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【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』最大のサプライズ、いかにして実現したか ─ 俳優ふたりが脚本に助言、幻の別アイデアも

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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この記事には、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の極めて重大なネタバレが含まれています。必ず本編をご覧になってからお楽しみください。

トビー&アンドリューの助言

マッケナは「(映画の)第三幕にふたりが登場することは不可欠だった」と語る。しかも単なる再登場ではなく、トビー演じるピーターも、アンドリュー演じるピーターも、ふたりそれぞれの物語を本作に持ち込んでくる必要があったのだ。本作の脚本には、トビーとアンドリューの助言もしっかりと反映されているという。

「ふたりの素晴らしいアイデアが、僕たちの目指していたものをさらに洗練し、(物語に)厚みと広がりをもたらしてくれました。“トム演じるピーターの変化をふたりが支える”というアイデアに、よりきちんと焦点を合わせることができたのです。映画のクライマックスには非常に重要な、そして道徳的な場面があります。その多くはトビーとアンドリューのアイデアで生まれたもので、ふたりの役柄に対する考えが物語を磨き上げてくれました。」

本作の大きな特徴は、トム演じるMCU版ピーター・パーカーの物語を締めくくりつつ、トビーとアンドリューが演じたスパイダーマンの“その後”を描いていることだ。別次元から現れるふたりのピーターは、かつてと同じビジュアルではなく、それぞれに年を重ねた姿で登場するのである。

トビー・マグワイア アンドリュー・ガーフィールド トム・ホランド
Tobey Maguire by gdcgraphics / Tom Holland by THE RIVER / Andrew Garfield by Gerald Geronimo at https://www.flickr.com/people/25445109@N07

本作の脚本を執筆する際、脚本家チームは「ふたり(トビー&アンドリュー演じるピーター)が本作に登場するとき、彼らは人生のどんな段階にいるのか」を重要視したと強調する。劇中では語られない内容も含め、一同は具体的に話し合い、ふたりの“現在地”を設定した。トビー演じるピーターは43歳。アンドリュー演じるピーターは『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)でグウェン・ステイシー(エマ・ストーン)を失ったのちに「闇に落ちてしまい、まだ元に戻っていないかもしれない」と考えたのである。

もっとも、トビーは自らが演じたピーターの“現在地”を描くことは「できるだけ最小限にしてほしい」と求めた。一方のアンドリューは、ピーターが今でもグウェンの死に苦しんでいるというアイデアを非常に気に入り、自らのピーターを“三兄弟の孤独な次男”として考えたという。彼は恋人の死を受け、周囲から距離を取り、まだ傷が癒えていないのだと。

“三兄弟”という言葉は、三人のスパイダーマンをめぐる物語を描くキーワードになった。ふたりのスパイダーマンがトム演じるピーターの前に現れるのは、グリーンゴブリンの暴走でメイおばさんが命を落とし、ピーターが姿を消したあとのことだ。マッケナはこう語る。

「ふたりは(トム演じるピーターに)“君の気持ちはわかるよ”と言えるのです。“君のつらさを僕たちはよく知っている。この世界で君のことがわかる人がいるとすれば、それが僕らだ。君を導いてあげられる”と。しかし、トビーは苦しみを乗り越えているけれど、アンドリューはまだ苦しみのさなかにいる。つまり、ジェダイの騎士ふたりがやってきて悪人討伐を手伝うのとは違うんです。彼らには彼らの人生がある。ふたりやチームの仕事を引き継いで、彼らのキャラクターや物語に忠実に描きたいと思いました。

三人は同一人物ではなく、それぞれに別人。けれども、同じようにクモに咬まれてヒーローになった。彼らは兄弟のようなもので、この経験がどういうものかを自分たち以上に知っている人はいないし、彼らの関係がどういうものかは誰にもわかりません。ただし、少なくとも彼らは独りじゃない。誰もがそれぞれに傷ついてきたし、お互いに回復を手伝うことができます。」

また米The Wrapでは、アンドリュー演じるピーターが口にする「ずっと兄弟が欲しかった」という台詞にも言及されている。本作で起きた出来事は、トム演じるピーターだけでなく、アンドリュー演じるピーターにとっても大きな転機なのだ。「これは彼にとっても、自分を癒すことの始まりであり、闇の中に光を見つけることなのかもしれません」とはマッケナの談である。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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