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【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』最大のサプライズ、いかにして実現したか ─ 俳優ふたりが脚本に助言、幻の別アイデアも

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

この記事には、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の極めて重大なネタバレが含まれています。必ず本編をご覧になってからお楽しみください。

幻となった別アイデア

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でトビー&アンドリューのピーターが初登場するのは、ピーターが姿を消した後、MJ(ゼンデイヤ)とネッド(ジェイコブ・バタロン)がドクター・ストレンジのリングを使ってピーターを探すシーン。ネッドはうっかり、彼らを呼び寄せることになったのだ。

しかし米Varietyでは、当初の脚本では“メイおばさんの死後すぐ、ふたりがピーターのもとに現れる”という初登場シーンだったことが明かされている。とあるキャラクターがふたりを連れて現れ、「これが神の救いだ、彼らが助けてくれる」と口にする予定だったのである(ふたりを連れてくる人物が誰なのかは不明)。本撮影が始まった2020年秋の時点ではこの展開が採用されていたが、トビー&アンドリューが脚本を読んだクリスマスまでには、製作陣は“よりよい方法を考え出す必要がある”という結論に達していた。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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マッケナは当時を振り返り、「撮影に入って2ヶ月経ったという中で、すぐさま第三幕に大工事をしなければいけませんでした。第一幕と第二幕を撮っていたので、もう時間はありませんでした」と語る。タイトなスケジュール、コロナ禍をめぐる情勢、新たな感染対策の導入という状況下で、マッケナ&ソマーズは“映画を台無しにしてしまうのではないか”という恐怖に襲われたという。ふたりはクリスマスに脚本を練り直し、MJとネッドがふたりを呼び出すという展開を考え出した。

「まさに暗闇に光が差すようでした。あの段階では奇跡だった」とマッケナは言う。ふたりの追い込まれ方は尋常ならざるものだったようで、「あの一年間で一番つらく、撮影の中で一番つらく、脚本執筆の中でも一番つらい時期でした。そんな中、“トビーとアンドリューを出せるぞ!”と思えたんです」とさえ語られているのだ。さらりと叶えられたかのように姿を見せたトビーとアンドリューだが、裏側には血のにじむような努力と試行錯誤があったのである。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は公開中。

Source: Variety, The Hollywood Reporter, The Wrap

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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