『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は「ストリート・レベル」の戦いに ─ 「1人で街の危機を救う、みんなと世界滅亡に対峙したのとは対照的」

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、3人のスパイダーマンがおしゃべりしていたシーンを覚えているだろうか?彼らがこれまでどんな戦いをしてきたかをやりとりする中で、ピーター2(サム・ライミ版、トビー・マグワイア)もピーター3(『アメイジング・スパイダーマン』版、アンドリュー・ガーフィールド)も主に1人で戦ってきたと言うのに対して、ピーター1(MCU版、トム・ホランド)はヒーローチームのアベンジャーズに所属していたと自慢する。しかし2人の“兄”の世界にはチームの概念が乏しく、「すごいな!アベンジャーズって何?」「バンドなの?バンドやってたの?」と噛み合わない。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版のピーター・パーカーは、アイアンマン/トニー・スタークをはじめとするアベンジャーズたちと共にサノスとの壮大な戦いに参加したり、マルチバースの危機に対処したり、大規模な局面を数多く経験した。『ノー・ウェイ・ホーム』のラストでは自分の存在を世界中の人々の記憶から消し、新たな手製スーツで自警活動に原点回帰する。
本国でメディア向け会見に出席したマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギによれば、単独シリーズ第4作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』はこの展開を受け継ぐ流れとして、ストリート・レベルでのスパイダーマンをMCUで初めて本格的に描くことになるという。
「『ノー・ウェイ・ホーム』のラストでは、ピータ・パーカーが全員から忘却されるという悲しい結末があるものの、そこに約束のようなものがありました。我々はトム・ホランド版スパイダーマンで初めて、彼が真のスパイダーマンになり、街の危機を1人で救うことに専念し、言うならば“ストリートレベル”の犯罪に対処していく姿を見ます。これは、彼が他のキャラクターと一緒になって世界滅亡レベルの出来事と戦っていたのとは対照的です。」
マグワイアとガーフィールドによる前2シリーズではニューヨークを舞台に、スパイダーマンが街の人々を救う展開が多かった。MCU版では基本的にはファイギの言うように、アベンジャーズ(になりたい)一員としてより強大な脅威に対峙することに傾倒した。『ブランド・ニュー・デイ』では、より地に足着いた“親愛なる隣人”のスイングを見られることになる。
「これをやるとなると、“わかった、まだスパイダーマンと絡んでないストリート・レベルのキャラクターは誰がいただろう?”と言いますね。もちろん『ザ・パニッシャー』はスパイダーマンのコミックから始まりました」とファイギは続けている。『ブランド・ニュー・デイ』では、ドラマ「デアデビル」シリーズに登場した非情の処刑人パニッシャーことフランク・キャッスル(ジョン・バーンサル)が参戦するのだ。
監督は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)のデスティン・ダニエル・クレットンにバトンタッチ。「彼は間もなく撮影が始まる本作で、今とても素晴らしい仕事をしています」とファイギは賛辞を送る。「彼のアート部門の壁にはコミックのカバーが8点か9点飾られていて、それをこの映画で映像化しようとしています」と言うから、原作コミックのアイコニックな瞬間が再現されることになりそうだ。
ちなみに、マーベル・コミックにパニッシャーが初登場した1974年の「The Amazing Spider-Man #129」では、パニッシャーがスパイダーマンを仕留めようとする展開が描かれる。これが再現されるのだとしたら、容赦ない殺傷能力を誇るパニッシャーの攻撃を、ピーターはどうやり過ごすのだろう?
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は2026年7月31日US公開予定。
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Source:ScreenRant