ドウェイン・ジョンソン『The Smashing Machine』アメリカで不調スタート ─ 高評価も興収ついてこず

ドウェイン・ジョンソンが伝説的レスラーのマーク・ケアーを演じるA24の伝記映画『The Smashing Machine(原題)』は2025年10月3日より本国アメリカで上映を開始したが、オープニング週末興収はわずか600万ドルと苦戦スタートを強いられた。
本作はMMA(総合格闘技)伝説の戦士、“スマッシング・マシン”ことマーク・ケアーの半生を描く。1990年代後半から2000年代前半に活動の絶頂期を迎え、日本では「霊長類ヒト科最強の男」と恐れられる活躍をみせたが、薬物依存に苦しみ、恋人との関係にも葛藤していた……。
『ワイルド・スピード』シリーズや『ブラックアダム』などパワフルなアクション映画で活躍する“ロック様”が、作家性重視のA24で複雑繊細な演技を見せる注目作。トロント国際映画祭でプレミア上映されると批評家から大絶賛され、15分以上に及ぶスタンディングオベーションで讃えられていた。米Rotten Tomatoesでも本記事時点でフレッシュ認定、観客スコアも78%と評判だ。
ところが、興収がついてこない。初週末の全米ボックスオフィスでは3位で、2週目の『ワン・バトル・アフター・アナザー』1,100万ドルにも大きく引き離された。
1位はテイラー・スウィフトの新アルバムリリースに関連した作品『Taylor Swift: The Official Release Party of a Showgirl(原題)』が3,300万ドル。これは、わずか2週間前に公開が発表された作品で、事前のマーケティングは主にスウィフトのSNSのみ。スウィフトといえば2023年のコンサート映画『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』でも爆発的人気を越していたが、再び映画興行の常識を変えるものとして話題を集めている。ちなみにスウィフトのInstagramフォロワー数は2.8億人で、ジョンソンは3.9億人である。
なお『The Smashing Machine』は製作費5,000万ドルと見られているが、現時点でその回収も厳しい見通しだ。これまで“世界一稼ぐハリウッド俳優”と持て囃されてきたジョンソンとしては、明らかに勢いの足らないスタートとなった。
ジョンソンは本作を機に演技派路線を探求。本作のベニー・サフディ監督と再タッグを組んで、鶏が親友である風変わりな老人“チキンマン”を演じる『Lizard Music(原題)』のため大減量に挑戦している。
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Source:Box Office Mojo