ジョージ・ルーカス、今の『スター・ウォーズ』は「オリジナルのアイデアが失われている」と私見 ─ 「諦めるしかない」

『スター・ウォーズ』創造主であるジョージ・ルーカスが、第77回カンヌ国際映画祭で、映画界への功績が認められて最高栄誉パルムドールが贈られた。受賞の場でルーカスは、ルーカスフィルムをディズニーに売却した後に自らの手を離れて製作された続編についての私見を述べている。米The Hollywood Reporterが伝えた。
1977年に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』が米公開されて以来、ジョージ・ルーカスは全6作の劇場映画を手がけた。世界で最も熱狂的なファンダムを持つ一大フランチャイズとして成長した後、1999年から2000年代にかけては『ファントム・メナス』に始まる前日譚3部作が登場。これらは当時、批評家やファンからから様々な批判を受けた。
ルーカスはかねてより『スター・ウォーズ』は12歳の少年少女向けの映画であるとの考えを述べてきているが、この度も同様に、あくまでも子ども向けの作品であると強調。「この映画は、12歳になり、思春期を迎えた子どもたちに向けた映画のはずでした。自分が何をしているのかわからなくて、何を心配すべきなのか?人生に大切なこととは何か?という大きな疑問を投げかけているような子たちのことです」と述べ、「『スター・ウォーズ』には、そういうものが全部詰まっています。それらは埋めれているけれど、特に若者であれば間違いなく理解できるものです」と改めて発信している。
ルーカスフィルムを2012年に売却して以来、ディズニーは新たなるキャラクターたちと共に続編となる3部作を公開し、さらに複数のスピンオフ作品も製作した。創造主に言わせれば、これらの作品は『スター・ウォーズ』の真意を捉えていないようだ。
「私は、『スター・ウォーズ』が何たるかを真に理解している1人でした。この世界観には様々ありますが、私はきちんと理解していました。例えば、フォースです。誰もフォースを理解していなかった。私が企業(=ディズニー)に売却してから、彼らは新しい作品を作り始めました。(オリジナルの)アイデアの多くは、言わば失われてしまいました。」
ルーカスはディズニーにおける最大の個人大株主であり続けているが、もはや作品の直接的な製作権限を持たない。アイデアが失われていると暗に嘆きつつ、「そういうものなのです。諦めたのだから、諦めるしかない」と、複雑な心境を漏らしている。
ルーカスフィルムを手放して以来、ルーカスが『スター・ウォーズ』の新作についてコメントを公にする機会は非常に少なくなっている。ディズニー傘下の第1作『フォースの覚醒』(2015)には厳しい意見を述べたことを知られているが、最も賛否を分けた『最後のジェダイ』(2017)では態度を一転させたように「素晴らしい出来」と評価。以後も、新作の製作現場に顔を出したり、助言を与えたりと、密やかな支援を続けている。また、ディズニー現CEOのボブ・アイガーが投資家からの圧力で危機に陥った時には、「ボブの実績に全幅の信頼を寄せている」と支持する声明を発表している。
シリーズは目下、キャスリーン・ケネディ指揮の元で新しい劇場映画が準備中。最初に登場するのは、人気ドラマ「マンダロリアン」の世界を描く『マンダロリアン&グローグー』で、2026年5月22日に米公開となる予定だ。
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Source:The Hollywood Reporter