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『スパイダーマン』第3作、新型コロナの影響で製作遅延か ─ 『アンチャーテッド』やMCU他作品との調整どうなる

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品、トム・ホランド主演『スパイダーマン』第3作(タイトル未定)の製作が、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて遅延する可能性が出てきた。

英国映画協会は、新型コロナウイルスがもたらした映画業界への甚大な影響を受けて、直近の主な動きをウェブサイトにて紹介している。その中で、すでに撮影開始が延期となった実写映画版『リトル・マーメイド(原題:The Little Mermaid)』、撮影中断を余儀なくされた『ザ・バットマン(原題:The Batman)』と並んで『スパイダーマン』第3作の名が挙がっているのだ。

既報によると、『スパイダーマン』第3作は2020年7月に米アトランタにて撮影が始まる予定だったため、新型コロナウイルスの影響で各社が企画を中断するさなかはプリプロダクション(撮影準備)の最中だったとみられる。その後もスタジオ各社はリモートワークで作業を可能な限り継続しており、これは『スパイダーマン』も例外ではないだろう。ただし、製作を務めるソニー・ピクチャーズと主演のトムは、本作に先がけて、人気ゲームの実写版『アンチャーテッド(原題:Uncharted)』を撮影予定だった。同作はドイツ・ベルリンで撮影が行われる予定で、トムいわく「撮影の初日にみんなが参加し、そこで中止になった」という。

ソニーは『アンチャーテッド』の米国公開日を2021年3月5日から10月8日へと延期することを発表。一方で、『スパイダーマン』第3作を2021年7月16日に公開するとの方針に変更は生じていない。『スパイダーマン』の撮影が先か、『アンチャーテッド』の撮影が先かという問題は、一連のスケジュールを鑑みるにあたって重要なポイントだろう。

さらに複雑なのは、MCU版『スパイダーマン』がソニーとマーベル・スタジオの共同製作であることだ。すべての作品が世界観を共有し、物語が繋がっているMCUの場合、スケジュールの乱れは「スケジュールが乱れる」ということ以上に大きな影響に繋がりうる。すでに『ブラック・ウィドウ』は世界的に公開延期が決定されたが、ウイルス終息の目処は立っておらず、2020年11月に米国公開予定の『エターナルズ(原題:The Eternals)』にも影響が出ないとは言い切れない状況。同作の公開に影響が出なかったとしても、現在マーベル・スタジオは『シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)』やドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(原題)」「ロキ(原題)」などの撮影を中断しており、これらのスケジュールが、巡り巡って『スパイダーマン』など今後の計画に影響することも考えられるのである。

なお、ソニーは『スパイダーマン』シリーズのスピンオフ作品『モービウス』、『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の公開を2021年に延期することを決定済み。『スパイダーマン』第3作についても、スタジオからの正式発表が待たれる。

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Sources: BFI, Comicbook.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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