映画『スター・トレック』シリーズは「呪われているんじゃ?」 ─ 企画進まず、クリス・パインがっかり

J・J・エイブラムス製作、映画『スター・トレック』シリーズ第4作は2022年9月にパラマウントの公開スケジュールから消え、シリーズの先行きは不明となっている。シリーズで次ジェームズ・T・カーク役を演じたクリス・パインは、「呪われているんじゃないか」と不安になっているようだ。
2018年8月には主要キャストであるクリス・パインとクリス・ヘムズワースの出演交渉が決裂。クエンティン・タランティーノやノア・ホーリーといった監督が開発していた『スター・トレック4』は軌道に乗らず、第4作の監督に決定していたマット・シャックマンもマーベル映画のために降板。第4作は数々の問題に突き当たり、今のところ具体的な予定は明らかになっていない。
エイブラムス版のシリーズは3作が製作された。第3作となる『スター・トレック BEYOND』(2016)は3億4,400万ドルに迫る世界興行収入を上げたが、同時期のマーベル映画『アベンジャーズ』シリーズの怪物的な成功と比較されてしまうこともある。米Esquireのインタビューに応じたクリス・パインは、『スター・トレック』がマーベルのメガ・フランチャイズと比較されることについて、私見を述べている。
「『スター・トレック』は、ああいうビジネスをするために作られたのかどうか分かりません。いつも僕は、世界のマーベルと競争しようとするのではなく、熱狂的なファン層にアピールして適度な製作費で映画を作り、自分たちなりに陽気な道を歩めばいいじゃないかと思っていました。
前作が公開されて、みんなが望んでいた10億ドルの興収に届かず、それからアントン(・イェルチン、チェコフ役)が亡くなって、分からないけど、ただ……このシリーズは呪われているような気がします。」
パインが言及したアントン・イェルチンは、『BEYOND』の公開年となる2016年6月に事故により27歳の若さで急逝した。
第4作について「何も知らない」と答えたパインは、「『スター・トレック』の世界では、最後に何かを知るのは俳優であることが普通です。俳優より先に脚本を読んだ衣装デザイナーを知っているぐらいですから」ともコメント。そんな状況を「歯がゆいですね」と表現し、「このキャラクターが大好きだし、人もシリーズも大好きだけど、作品が生み出されるシステムを変えようとすることは僕には出来ません。そんなエネルギーはありませんから」とも吐露している。
2022年2月には第4作の製作がエイブラムスによって発表されたが、一部のキャストには続編について事前に何も知らされていなかったと報じられていた(企画は後にお蔵入りとなっている)。
Source:Esquire