「マーベルを失えば、映画界の損失は大きい」とセバスチャン・スタン ─ MCU批判に再び反応

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以降、マーベル・シネマティック・ユニバースは厳しい状況に置かれている。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)や『マーベルズ』(2023)は興行収入がふるわず、ドラマシリーズを含む多作ぶりと引き換えに作品のクオリティが下がっているとの批判も多くなった。
そんななか、『キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ』シリーズなどで長年バッキー・バーンズ役を演じてきたセバスチャン・スタンは、MCU批判にはっきりと反論する立場だ。以前は「マーベル映画を批判するのは本当にやりやすくなった」といい、「先入観をもたないでほしい、すぐに判断しないでほしい」と呼びかけている。
英GQのロングインタビューでも、そうした姿勢はまったく変化していない。マーベル映画/MCUへの批判が大きくなっている今、「もしもマーベルがなくなったら、その大きな穴を埋めるのは本当に大変だと思う」と述べたのである。「これほどすべてに対して心血を注ぎ、考える会社に関わったことはありません。より良いものを提案せずに、ただ貶めるようなことはするべきじゃない」と。
スタンは以前、マーベルをハリウッドの“動脈”にたとえていた。「彼らはこの業界に大きく貢献し、僕たちが小規模の映画を作ることも可能にしている。人々の認識よりもずっと多くの形で貢献している」という視点は、MCUの現状だけでなく、ハリウッド全体のエコシステムを見つめるものだ。
実際に、スタンはバッキー役でブレイクしたあとも中規模・小規模の映画やテレビシリーズに積極的に出演し、役者としての幅を広げつづけてきた。4年ぶりにバッキー役を演じた『サンダーボルツ*』に先駆けては、ドナルド・トランプ役を演じた『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』や、神経線維腫症を患う俳優役に挑んだ『A Different Man(原題)』が米国で公開される。
リスク覚悟の作品選びをいとわないスタンは、「今の時代に批判を受けないものはないんじゃないか、他人の考えを気にしてはいられない」とも言っている。むろん、これはマーベルへの批判も視野に入れた発言だろう。「それに僕自身は、自分のやっていることが全員のためになるとはまるで思っていないから」
映画『サンダーボルツ*』はGW公開予定。
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Source: GQ