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『スパイダーマン』マーベル/ソニーの対立報道、故スタン・リーの娘がソニー支持を表明 ─ 「キャラクターは複数の視点で育てられるべき」

スタン・リー
©THE RIVER

2019年8月21日、ディズニー/マーベル・スタジオと米ソニー・ピクチャーズが、今後の『スパイダーマン』映画に関する契約交渉で決裂したという報道が世界中をかけめぐった。交渉は現在も進行中といわれているが、両社が決定的に決裂してしまえば、マーベル・シネマティック・ユニバースからスパイダーマンが離脱することにもなりかねない。

こうした現在の状況について、アメコミの巨匠である故スタン・リー氏の娘、ジョアン・セリア・リー氏はソニー側を支持する姿勢を表明している。

長い歴史の中で、スタン氏はX-MENやスパイダーマンなど、マーベルを代表する人気ヒーローの多くを生み出してきた。このたびジョアン氏は、ディズニーとソニーのトラブルが報じられたことを受け、米TMZに対して声明を発表している。

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「マーベルとディズニーは父の創造したものを完全にコントロールしようとしています。ですが、これらは、利益を求めつつもスタン・リーと彼の遺したものに純粋な敬意をもつ第三者がチェックし、バランスを取るべきもの。スタンのキャラクターや財産は、ソニーにせよ、ほかのスタジオにせよ、いくつもの視点によって育てられるのがふさわしいんです。」

ジョアン氏による発言の背景には、ディズニーが20世紀フォックスを買収したことで、いまやX-MENやファンタスティック・フォーの映像化権がマーベル・スタジオに移っているという事実があるだろう。マーベル・スタジオのもとにほとんどのキャラクターが揃っている状況で、コミック「スパイダーマン」シリーズのキャラクターについて、ソニーが権利を有している状況はもはや稀有なものとなりつつあるのだ。

もっともジョアン氏の主張は、スタンが生んだキャラクターの扱い方にのみ起因しているわけではなさそうだ。同じ声明にて、ジョアン氏はディズニー/マーベルに対する厳しい批判を展開してもいるのである。

「父が死んだ時、マーベルやディズニーからは、誰も私への連絡がありませんでした。そもそも初めから、彼らは父の仕事を商品にしてきたのであって、父自身や、父の遺したものには一度も敬意や礼儀を示していません。結局のところ、父に対して、マーベルやディズニーの幹部ほど酷い扱いをしてきた人たちはいませんよ。」

『スパイダーマン』をめぐる対立報道については、第一報の直後にソニー側が公式声明を発表し、『スパイダーマン』次回作からマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が離れることだけが認められている。しかし2019年8月24日(米国時間)にはファイギ社長とスパイダーマン役のトム・ホランドもコメントを発表し、マーベル・シネマティック・ユニバースからスパイダーマンが離脱することを示唆する発言を繰り出した。なお、ホランド自身は今後もスパイダーマンを演じていく意向を示している。詳細は以下の記事にてご確認いただければ幸いである。

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Source: TMZ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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