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【特集】謎めく魔性の女、キーラの全貌に迫る ― 『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』キーワードは“生き延びる”

エミリア・クラーク
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9350837884/

「スター・ウォーズ」シリーズでハリソン・フォードが演じてきた人気キャラクター、ハン・ソロの若き日を描くスピンオフ映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。この作品で、青年ハン・ソロに影響を与えた重要人物として登場するのが、ハンの幼なじみである女性キーラだ。演じるのは、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-)や映画『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)の注目女優エミリア・クラークである。

ハン・ソロの成長譚となる本作において、キーラという女性はどんな役割を担っているのか、そしてハンの人物像にどんな影響を与えることになるのか。ところがエミリアは、この人物について「ミステリアスなキャラクターなので、お話しするのが難しいんです」と語っている。本記事では、謎に包まれた女性キーラの全貌について、エミリアや関係者の証言から迫ってみたい。

ハン・ソロにとって大切な、しかし謎めいた女性キーラ

ハン・ソロの前日譚である映画『ハン・ソロ』の魅力について、エミリアは米Entertainment Weekly誌にて「ハン・ソロというキャラクターの素敵な部分がきちんと強調されているところ、彼が出会う人々の素敵な部分も描かれているところ」と表現する。本作ではハン・ソロの知られざる一面が示されることになりそうだが、そこで欠かせないのがキーラの存在だ。なにせハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクは、「キーラはハンの人生にとってすごく重要な人」だと語っているのである。

エミリアはハンとキーラの関係について、このように語っている。

「二人は基本的に仲間として成長してきたんです。犯罪の仲間、パートナーとして。確かにロマンティックな側面もありますが、一緒に育ってきた二人ですね。子供の頃から一緒だった。[中略]ハンは“愛すべき不良”から始まって、関係性のなかで整えられていく。キーラはそういう関係性のひとつで、彼の人格に影響を与えるんです。その…私がうまく演じられていればですけど(笑)。」

上の特報映像で印象的なのは、ハンの運転するランドスピーダーにキーラが乗っている場面だ。『ハン・ソロ』では「スター・ウォーズ」世界の“裏社会”が初めて本格的に描かれるわけだが、エミリアによれば、ハンとキーラはそんな世界を生き延びるために必死なのだという。特にキーラは、全編にわたって、とことん生き延びようとしている人物なのだそうだ。

「映画全編を通して、キーラは生き延びていきます。密輸業者やお高くとまったギャンブラー、貧しくて厄介な人たちでいっぱいの裏社会を生き延びていく。[中略](本作では)密輸やギャンブル、闇取引の世界がどういうものかが描かれます。危険で浅ましくて卑劣で、本当にダークな世界です。ギャング映画的な要素がたくさん出てきます。でも、そこにキーラがいるのはすごく楽しいですね。彼女はいろんな格好で出てきますが、基本的には生きるために戦っているだけなんですよ。」

ハン・ソロ役のオールデンは、ハンが周囲に抵抗する一方、キーラは「システムに働きかけるのが上手」なのだと話している。無鉄砲に生き抜こうとするハンに対して、社会のシステムに潜り込みながら生きていくキーラ……。そんなイメージが浮かびはしないだろうか。
ロン・ハワード監督は本作を「ノワール西部劇」と形容しているが、フィルム・ノワールとしての一面において、キーラはファム・ファタール(運命の女性、あるいは魔性の女)なのだという。もちろん、エミリアもそうした特徴を「ミステリーですね」と認めている。

(ハン・ソロとの関係には)はっきりと言いがたいところが常にあって、それこそがキーラなんです。やっと彼女の電話番号を手に入れたと思ったら、実は何も手に入れていなかった。それが毎回繰り返されているような(笑)。」

エミリアによれば、キーラというキャラクターは、物語が進むなかでも「疑問がどんどん湧いてくるようなところがある」という。掴みどころがなく、しかしハン・ソロというヒーローに大きな影響を与えたキャラクター。結局その全貌は作品を観ないとわからないだろう。いや、本当にわかるのか……?

「キーラを演じるのは本当に難しいんです。目標は、私たちの知っているハン・ソロの性格に、キーラの影があるように見せること。この女性は、(ハリソン演じる)ハン・ソロが初めて登場した時点で、彼という人間を作っていた要素のひとつなんですから。」

エミリア・クラーク

エミリア・クラーク
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9350837884/

1986年生まれのエミリア・クラークは、イギリスにおける演劇学校の名門ドラマ・センター・ロンドンを2009年に卒業。CMやテレビ映画に出演したのち、出世作であるドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-)で主要キャストのひとり、デナーリス・ターガリエン役を演じることが決まる。世界中で大人気を獲得した同シリーズでエミリアはスターダムを駆け上がった。

現在、エミリアの代表作は『ゲーム・オブ・スローンズ』のほか、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』や『世界一キライなあなたに』(2016)。ドラマの撮影で多忙を極めるがゆえに他作品への出演は決して多くないが、2019年にシリーズが完結して以降、彼女の活躍は今から約束されている。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、それに先駆ける形で登場した、エミリアにとっての新たな代表作といっていいだろう。

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は2018年6月29日より全国の映画館にて公開中

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html

Sources: EW(1,  2),  Syfy
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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