittyは”砂だらけの”、Grilloは言わずもがな、2作目の主演フランク・グリロのこと) 『逆襲』でローズ役にリンゼイを推したのは、彼女もフランク・グリロ並のフィジカルや激しさを持っていたから。

リンゼイは女性であり、繊細な面も持っていて、とても強くて、そして器用。3部作として見るとピッタリの主演だと思うんです。1作目は男と女がふたりで主人公だった。2作目で男性に、そして3作目で女性になる。エネルギーが移ろいゆくようで良いなって。今作でも、ジョナサン・ハワード(レオン役)が強い男性としての主要な役を演じていて、ローズとの調和をなしている。彼の物語が、映画のテーマを作っている部分も大きいと思います。

(主人公が変わるおかげで)シリーズが冗長になることもありませんし、繰り返しにもならないと思っています。常に新しい方向に進んでいけるんです。

『スカイライン ­­-逆襲­-』
© 2020 MPP-Cobalt Limited. All rights reserved.

NG集へ込めたこだわり

──『スカイライン』は、どこかクラシック映画、古き良き映画のような雰囲気があると思います。小さい頃、土曜日の昼下がりにテレビでジャッキー・チェンの映画を観ていた時のような。『スカイライン -奪還-』でもそうですが、映画の最後にNG集も入りますよね。

イエス!(笑)『プレデター』(1987)のエンディングでも、殺されたキャラクターたちもみんな出てきてカーテンコールをやりますよね。振り向いてレンズを見て笑う、みたいな。映画で大冒険をして、最後に役者が役者として登場して、”そうそう!いたよなコイツ、好きだった!”ってさ(笑)。実は『奪還』では編集しながらNGシーンをまとめていたんですよ。めっちゃ笑える映像ですよね。あそこに入れられなかったNG映像も、もっとあるんですよ。

視覚効果の仕上がりを待っている間に、僕たちの方でNG集の製作をやっていました。皆にお披露目した時は、「ヤバい!」って超盛り上がってましたよ。なので、あれはまさしくジャッキー・チェン映画と『プレデター』のミックスです。1作目の『征服』はブレット・ラトナーがエグゼクティブ・プロデューサーに入っていましたが、実はあの後、彼の『True Crime Honk Kong』というビデオゲームの企画にも携わったんです。それが『スリーピングドッグス 香港秘密警察』になりました。彼の家に行ったときに、リサーチ用にジャッキー・チェンの映画を山程渡されて。思えば、NG集の考えはそこから本格化したのかな。

あなたが言ったみたいに、土曜日の昼間に自宅で映画を観ていたときの、『エイリアン』や『プレデター』みたいな感じ。ああいう映画が僕は好きなんですよね。観た人に、あの感じだよって気付いてほしい。作風はシリアスなところがあって、不条理なことがたくさん起こる。そもそも『スカイライン』の始まりだって、数人がアパートに閉じ込められるという話だったのに、今じゃ銀河を横断しているでしょう(笑)。だからこそ、オモシロ要素も取り入れたかった。こんなことになるなんて、誰が思った?って。

『奪還』ではちょっとオフザケなところもあったけど、今作ではもっと入れてます。僕らはまるで、SF版『ワイルド・スピード』(笑)。どんどんデカくなっていくから、どんどん笑いも入れていきたいんです。

スカイライン -逆襲-
© 2020 MPP-Cobalt Limited. All rights reserved.

──日本には『スカイライン』のファンがたくさんいます。ファンのみなさんへメッセージをお願いします。

ここ10年間で、日本のファンの皆さんが最も献身的だということを実感しています。日本の記者のインタビューを受けていても、他で聞かれていなかったようなことを聞いてくださいます。クリーチャーの細かいところやデザインにも気付いてくださって、そんなやり取りをするのが大好きです。

日本の皆さんは賢くて、ビジュアルへの造詣も深い。ホラー映画からカンフー映画からアニメまで、様々な影響を見抜いてくださる。本シリーズのように色々なジャンル要素を織り交ぜている映画はそう多くないから、とても嬉しいです。

日本にはいつでも戻りたい。また行ける日が楽しみです。次に東京に行く時には、1週間くらい『スカイライン』シリーズ全作を劇場で一気に上映してもらうのが夢です!

スカイライン ­­-逆襲­-
© 2020 MPP Cobalt Limited. All rights reserved.

このインタビューでは、ネタバレありのトークや、まさかの次回作にまつわる話も語られた。こちらはネタバレ記事として、別で掲載予定だ。『スカイライン-逆襲-』を鑑賞してから、是非お楽しみいただきたい。

『スカイライン-逆襲-』は、新宿バルト9ほかで全国公開中。

Writer

THE RIVER編集部
THE RIVER編集部THE RIVER

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