うろ覚えさんのための『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ヴィラン復習 ─ これを読んでおけば大丈夫

マーベル・シネマティック・ユニバース『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が、ついに念願の日本公開を迎えた。待ちに待った待望作。これから劇場に出かけるのを楽しみにしているファンも多いことだろう。
本作は、MCUのトム・ホランド主演版『スパイダーマン』シリーズの完結作でありながら、マルチバースの扉が開かれるということで、過去の『スパイダーマン』映画シリーズのヴィランたちが集結するとして大きな注目を集めている。以前のシリーズも大好きなファンにとっては嬉しいことだが、正直昔のやつはあまり覚えていない……とちょっぴり不安なファンもいるはずだ。
そんな「うろ覚えさん」は、THE RIVERで過去のヴィランを全員チェックしておこう。登場するのは『スパイダーマン』(2002)グリーンゴブリン、『スパイダーマン2』(2004)ドクター・オクトパス、『スパイダーマン3』(2007)サンドマンと、『アメイジング・スパイダーマン』(2012)リザード、『アメイジング・スパイダーマン』(2014)エレクトロの5体だ。
それぞれのヴィランを、「どうしてヴィランになった?」「スパイダーマンとどう戦った?」「スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだといつ知った?」「最後はどうなった?」「演じている俳優は誰?」のテーマごとに詳しく解説。この記事を読んでおけば、『ノー・ウェイ・ホーム』もバッチリ楽しめるはずだ!
グリーンゴブリン(『スパイダーマン』)

本名はノーマン・オズボーン。ピーター・パーカーの親友ハリーの父親で、巨大軍需企業オズコープ社の社長にして天才科学者。ピーターはノーマンを尊敬していて、またノーマンもピーターのことを優秀な学生として一目置いていた。
ノーマンは「人体パワー増強実験」を進めていたが、性格が凶暴化してしまう副作用を懸念する同僚科学者の反対があり、人体実験に進めずにいた。実験が進まなければ研究資金を断ち切ると出資者からプレッシャーをかけられたノーマンは、大変なストレスを感じていた。
どうしてヴィランになった?

焦ったノーマンは「科学にはリスクがつきものだ」と考え、自らの身体を実験台にして人体パワー増強剤を注入。これによって超人的な身体能力が備わるものの、見事に副作用にかかり、グリーンゴブリンとしての凶悪な別人格が宿ってしまう。
鬼の人格を秘めたノーマンは、様々な武器を搭載した個人用飛行装置「グライダー」に乗って、ライバル企業の実験で破壊工作をはたらく。これによってオズコープ社が業界トップになったとノーマンは鼻高々だが、以前からノーマンのことを快く思っていなかった会社重役たちは、彼を辞任させるということで満場一致の合意。ノーマンは、自分が作った会社を一方的に追い出されてしまう。
この怒りで、グリーンゴブリンはヴィランとして本格的に覚醒。オズコープ社が催したイベント会場に飛来し、破壊の限りを尽くした。
スパイダーマンとどう戦った?
グリーンゴブリンといえば、邪悪な高笑いを上げながらグライダーで飛び回る姿が有名だ。グライダーからはミサイルなどの射撃を繰り出すほか、パンプキンボムと呼ばれるカボチャ型の爆弾を手投げで攻撃してくる。この爆弾は後に、『スパイダーマン3』でノーマンの息子ハリーが使ったことで顔に重大な火傷を負うという、殺傷能力の高い武器だ。
非常に冷酷でズル賢い性格。警官に対しては降参したフリをして襲い掛かったり、デイリー・ビューグルのオフィスを襲撃してJ・ジョナ・ジェイムソンにも手をかけたり、老体のメイおばさんを襲ったり、火災現場に取り残された人のフリをしてスパイダーマンに騙し討ちを仕掛けたりと、いかなる時も油断はできない。特に象徴的なのが、ピーターの愛するMJと、多くの子ども達が乗ったモノレール車両を橋から同時に落とし、どちらを救うかスパイダーマンに選ばせるというシーン。グリーンゴブリンは、スパイダーマンが悩み苦しんだり、人々が悲しんだりする姿を見て高笑いするといったような、非常に残酷なヴィランなのだ。
また、人体パワー増強剤が備わっているので、グライダーがなくとも高い格闘能力を持つ。パンチやキックではスパイダーマンを圧倒。格闘術ではスパイダーマンよりも格上である。
スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだといつ知った?
ノーマン、ハリー、MJが感謝祭の食事会のためピーター・パーカー宅を訪れた際、ピーターの腕に自分と戦った時にできた傷があることに気付き、彼がスパイダーマンだと悟る。
最後はどうなった?
スパイダーマンとグリーンゴブリンの戦いの舞台は、最終的に廃墟へと移動する。ゴブリンのパンプキンボムによってスパイダーマンは大きなダメージを受け、マスクもボロボロになり素顔がほとんど露出する。
グリーンゴブリンはスパイダーマンを圧倒し、ピーターの大切な人であるMJを「これからゆっくりあの女を料理してやる」と挑発し、とどめの一撃を加えようとする。怒ったスパイダーマンがこれを食い止めて反撃、形勢逆転となってグリーンゴブリンを何発も殴打する。するとノーマンはゴブリンのマスクを外し、これまでの悪行は別人格の仕業だから助けてくれと命乞いをする。
しかし、実はその手元では密かにグライダーを操作しており、ピーターを後ろから刺し殺す準備をしていた。ノーマンは、父親のいないピーターに対し「君の父のつもりだった」と情に訴えるが、ピーターは「僕には父がいる。叔父のベン・パーカーだ」と拒否。その瞬間、ノーマンは邪悪な顔に戻り、ナイフが飛び出したグライダーがピーターの背後を襲う。スパイダーセンスによってこれを察知したピーターが跳躍して回避したことで、グライダーの刃はノーマンの身体を貫通することとなった。最期は「ハリーには言うな」と言い残して絶命する。
なお、グリーンゴブリンとしてのノーマン・オズボーンは続編『スパイダーマン2』『スパイダーマン2』にも亡霊として登場。息子ハリー・オズボーンに邪悪な誘惑を仕掛け、これがハリーの悲劇のきっかけとなってゆく。
演じている俳優は誰?
ウィレム・デフォー。キャリア初期には『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)のギャング役で注目を集める。『プラトーン』(1986)『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(2000)『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018)でアカデミー賞に度々ノミネート。DC映画では『アクアマン』(2018)にも出演している。