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【インタビュー】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ケヴィン・ファイギが見てきたピーター・パーカーの成長

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

“全ての運命が集結する”と言われる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が、ここ日本でも遂に封切りを迎える。これに先がけ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を率いるケヴィン・ファイギのオフィシャルインタビューが到着した。

マーベルコミックスのいちファンだったファイギは、その膨大な知識を買われ、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズに参加。今や、ハリウッドの一大フランチャイズを統括する立場となったファイギは、とりわけこの『ノー・ウェイ・ホーム』に並々ならぬ思い入れを感じているようだ。

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物語の出発点

── この映画のコンセプトを見つけることについて

何でも可能なこのプロセスの中でも、仲間たちと一緒に部屋で座っている時が──今回だとマーベル・スタジオの会議室ですけれど──お気に入りのプロセスです。『ファー・フロム・ホーム』で彼の正体が明らかになったという事実から逃げたくないと思っていましたし、それが常に出発点でした。脚本家のエリック・ソマーズとクリス・マッケナ、監督のジョン・ワッツ、そしてエイミー・パスカルと一緒に座って、ブレインストーミングを始めました。次に何が起こるのか?大きなテレビスクリーンに正体が映し出されたマディソン・スクエア・ガーデンから去り、ピーター・パーカーはどうなるのか?そして、彼の人生はどのように変化し、混乱して行くのか?さらに重要なのは、それが彼の友人たちにどのような影響を与えるかということでした。ピーター・パーカーは大抵のことに対処できます。けれど、友人たちが自分の行動によって不当な影響を受けているのを目の当たりにすると、彼は精神的にかなり疲弊してしまう。

それらは常に初期段階からあったことでした。たくさんの楽しい議論をして。“何がクールだと思う?これをやったらいいんじゃないか、こうしたらいいんじゃないか”といつも話し合っていましたね。もしドック・オクを復活させるとしたら、アルフレッド・モリーナを起用しなければならないといつも言っていました。“どうやってそんなことをするんだ?”とも“いつかそうできたら楽しい”とも思いましたね。でも、まずはトム・ホランドのピーター・パーカーのストーリーを追いかける作業を始めました。彼ならどうするか?と。

ピーターはMCUの中でこの問題をなかったことにするために何ができるのか?と考えていた時に、彼がドクター・ストレンジのことを知っていると気がつきました。ドクター・ストレンジはグリニッジ・ビレッジのブリーカー・ストリートにいる。彼に頼めば、魔法のように全てを解決してくれたり、時間を戻してくれたり、呪文を唱えて人生が元通りになるようなことをしてくれるかもしれない、と。お察しの通り、そんなに簡単なことではないですし、物事はうまくいかなくなっていきます。

そして、ピーターは気づくんです。ドクター・ストレンジは確かに忘却の魔術を持っているけれど、全員に忘れて欲しくはないのだと。メイおばさんにも、ハッピーにも、MJにも、ネッドにも知っていてもらいたい。このユニバースでは、彼は一人ではない。彼には心強い仲間がいて、それを失いたくはない。そこで彼は呪文を台無しにし始め、ドクター・ストレンジは最後には魔術を止めて、“気にするな、すまない。こんなことをするべきではなかったんだ”と言う。

でも不運なことに、魔術がうまくいかなかったその小さな瞬間にも 、ピーター・パーカーがスパイダーマンであることを人々に忘れさせる代わりに、ピーター・パーカーがスパイダーマンであることを知っているあらゆるユニバースの人々が我々のユニバースに来てしまって……。

普通の子であること、ヒーローであることの葛藤

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── 過去のヴィランたちを復活させるというアイデアについて

『スパイダーマン:ホームカミング』でスパイダーマンをMCUに登場させる機会を得たとき、これまでのスパイダーマン映画では行われなかった2つのことを探求しました。1つは、スパイダーマンの年齢をもっと若くし、高校生活に入ったばかりで、彼が若くしてこれらのパワーを持っていることに対処しながら高校生活を送っているということ。もう1つは、より広いマーベル・ユニバースを舞台にして、そこに他のヒーローがいるということです。

最初の数作は、今までやらなかったことをどのようにやるかということを常に考えていました。だから、ゴブリンやオズコープの新しいストーリー、ドック・オクやこれまで描かれたキャラクターのことをやろうとは思わなかったんです。ここで重要だったのが、バルチャーやミステリオでした。そして誰かに意見を求められるずっと何年も前から、──先ほども言ったように──ドック・オク役にはアルフレッド・モリーナ以上の役者はいない、あの役を誰かが引き継ぐのは非常に難しい、と言い続けてもきました。

