『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ラストの謎、「答えはある」と脚本家

この記事には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレが含まれています。

忘れられたピーターをめぐる物的な要素はどうなるのか?
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』最終局面では、あらゆる世界からヴィランたちが集結しようとしたところ、事態を収束させるためにピーターが「世界中の人々がピーター・パーカーの存在を忘れる」という呪文を望む。ドクター・ストレンジは別れの言葉を告げてこれを実行。やがてMJやネッド、ハッピーまでもがピーターのことを忘却すると、ピーターは彼らとの“初対面”を行っていく。
しかし、人々が特定の人物について記憶を失うと、そこには少なからず矛盾も生じてくるはずである。本作脚本家のクリス・マッケナは米IGNに、「あまり多くは話せませんが、そのことについて何度も話しあったことは確かです」と認めながら、「あの映画の中でそういった疑問についても答えてしまうと、ちょっと説明過多になってしまうかなと思ったんです」として、意図的に描写を避けたと話している。意図的というのは、マッケナが「考えと答えは持っています」と続けているためだ。
同じく脚本のエリック・ソマーズによれば、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』忘却の魔術による矛盾とは、「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなことが起こるのか?写真に写った姿が消えたり、物理的なものが消えたりするのか?」といったことだ。ソマーズもまた、「こういうことを劇中で説明しようと思うと、時間や領域がかかりすぎてしまうと判断したんです。それでは映画の感動を失ってしまうでしょう」との事情を語っている。
言われてみれば、確かに『ノー・ウェイ・ホーム』のラストは、忘却の呪文に関する物理的な都合を気にさせる隙を見せず、観客が感傷的でいられるうちに幕を下ろしていた。もっとも、ヒントは隠されている。ピーターがドーナツ店を訪れた時、MJの首元には、前作『ファー・フロム・ホーム』のヨーロッパ旅行でピーターからもらったネックレスがさりげなく光っていたのだ。また、公開された脚本では、MJがピーターに既視感のようなものを覚えていたことが書かれている。
これらの真実は、今後の作品で説明されることになるだろう。それは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2019)の指パッチンで世界の生命の半分が消された時、その影響が後続の作品で語られたことに近いかもしれない。マッケナは、「きちんと答えは持っていますよ。でも今は……それを明かすことができないんです。ただ、答えはありますからね」と念押ししている。
Source:IGN