『スパイダーマン:ホームカミング』バルチャー役マイケル・キートン、撮影中「I’m Batman!」発言していた ― トム・ホランドが明かす
映画版「スパイダーマン」としては2度目のリブート、そしてマーベル・シネマティック・ユニバースへ合流して初めての単独映画。主演俳優に新鋭トム・ホランドを起用した『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)は、高校生ピーター・パーカーが青春に心躍らせ、時には悩み、そしてヒーローとして“悪い大人たち”と対決する物語だった。
同作で若くて向こう見ずなスパイダーマンの前に現れるヴィラン、エイドリアン・トゥームス/バルチャーを演じたのは、かつてティム・バートン版『バットマン』シリーズでタイトルロールを演じたマイケル・キートン。ヒーローからヴィランへと鮮やかに姿を変えてみせたキートンだが、実はその撮影現場では「I’m Batman!」と言い放つ場面があったとか……。

マイケル・キートン、バットマンに戻る?
2018年6月に開催されたイベント「Ace Comic Con Seattle」にて、トム・ホランドはトム・ヒドルストンとともにトークに登場。『スパイダーマン:ホームカミング』の撮影中、キートンがバットマン役を思わせる発言をしたことはなかったかと司会者から尋ねられると、ホランドは「確かにありました」と答え、こんな撮影秘話を明かしている。
「最高のシーンでしたね…映画(完成版)には入ってないんですよ、カットされてるので。(クライマックスで)僕がバルチャーを炎の中から引っぱり出すところ、彼が死にかけていて、それを僕が助けるシーンですね。砂の上に彼を横たわらせると、彼が“なぜ助けた?”って言う。そこで僕が“スパイダーマンだから”と答えたら、彼は“でも俺はバットマンだ!(But I’m Batman!)”って(笑)。」
客席からは思わず歓声が飛ぶエピソードだが、ホランド自身、この時の思い出は「絶対忘れない」と語っている。またホランドは、ヴィランとしての圧倒的な存在感と、家族を持つ父親としての人間味を示したキートンの演技には強い衝撃を受けたようだ。
劇中でパーカーはひょんなことから、敵対するトゥームスが、自分の恋するリズの父親であることを知ってしまう。しかもトゥームスに自分がスパイダーマンであることを悟られた彼は、車の中で“ある交渉”を受けることになるのだ。
「彼(キートン)の仕事は本当にすごかった。怖かったですよ。車の中で撮ったシーンは本当に緊張しました。信じられないくらいの緊張でしたね。丸一日の撮影だったんですが、彼は“カット”の声がかかると、すぐにとってもいい人になるんです。そしていろんな話をしてくださる。でも“アクション”の声でヴィランに変わるんですよ。僕はもう、“オーケー、カット!”って感じ(笑)。彼との仕事は最高でしたね。」
この車内のシーンで、ホランドがキートンの演技を前に本気で震え上がってしまったというエピソードはよく知られている。しかしその恐ろしさは、演技はもちろんのこと、キートンとしての優しい素顔とヴィランの顔を瞬時に切り替える演技術にこそあったのかもしれない……。
なおバルチャー役のマイケル・キートンは、続編映画『Spider-Man: Far From Home(原題)』にて再登場を果たすとの情報も伝えられている。もし再び現れるとして、今度はどんな役割を担うことになるのだろうか?
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Sources: Ace Universe, Comicbook.com
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