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【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』最大のサプライズ、いかにして実現したか ─ 俳優ふたりが脚本に助言、幻の別アイデアも

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

この記事には、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の極めて重大なネタバレが含まれています。必ず本編をご覧になってからお楽しみください。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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“あの人たち”のカムバック

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』における最大のサプライズ。それは、サム・ライミ版『スパイダーマン』3部作の主演俳優であるトビー・マグワイア、『アメイジング・スパイダーマン』2部作の主演俳優であるアンドリュー・ガーフィールドが、ともにスパイダーマン/ピーター・パーカーとしてスクリーンにカムバックしたことだ。

ドクター・ストレンジの呪文によってマルチバースの蓋が開き、別のユニバースでスパイダーマンと戦ったヒーローたちが続々と出現する中、トビーとアンドリューがそれぞれに演じたピーター・パーカーも、トム・ホランド演じる“MCU版”スパイダーマン/ピーター・パーカーと対面を果たすのである。アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019)も記憶に新しいが、本作はいわば実写版『スパイダーバース』にかぎりなく近い趣だ。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の脚本作業が本格的に始まったのは2019年12月のこと。脚本家のクリス・マッケナ&エリック・ソマーズは、あらゆる現実性をまずは度外視し、思いつくこと、やりたいことをプロットに詰め込み、整理しながら脚本を形づくっていった。マッケナいわく「登場させたい人は誰でも登場させられるかのように、(ハリウッドの)誰にでも連絡できる権力があるかのように」振る舞ったというのだ。

The Hollywood Reporterによると、脚本の執筆と並行して、プロデューサー陣は俳優陣への打診を始めていた。脚本家ふたりの耳には「この人は興味を持っている、乗り気だ」といった情報が随時飛び込んできて、それが執筆のモチベーションになったという。もっともトビーとアンドリューでさえ、オファー当初は企画の概要を聞いたのみで、実際の脚本は読ませてもらっていなかった。その後、脚本がふたりの手に渡ったのは執筆開始から1年が経過した2020年12月のこと。コロナ禍ゆえに脚本の内容をそのまま撮れるかどうかも定かではなかったが、ふたりは出演を快諾している。

その後、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の物語には、アンドリューとトビーのアイデアも活かされた。ふたりがスパイダーマンを演じた経験が、MCU版『スパイダーマン』シリーズの最終章をより練り上げることになったのだ。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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