【ネタバレ】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』あの人たちの「違いを出す」ために活躍したセリフとは ─ 脚本家が説明

この記事には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の極めて重大なネタバレが含まれています。必ず映画をご覧になってからお楽しみください。

トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド、2人のピーターの“現在”
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』には、過去作との関連性がダイレクトにあるが故に、見せ場が多い。なかでも客席にどよめきを与えたシーンといえば、トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド、2人のスパイダーマン俳優の再登場だった。ネッドとMJによって召喚された2人のピーターたちは、メイおばさんの死に打ちのめされたトム・ホランドのピーターの元へ駆けつける。
そして遂に、学校の屋上で3人のスパイダーマンが初対面を果たした。このシーンでは、自暴自棄になるホランド・ピーターを2人の兄たちが慰める。そこで登場したのが、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というセリフだ。トビー・ピーターとアンドリュー・ピーターは、亡くす前のベンおじさんから言われたこの言葉を胸に、ヒーローであり続けた。
『ノー・ウェイ・ホーム』では、この「大いなる〜」を通してトビー・ピーターとアンドリュー・ピーターが過去を振り返る。『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)からエリック・ソマーズと共に脚本を務めてきたクリス・マッケナが米Varietyに語ったところによれば、この回顧シーンには、同時に2人の現在を伝えるものとしての役割も意図的に込めていたという。
「この2人のキャラクターに違いを出すことができました。彼らは、それぞれの人生で別の段階にいるんだということを伝えることが。例えば、『アメイジング・スパイダーマン』のピーターは問題を抱えていたでしょう。彼は人生の暗闇にいた。私たちはそれに頼ることができたんです。」
それぞれ終わり方が違う『スパイダーマン』シリーズ。ヒロインとの関係性1つ取って見ても、レストランで再会を果たすトビー版に対してアンドリュー版は戦いにより失ってしまう。その通り『ノー・ウェイ・ホーム』では、現在も付き合っていたMJとの関係性は続いていると語ったトビー・ピーターに対し、アンドリュー・ピーターはまるで悲しい出来事を思い出したかのように目に涙を浮かべるだけだった(アンドリュー・ピーターは恋人を作っていないとも言う)。
こうした2人の違いは、意味を帯びながら後の展開にも活きた。これを顕著に確認できたのが、自由の女神像での最終決戦のシーンだろう。時計塔から落下した恋人のグウェンを救えなかったアンドリュー・ピーターは同じ過ちは繰り返すまいと、高所から転落したホランド・ピーターの恋人MJをすかさずキャッチしにいく。一方、トビー・ピーターはかつては自身が経験した闇堕ちをホランド・ピーターにさせまいと、グリーンゴブリンを無慈悲に殴り続けるホランド・ピーターを止めようとする。
マッケナによれば、各ピーター・パーカーに見合った展開は、初期段階から候補リストにしてまとめられており、他にもアイデアはたくさんあったのだとか。驚くことに、ジーンと胸に響いたアンドリュー・ピーターのMJキャッチの場面は、製作陣の間で「どうやったらこれを避けられるか?」と考えられていたアイデアだったというが……。
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Source: Variety