【インタビュー】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』グリーンゴブリンのヴィラン像は「現代的」、ウィレム・デフォーが分析

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では何故だろう、非業の最期を遂げたグリーンゴブリン/ノーマン・オズボーンが再びピーター・パーカーの前に姿を現す。そのカラクリは本編を観てもらうと分かるわけだが、約14年ぶりの再演を果たしたウィレム・デフォーは、復帰にあたりフィジカル面での積極的な関与を制作側に要求したという話だ。
このたび到着したオフィシャルインタビューでは、デフォーがグリーンゴブリンへの思いのほか、熱意を注いだアクションについても語っている。果たして、パンプキンボムを片手にグライダーを乗り回すゴブリンは、どのうなカムバックを見せるのだろうか。

── ノーマン・オズボーン/グリーンゴブリンについて
このキャラクターは、ある意味ではさらに怖くてさらにダークな存在であるかもしれないです。ゴブリンは、勝ち負けの世界を信じています。そして、力こそがすべてだと信じている。それは抽象的なものではない。哲学的に見て、彼は同情や共感には我慢できないし、興味も持っていません。彼は、物事は強い人間によって成し遂げられると信じているんです。弱い人間のことは気にしないんですよ。それは、権力者における非常に現代的な考え方。それが、このキャラクターの原動力の一部になっていると思います。
── 『ノー・ウェイ・ホーム』での登場について
私が気になっていたのは、グリーンゴブリンが再び登場することが不自然ではないか、あるいは何か別の要素に言及するための単なる賑やかしになってしまわないかどうかでした。でも、プロデューサーのエイミー・パスカルとジョン・ワッツ監督が説明してくれた時、とてもいいアイデアだと思いましたね。実際、とても楽しかったです。基本的にはマルチバースが開き、時空が乱れているという内容で、別の次元のモノがこの次元で生きているということなんです。
── アルフレッド・モリーナとジェイミー・フォックスとの共演について
本作では、主にアルフレッドとジェイミー、2人の俳優との仕事でした。アルフレッドと私は、ほぼ同時期に(この仕事を)始めました。彼を何年も追いかけていました。ジェイミーは、「イン・リビング・カラー」(1990-1994)の頃からずっと好きでした。素晴らしいコメディアンであり、優れた俳優であり、身体能力も実に優れている方で。つまり、本物のスキルを持った人たちを相手にしているということなんです。ここにジョン(・ワッツ監督)が加わって。彼は皆んなに個性を持たせ、特異性を見つけてほしいと思っているので、それぞれの楽しみ方を歓迎していました。楽しいです。

── スタントと戦闘シーンについて
フィジカルな撮影を行うことは、私にとって重要でした。実際、ジョン(・ワッツ監督)とエイミー(・パスカル)に、まだ脚本もできていない段階で最初に言ったことのひとつは、「聞いてくれ、私は単にカメオとして少しだけ出演したり、クローズアップだけを務めたりするのは嫌だ」ということでした。アクションシーンを演じるのは楽しいですし、それに参加しないとキャラクターに整合性や楽しさを与えることは不可能です。こうしたアクションはすべて、キャラクターやストーリーとの関係を教えてくれますし、面白い方法でキャラクターを演じさせてくれますからね。
── ジョン・ワッツ監督との仕事について
ジョンは素晴らしい方です。タフで明確で、ビジョンを持っている。彼は本物の映画監督であると同時に、堅すぎもしない。とても遊び心のある人です。彼の中にはちょっとした悪魔がいて、彼が必要だと感じたことをこちらが達成しようとすると、ほとんどの場合、彼は「オーケー、さあ、もっと楽しもう。君の好きなことをしよう」と言うんです。彼はいつも自由に演じる機会を与えてくれる。それって素晴らしいことですよ。
映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、全国公開中。