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『スーサイド・スクワッド』幻のシリアスな続編、実現しなかった理由は「DCの体制変更」

スーサイド・スクワッド
SUICIDE SQUAD and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2016 Warner Bros. Entertainment Inc. and Ratpac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved

DC映画『スーサイド・スクワッド』(2016)は、その続編をめぐって紆余曲折があった作品だ。2021年夏、ジェームズ・ガン監督が手がけた『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は高い評価を得たが、ここに結実するまでには、幾人ものフィルムメーカーが企画に接近していたのである。

2017年9月、続編の監督・脚本家として就任が報じられたのは、『ウォーリアー』(2011)『ザ・コンサルタント』(2016)のギャヴィン・オコナー。脚本の草稿は2018年9月時点で完成していたようだが、その翌月には、ワーナー・ブラザース/DCコミックスがジェームズ・ガンを続編の脚本家として起用。オコナーが離脱した経緯は明らかになっていなかった。

米The Playlistでは、オコナーが当時、『スーサイド・スクワッド』のシリアスかつダークな続編を執筆していたことを認めている。その作風は、もともとスタジオ側が要求したものだったそうだ。

脚本を書くという契約を結んでいたので、僕が書いていることは(スタジオは)知っていましたよ。どんな映画で、どれくらいの予算なのかも。どういう作品になるのかを説明せずに書きはじめる人なんていませんからね。(その方針で)みなさんも納得していたんです。」

ところが、突如としてオコナーの脚本は方針転換を求められることになった。理由は『ジャスティス・リーグ』(2017)を経て、DC映画の幹部陣が入れ替えられたこと。「執筆作業の後半に入っていたころ、DCの体制がまるごと変わり、コメディを求められるようになった」というのだ。「僕が書いていたのはコメディじゃない。楽しい内容ではあっても、ギャグでいっぱいの作品ではありませんでした。ただ、新体制が別の映画を望んだんです」。

これをきっかけに、オコナーによる『スーサイド・スクワッド』続編は実現しないこととなった。その後、オコナーはオリジナル企画に集中し、ドラマ「メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実」(2021)では製作総指揮を担当。当初は自ら全話を監督する予定だったが、コロナ禍のために叶わず、現在は『ザ・ウェイバック』(2020)をともに手がけた脚本家のブラッド・イングルスビーと『Here We Are(原題)』という新作映画を執筆しているという。音楽界を舞台に、父・娘・孫の3世代を描く物語になるということだ。そのほか、先日は『ザ・コンサルタント』の続編を製作する予定であることも認めていた

ちなみにオコナーは、ジェームズ・ガンによる『ザ・スーサイド・スクワッド』を観たのだろうか? 答えは「ノー」だった。「正直に言うと、興味がないんです。自分の仕事をしているところだから」

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Source: The Playlist

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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