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『スポーン』リブート版は「危険な映画」にしたいと『ジョーカー』脚本家 ─ 「マーベル風にはできない」「撮ること自体にリスクある映画に」

スポーン
by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/7265768058

2024年、いよいよ企画実現が間近に迫っているとも目されるリブート版映画『スポーン(原題)』。この作品のキーパーソンのひとりが、『ジョーカー』(2019)で衝撃の物語を送り出した脚本家のスコット・シルバーだ。現在も企画に関与しているのか不明な状況がしばらく続いていたが、原作・製作のトッド・マクファーレンが、今でもシルバーが脚本を担当していることを認めている。

米Screen Rantにてマクファーレンが語ったところによると、シルバーが望んでいるのは、これまでのコミック映画/スーパーヒーロー映画とは異なるストーリー。「シルバーとの話し合いで面白いのは、彼が新しいことをやるべく必死になっていること。毎回、彼は“マーベル風の軽さにはできない”と言っているし、ホラーにもしたがらない」と語っている。

「彼はひたすら、少し変わったことをしようと戦っています。もちろん、その結果は観客に任せますよ。私はいつも、“新しいことをやるとき、その成否は観客に決めてもらう”と言うのです。お金を払うのは観客だから。

ただし彼は先日、ほとんど完璧に思えることを言ってくれました。それは“危険な物語にしたい”ということ。危険をはらんだ物語にするという意味ではなく、撮ること自体にリスクがある映画にしたい、という意味です。安易な方程式にあてはまらない、新しいものをつくることには私も大賛成。彼の言葉を借りれば、それが“危険”ということなのです。」

『ジョーカー』を執筆したシルヴァーが「危険な物語にしたい」と述べているのだから、普通の脚本家が同じことを口にするのとは言葉の重みが段違いだ。『ジョーカー』は社会で虐げられてきた男が覚醒し、世界に狂気をばらまき、観客に共感さえおぼえさせてしまう物語。社会的影響も決して小さくなかった同作を手がけた脚本家は、『スポーン』でどんな“危険”を仕掛けようとしているのか。

現在、マクファーレンは2024年内に企画を前進させる構え。製作のジェイソン・ブラムは「ブラムハウスの切れ味を持ち込みます。他のスーパーヒーロー映画に比べ、最先端かつオリジナルなものになる」と述べていたが、マクファーレンはブラムハウスとの協働には必ずしもこだわっておらず、ハリウッド以外での実現も視野に入れている。今回のインタビューでも、自身が本作で期待することについては「我々とスタジオでは答えが違うかもしれません」と言っているのだ。

『スポーン』はCIAの工作員アル・シモンズが任務中に仲間によって殺害され、最愛の妻と再会するため、地獄の軍団構成員「ヘルスポーン」として現世に戻る物語。ところが死の5年後、妻には新たな夫と子供がいて……。2022年10月の時点では、共同脚本に「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)のマルコム・スペルマンの名前も報じられていたが、こちらの残留についてはわかっていない。

Source: Screen Rant

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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