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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』世界興行収入、いきなり3億ドル突破の可能性 ─ コロナ禍以前の『スター・ウォーズ』に並ぶ存在感

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が、いよいよ2021年12月17日より米国ほか世界各国で公開される。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以来の話題と注目が集まっているだけに、新型コロナウイルス禍のハリウッド映画として興行収入の新記録樹立も確実視されている状況だ。

Deadlineによると、本作の全世界オープニング興行収入は少なくとも2億9,000万ドルに達する見込み(12月17~19日)。もし現時点での予測を超える観客が劇場を訪れた場合、3億8,000万ドルにも到達する可能性があるという。いずれにせよ、コロナ禍における全世界初動記録を保持する『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021)の1億6,300万ドルを大幅に上回る予想だ。

より具体的に予測の内容を確認してみよう。現状、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は北米の4325館で上映される予定。ソニー・ピクチャーズは北米オープニング興行収入を少なくとも1億3,000万ドルと予測しているが、ライバル会社などは1億7,500万ドル以上、多ければ2億ドル超えもありうると見ている。12月公開作品としては、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)の2億2,000万ドル、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)の1億7,730万ドル、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)の1億5,500万ドルに並ぶ規模とあって、すでに“コロナ禍以前”の大作と肩を並べる存在感になっているのだ。

しかし、いくら本作がMCUの最新作とはいえ、また『スパイダーマン』シリーズの総決算というべき設えとはいえ、依然としてコロナ禍の情勢は先行き不透明だ。世界各国でオミクロン株の感染拡大にも懸念が広がる中、なぜ『ノー・ウェイ・ホーム』にはこれほどの高値予想が付けられているのか?

その理由のひとつが前売りチケットの好調ぶりだ。報道によると、本作の前売りセールスは『スカイウォーカーの夜明け』を20%上回り、また『エンドゲーム』を35%下回っているとのこと。『エンドゲーム』の前売りは1億2,000万ドルの売上を記録したため、『ノー・ウェイ・ホーム』も単純計算で公開前に約7,800万ドルを売り上げることになりそうだ。ソニーは『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)がコロナ禍史上最高の初動記録を樹立しており、この勢いが続くとの予測もある。

なお、本作の海外オープニング興行収入は1億6,000万~8,000万ドルと予測されている。12月15日には韓国やイギリス、フランス、ロシアなどで劇場公開され、その後も17日までにドイツ、ブラジル、インド、スペインなどで公開を迎える予定。翌週には香港やタイ、サウジアラビアで、そして年明けに日本、フィリピン、ノルウェーなどで公開される。中国での公開日は決まっておらず、年内公開の可能性は低い模様。前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)は中国、日本、香港での先行公開が優れた成績を収めたが、今回はこれら3ヶ国が遅れての登場となる。

ちなみに、コロナ禍におけるオープニング興行成績の首位は、中国映画『唐人街探偵 東京MISSION』(2020)の4億ドルであり、『スパイダーマン』をもってしてもこれには勝てないとの予測になっている。ソニー作品でオープニング世界興収の首位記録を保持するのは『スパイダーマン3』(2007)の3億8,166万ドル。自社記録の更新はありうるか…?

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は2022年1月7日(金)公開

Source: Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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