もしドック・オクを復活させるとしたら、アルフレッド・モリーナでなければならず、その方法を見つけるのは簡単なことではありません。今回の『ノー・ウェイ・ホーム』の開発初期段階に、MCUのおかげでその方法があることに気づきました。

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── 『ホームカミング』シリーズ3部作のアイデアについて

彼(ピーター)をできるだけ若い年齢にしたかった理由のひとつは、高校時代を描くためです。『ハリー・ポッター』シリーズがそうであるように、各本に学校生活の1年が描かれている。最初のアイデアは、2年生、3年生、4年生というものでした(※訳注:アメリカの高校は4年制)そして、それを実現したんです。その3年間に、彼は素晴らしい冒険をしています。『ファー・フロム・ホーム』はその夏を描いた作品になっていましたね。そして『ノー・ウェイ・ホーム』は、まさに彼の最終学年を描いているんです。

最終学年が始まり、自分が人生で何をしたいのか、MJやネッドと一緒にどこの大学に行きたいのかを考えている時に、ミステリオに自分の正体を明かされてしまう。ピーター・パーカーの正体が明らかになるという最悪の事態が起こってしまうんです。彼は『ファー・フロム・ホーム』で起こった全ての濡れ衣を着せられているんですよ。

彼が本当に望んでいるのは、4年生になって普通の子のような経験をすること。それがヒーローであることと普通の子であることの葛藤となっていくんです。

6年前のプレッシャー、そして今

── ジョン・ワッツ監督の成長を見ることについて

マーベル・スタジオで働いていて光栄なのは、俳優であれ、監督であれ、脚本家であれ、その他のクリエイティブ・プロデューサーであれ、ストーリーテラーが長年にわたって成長し、変化し、進化していく様子を見られることです。ジョン・ワッツ監督はその素晴らしい例。彼は『COP CAR/コップ・カー』(2015)という素晴らしい映画を作りました。非常に小さい作品ですが、キャラクターを重視していて、『ホームカミング』のために私達が彼に注目したきっかけとなりました。

そして今回、史上最も野心的なスパイダーマン映画である『ノー・ウェイ・ホーム』で、彼が監督として成長し、活気ある新人から活気ある専門家になったことは、見ていて楽しいです。他の映画製作者たちが彼のことを尊敬し、見習いたいと思うようなスキルで、とてつもないアクションシーンをこなすようにもなりました。それが楽しく思えるのは私が年長の指導者になったということなのでしょうか?そうかもしれないですね。今、こうして座って見ることができるのは、本当に素晴らしいことです。

── トム・ホランドが、スパイダーマンの適役であることについて

エイミー・パスカルに会って、スパイダーマンの映画を一緒に作り、MCUに登場させようと最初に打診した時、エイミーやソニーの了解を得て、(ソニー・ピクチャーズ エンターテイメント会長の)トム・ロスマンが信じて参加してくださった時は、大きなプレッシャーを感じていました。周りにイエスと言ってもらうことと、自分が話していたことを実現するのは別のことですから。

そのための最初のステップがキャスティングでした。一緒に成長していける、他のマーベルヒーローと対等に演じることができる最年少のピーター・パーカーを見つけよう、というのが始まりで。これにはトニー・スタークが重要な役割を果たすことがわかっていました。当時『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)はすでに撮影中で、ピーター・パーカーを起用して『シビル・ウォー』の最初の撮影に参加させることができるかどうか分かりませんでした。それでも全力を尽くしたかった。そこで、5人の俳優を現地に派遣して、ロバート・ダウニー・Jr.と一緒に本読みをしてもらったんです。

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これは彼(ダウニー・Jr.)の寛大さのおかげで実現できたことです。特に他の俳優と自分の時間に対して、彼はいつも寛大でした。クリス・エヴァンスとも(本読み)を行いました。トム・ホランドは素晴らしいピーター・パーカーであるだけでなく、信じられないほど素晴らしいスパイダーマンであることを証明してくれたんです。彼は俳優としての素晴らしい才能と、優秀な体操選手とスタントパフォーマーとしての能力の両方を持っていた。それは恵まれたことであり、私達を驚かせ続けています。

彼がエヴァンスの目の前で大宙返りをして、とても驚かされたことは今も覚えています。エヴァンスは目の前で起きたことが信じられなかったようでした。先ほども言ったように、若きトム・ホランドとロバート・ダウニー・Jr.が初めて交流するときの化学反応は、まさに若きピーター・パーカーとトニー・スタークが初めて交流するときのようでした。『ファー・フロム・ホーム』で見た通り、ピーターは完全にアイアンマンの影から抜け出し、『ノー・ウェイ・ホーム』ではヒーローとして成長していく姿を見ることができるんです。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、2022年1月7日(金)公開。

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THE RIVER編集部
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