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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に黒澤明『七人の侍』からの影響あり、ケヴィン・ファイギらが明かす【インタビュー】

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

『スパイダーマン』シリーズ最新作、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が遂に日本でも封切られた。2018年の『スパイダーマン:スパイダーバース』で成功を収めたマルチバース展開が、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の扉を新たに開く。

THE RIVERでは、MCUを率いるマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギと、米ソニー・ピクチャーズの元会長にして現在は『スパイダーマン』フランチャイズをプロデューサーとして牽引するエイミー・パスカル、2人の重要人物の日本向けオフィシャルインタビューを紹介。製作の過程や作品への思いに加えて、黒澤明映画からの影響も明かしてくれたファイギとパスカル。さらには、2018年にこの世を去ったレジェンド、スタン・リーについても語っている。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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ケヴィン・ファイギ&エイミー・パスカル 公式インタビュー

── 作品を完成させる上で大切にしていることはなんですか。

パスカル:私たちが常に気をつけていることは、正しいことに集中しているかどうかを確認することです。それに、高校最終学年のピーターのことも。大学に行きたいと思っているピーターや、MJと一緒にいたいと思っているピーター。アイデンティティを明かされてしまったので、彼は冷静さを保とうとしています。でも、パンドラの箱が開き、あらゆることが起きてしまう。ジレンマは常にピーター自身のことなんです。それが私たちの指針である限り、大丈夫だと思います。

ファイギ:何十年も前から存在しているスパイダーマンのファンと、トム・ホランドのスパイダーマンから参加したファンのために正しいことをすることです。そして、ベストを尽くすこと。なぜなら、スパイダーマンのストーリーを語るときは、多くのファン、アーティスト、クリエイターを代表しているからです。ベストを尽くすための最良の方法は、エイミーが言ったように、ストーリーラインがどれほど騒々しく、狂気で混雑していても、ピーター・パーカーのストーリーであることです。焦点は常にピーター。今回の目的は、最年少のピーター・パーカーと彼の高校時代を見せることでした。

── 特に本作を完成させる上で、日本のコンテンツからインスピレーションを受けたものがあれば教えてください。

ファイギ:ジョン・ワッツは素晴らしいフィルムメーカーであり、映画の歴史について非常に精通しています。エイミーもそうだし、私もそうなろうとしています。

パスカル:アクション・シークエンスのデザインをしているときに、『七人の侍』(1954,黒澤明監督)についてたくさん話したので、尋ねてくれて嬉しいです。誰もがいつも『七人の侍』の話をするので、私たちも影響を受けました。

ファイギ:エイミーは、私が今まで見たことがないクロサワ映画について教えてくれましたよ。

パスカル:『天国と地獄』(1963)が前回の映画の指針のようなものでした。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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── スパイダーマンが誕生して、2022年で60周年となります。改めて長年愛されてきたヒーロー、スパイダーマンの魅力を教えてください。また、トム・ホランドが演じるスパイダーマンの一番の魅力は何でしょう。

パスカル:スパイダーマンは無一文で、頭が良くて、恋をしていて、私たちみんなと同じだと思います。自分の身元がバレると、仕事ができなくなるという問題を抱えている。それでも、スパイダーマンであることは非常に素晴らしいことなので、自分が誰であるかを人々に知ってもらいたいとも思っている。でも、誰かが真実を知るたびに、何かひどいことが起こってしまう。それは成長過程のクラシックな物語だと思います。この世界で善良な市民であり、親切であり、大人であるために行われなければならない犠牲についてのストーリー。そんな人間的な話なので、皆さんもスパイダーマンに共感できると思います。

ファイギ:非常に良い説明ですね。彼は完璧ではないけれど、欠陥があり、共感できるマーベルヒーローの完璧な原型。スパイダーマンの場合、ピーターの人生は蜘蛛に噛まれることによってひっくり返され、困難だけど正しいことをする方を選択する。それが60年後や120年後、400年後の世界にも響く教訓になることを願っています。

トム・ホランドの魅力は、僕たちが今言ったすべてを完璧に表現していることだと思います。彼は、いまでは大スターになったけど、それでも並外れた力を持っている親しみやすい少年なんです。驚くべき能力を持っていても、上手に人間性を示すことができています。

── この作品にもしスタン・リーが登場するならどのシーンだと思いますか?

エイミー:良い質問ですね。まだお見せしてないラストシーンに出てほしかったです。

ファイギ: 考えていなかったな。スタンが亡くなったことは、今も信じられないです。どの場面でもいいからカメオ出演してほしかった……。だけどある意味、スタンは全シーンに存在しています。彼とスティーブ・ディッコのスピリットが、すべてのコマに入っていると思います。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、全国公開中。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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