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『アリー/ スター誕生』ブラッドリー・クーパー、名曲「Maybe It’s Time」誕生の裏側 ─ 制作者「デモ音源を聴くのが怖かった」

映画『アリー/ スター誕生』の大きな特徴は、名曲ぞろいのオリジナル・サウンドトラックにある。ジャクソン・メイン役のブラッドリー・クーパー、アリー・メイン役のレディー・ガガがプロデュースにも携わった劇中曲には、ガガ以外にも著名なミュージシャンが複数参加し、本作を音楽面から強力にバックアップしている。

その一人が、2018年(第60回)グラミー賞で2部門を受賞したシンガー・ソングライター&ギタリストのジェイソン・イズベル。ジャクソンの過去を示唆する重要な一曲「Maybe It’s Time(メイビー・イッツ・タイム)」を書き下ろした彼は、米Billboardのインタビューにてクーパーとの創作秘話を語っている。

ブラッドリー・クーパーのデモ音源、「聴くのが怖かった」

『アリー/ スター誕生』からのオファーについて、イズベルは「僕のところに連絡が来るなんて」と驚いたことを明かしている。ただしオファーを受けた当初は、参加にそれほど積極的ではなかったようだ……。

「ジャクソンという役柄をしっかり支える曲が必要だという時に、脚本をいただきました。それで実は、“全然悪くないぞ!”って驚いたんです。だって、この映画がリメイクされるのは3~4回目だし(編注:リメイク作品としては3回目)、ブラッドリー・クーパーは監督の経験がないのにこの映画を撮ろうとしてる。“うーん、すごく良い映画にはならないだろうな”って思うでしょ。でも脚本を読んで、“これは満足できる作品になるかも”と思ったんですよね。」

ジェイソン・イズベル
Photo by Bryan Ledgard https://www.flickr.com/photos/ledgard/14645112447/

そしてイズベルは、ある意味でジャクソンを象徴する楽曲「Maybe It’s Time」を提供した。この曲をクーパーはとても気に入っていたという。

「二人でメールのやり取りをしました。彼(クーパー)が自分で歌ったデモを録音して、僕の携帯に送ってくれたんです。怖かったですね。“ブラッドリー・クーパー、これじゃダメだ!もっと上手くならないと!”って言うことになるかもしれないと思って

僕の許可を得るために送ってくれたんですが、メールは開きませんでした。飛行機に乗らなきゃいけなかったので、“まだ聴かないぞ”と。長いフライトで、5時間くらい飛行機に乗っている途中に聴いたんです。飛行機を降りてからメールを返しました。“とても良かったです。すばらしかった、良い声ですね。ありがとうございます”って。」

ところがイズベルは、クーパーがメールの返信をじっと待っていたという事実をのちに知ることになる。

「映画のプレミア・イベントで、クーパーが、デモを僕が気に入るかどうかの返事を待っているのが何よりもつらかった、神経がすり減ったと言っていたんです。僕の方は、“ブラッドリー・クーパーは僕がどう思うかなんて気にしないだろう”なんて思っていて。でも間違いでした、彼はじっと待っててくれたんです。」

それもそのはず、クーパーはジェイソン役を演じられるよう、地声を低くする発声トレーニングにも数ヶ月間取り組んでいたほどなのだ。ジェイソンを象徴する楽曲「Maybe It’s Time」をいかに歌えるのか、アーティストが認めるクオリティで歌えるのかという点は、主演俳優としても、監督としても非常に重要なポイントだったにちがいない。

アリー/スター誕生
© Warner Bros. 写真:ゼータイメージ

ちなみに完成した映画について、イズベルは非常に好意的な感想を語っている。

「非常によくできた映画だと思いました。エモーショナルだけど、センチメンタルではない。少なくとも、極端にセンチメンタルな作品ではないですよね。音楽もすごく丁寧に、敬意をもって扱われていて。楽器は的確だし、サウンドも良くて圧倒されました。本当にすばらしい体験でしたよ。」

映画『アリー/ スター誕生』は2018年12月21日(金)より全国の映画館にて公開中

レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生 サウンドトラック』
デジタル配信中:https://umj.lnk.to/astarisbornPR
日本盤CD発売中:UICS-1344 / 2,500円(税抜)/ 歌のみならず、ダイアローグ(劇中の台詞)も収録 / 歌詞・対訳・解説付

『アリー/ スター誕生』公式サイト:http://starisborn.jp

Source: Billboard

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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